見出し画像

太陽光と蓄電池から考えるイノベーション


皆さんは太陽光発電はご存知ですか?

今や、誰もが知る発電方法となり、最近のほとんどの住宅についているのではないでしょうか?

もちろん私の家にもついています。

私は、約10年前に、夢のマイホームを建てた際に、太陽発電をつけました。

その時は、太陽光発電が市場に出回って間もない頃で、新しい発電の形として、注目を集めていました。

いわゆる、新しいイノベーションであったのです。

太陽光発電は新しいイノベーションと注目を浴び、それに伴い、市場の拡大を進めるため、政治やマスコミ、利権団体が動き、太陽光発電が、環境に優しい発電方法として、さも新しいライフスタイルかのようにもてはやされました。


その結果、一つのトレンドとして、住宅に太陽光発電がついている事がステータスとなっていきました。

私は、一軒家を購入する際に、太陽光発電を購入しましたが、購入した際は、かなり優遇されていました。

まず、国からの補助金がありました。また買電価格も高く、初期費用が300万円かからないくらいでしたが、試算したら、約15年から20年でPayして、その後の売電は、全て利益になる計算でした。

なんと素晴らしいシステムと、感動した事を覚えています。

しかし、そう事は上手くいきませんでした。

太陽光発電が、徐々に普及していくにつれ、買電価格が低下していき、10年後の現在は、ほとんど価値のない値段まで下がりました。

もちろん、購入当初の試算など、とうに破綻して、返済のみ残るといった、最悪の事態になりました。

でも、まぁ仕方ないか、と思っていたところ、最近になって、また新たなテクノロジーとして、『蓄電池』の存在が頭角を表してきました。

ここ数ヶ月で、蓄電池の営業がよく来るようになり、ゆうに5社以上の訪問がありました。

蓄電池とは、太陽光発電の売電が、ほとんど値が付かなくなり、その為、その発電を有効に使用するため、蓄電池に貯めておくというものです。

また、太陽光発電からのみならず、深夜の安い電気を蓄電池に貯めて、昼間などの、消費電力が多い時間に使用するなど、電気の有効活用が出来るものです。

死んだ太陽光発電を生き返らせる、画期的な存在です。

しかし、私は懐疑的でした。

そもそも、蓄電池の導入は、新規で住宅を建てる人にとっては、太陽光発電とセットで導入できるため、メリットはあります。

現在大手の住宅メーカーのCM等でも、最初から太陽光発電と蓄電池をセットで売り出しているのを見かけます。

新規でセットで販売されるなら、設置コストや住宅ローンとの抱き合わせによる借入や金利面等の優遇があるため投資しやすいと思いますが、蓄電池のみの設置になると、新たな借入や設置コストなど新たな借金が増えます。


しかし、販売メーカー等は、『長い目で見れば、今つけておいた方がお得ですよ』と言い、あたかも、初期投資分よりお得な費用対効果があるかのように進めてきます。

ここで思い出して欲しいのは、太陽光発電が市場にではじめた10年前の事です。

現在の蓄電池と全く同じ事言っていました。

現在、蓄電池の普及は、国を挙げての事業といっても過言ではないでしょう。

様々な利権団体と共同で普及の為、補助金等の様々な施策を行っています。

しかし、10年後に蓄電池はどうなっているでしょうか?

太陽光発電と同じ道を辿っているのではないかと思います。

何故なら、蓄電池が太陽光発電の様に普及してしまえば、市場は飽和し、利権団体の旨みがなくなるからです。

そのため、現在は太陽光発電にかわる蓄電池が生まれ、また新たな市場としてマーケットが潤っていますが、10年後は、蓄電池に変わる新たなイノベーションが市場を席巻している可能性が高いのです。


純粋に、未来永劫、私達の生活を良くするイノベーションとして、売り出すのではなく、目先の利便性をあたかも新たなライフスタイルかの様に報じて私達を上手く扇動するのです。



人類は少しずつ進化を遂げてきました。

紀元前より存在する文明は数百年から数千年の時をかけてゆっくりと進化を遂げていきました。

そして、その文明が、徐々に各地に広がり、世界規模で少しずつ浸透していったのです。

その結果、宗教、哲学、技術、学問、言語などが様々な地に伝えられ、各地でそれらがその地で発展していき、人々の生活は徐々に豊かになっていきました。

発展を繰り返していくうちに、進化のスピードもどんどん加速していきました。

そして、現代にもなると、進化の加速が止まらなくなり、昔は、100年、200年かけて進化させていた人々の生活が、5年から長くても10年で人々の生活はガラッと変化するようになりました。

いい例で例えると、今から100年前の明治末期と現在の暮らしは想像し難い程の進化を遂げました。


しかし、明治末期より100年前の江戸時代中期の間の進化は上記に比べると、進化の程度は低い事は誰が見ても明らかでしょう。


結局何がいいたいのかと言うと、進化のスピードが上がるという事は、長期スパンでの人生設計や計画が破綻しやすいと言う事です。

20年、30年先は、自分達が考えている未来とは全く異なる未来になっているのです。


イノベーションは10年周期で変わっていきます

よく聞く話が、携帯電話の進化です。

現在話題に挙がる5Gですが、4Gから5Gが生まれるまでに約10年かかっているそうです。

4Gから3Gも約10年間と10年スパンで新たなテクノロジーが生まれています。


現在の人類の力は10年あれば人々の生活を一新させるイノベーションを作り出す事が出来ると言う事です。

それなのに、20年、30年先を見た投資を計画など恐ろしくて出来ないと言う事です。


それが新たなイノベーションなら尚更です。

新たなイノベーションはゴールでは、なく、次のイノベーションのステップです。

新たなイノベーションを糧にして、次のイノベーションへと現在進行形で進んでいきます。

その為、私達は、様々な投資を行う際に、そのイノベーションに投資するだけのメリットがどの程度あるのか、慎重に検討する必要があります。


その見極めが本当の意味で私達の生活を豊かにしてくれるのです。

私は現在は少なくとも10年以内にPay出来ない物への投資は絶対にしない様にしています。

それが自分の生活を守るためのルールです。

皆さんも安易な長期スパンでの投資について、今一度立ち返って、本当に自分にとって有益な物となるのか考えるきっかけになれば嬉しいです。

#イノベーション
#環境問題
#自然エネルギー
#投資
#太陽光発電
#蓄電池

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?