「そりゃ、怖いよ…熊は。」
10月下旬。
残暑が長くて暑い秋だがりんごの季節だ。
青森行かなきゃ。
「熊出ますよ、マジで。」
りんご農家、おりかさ蜜ツ星農園の成田晃さんに言われて、今年はりんご畑でのテント泊を諦めた。
熊には勝てん。
りんごの甘い香りで目覚めるという素敵な朝はおあずけだ。
今年は全国で熊の出没が大きなニュースになっている。
襲われている人も少なくない。
旬果放浪記のロゴはかわいいクマさんだけど、本物はそうはいかない。
恐ろしい動物だからできればお会いしたくない。
なので今年は通い慣れた「桜温泉」に泊まることにした。
好きな時間に温泉に入れて宿泊代もリーズナブル。
徒歩1分のところに地元に愛されている焼き鳥屋もあるし。
(成田さんのご実家です!)
弘前を訪れるなら、皆さんにもぜひ一度は「桜温泉」に一泊して欲しい。
なんか雰囲気がいいんだ。
一日の仕事を終えた地元のおじちゃんと一緒に熱々の風呂に入る。
濃い弘前弁に囲まれるのも心地いい。
最近はおしゃれなドミトリーも多いが、昔ながらの質素な部屋で眠るのも逆に新鮮だ。
朝6時に熱々の温泉に入り、すぐにりんご畑へ。
朝露に濡れたりんごに太陽の光が反射して輝いている。
生産者の成田さんとお話をしながら、旬ど真ん中のりんごを収穫させていただいた。
さてジャム作りだ。
ついさっきまで木に成っていたりんごからは「さあ、食べてくれ!」と言わんばかりのいい香りがする。
任せとけ。
まずは定番の青りんご「グラニースミス」で作るジャム。
今年は宮城県の「蔵王ハーブ」さんのローズマリーとレモンタイムの香りを添えてみた。
爽やかな草木の香りがするグラニースミスにはハーブが合う。
好きな組み合わせだ。
そしてもう1種類は果肉まで赤い「紅の夢」だ。
透き通るコンソメのようなイメージでアップルゼリーを作ってみよう。
ゼラチンではなくりんごに含まれるペクチンの力だけで固めるのだ。
果肉は入れない。
凝縮したりんごのエキスからは、今朝収穫したばかりのりんごの甘い香りがする。
最高にピュアで新鮮なアップルゼリーだ。
朝までは木に成っていたりんご。
お昼過ぎにはすでに小さな瓶の中だ。
最高の美味しさ、閉じ込めたぞ。
そしてもう毎年のルーティンなのだが、怒涛の仕込みを終えたご褒美に。
「嶽きみラーメン」これでしょ。
岩木山の麓、嶽地区で栽培された最高に甘いとうもろこし。
これがふんだんに盛り付けられた味噌ラーメン。
生にんにくをたっぷり入れていただいた。
弘前に来たらこれも絶対食べて欲しい!
10月下旬。
真っ赤に実ったりんごとともに、岩木山の紅葉も見頃だ。
この景色は毎年見ているがため息が出る美しさだ。
しかし、生産者の成田さんは言う。
「今度はぜひ色のない世界を見てほしい」
雪一色に染まった景色だそうだ。
1年の疲れや、日々の悩みも一緒にリセットされる感覚だという。
来年の2月あたり、来てみるか。(寒いのは苦手だけど…)
弘前という街が好きだ。
もう10年近く通っている。
街中の古い建造物も、岩木山をはじめ広大な景色も、弘前弁も。
もちろん美味しいりんごも、それを育てる人も。
ノスタルジーな雰囲気に惹かれる。
そんな青森県弘前市。
皆さんにもぜひ訪れてほしいな。
過去の青森旅のお話も。
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