Baby Loves You / Enuff Z' Nuff (1991)
【本日の1曲 Vol.11 2022.02.06(日)】
イナフ・ズナフ。ドニー・ヴィーとチップ・ズナフを中心に結成された米国のロックバンド。Atcoからのメジャーデビューが1989年のセルフタイトル。80年代後半当時、ヘア・メタルが全盛で、グラム・スタイルのファッションであったがそちらの系統とまとめて語られることが多く、見かけで損したバンドの一つだと思う。
1stはハードロック的な面も強かったと思うが、Beatlesを敬愛するCheap Trickなどパワーポップ的な要素の志向が強かったと思う。今回取り上げた表題曲は2nd『Strength』('90)に収録された名曲中の名曲!
『Strength』は1stのようなメタルというかハードロック然とされたアレンジからもう少し、Beatles Likeのアレンジに簡素化されており、彼らのアルバムでは一番好きなのだが、The WildheartsやMr. Bigのポール・ギルバートが後にカバーした「Time To Let You Go」が収録。しかし、ビルボード誌の全米最高143位とセールス的には振るわず、Atcoから契約を打ち切られてしまう。1991年5月リリース。時代は湾岸戦争でアメリカの景気は悪くなり、シアトル勢のバンドが人気が出てきた頃。80年代のバンドは低迷期に入る頃ですね。アルバムは程なく廃盤となり、知る人ぞ知る隠れた名盤扱いでした。
ワタシ自身は初めて聴いたのは、Aristaへ移籍し名曲「Right By Your Side」を収録された3rd『Animals With Human Intelligence』('93)。メジャーからリリースされたのはここまでで。
契約を失い、チップとドニーはChip & Donnieとして当初日本のみでリリースした『Brothers』('94)。この辺はモロBeatlesライクな名盤だった思うが、後にボーナストラックを追加し、Enuff Z' Nuffの新譜とし7th『Seven』('97)と改名しリリースされる。
過去のアーカイブより放出した4th『1985』('94)、時世にならった迷走期とも言えるグランジ風味の強い5th『Tweaked』('95)。(グランジというか音が悪い。予算の問題か。)そしてまたアーカイブより放出した6th『Peach Fuzz』('96)より。僕が聴いてきたのは純粋な久しぶりの新譜としてリリースした8th『Paraphernalia』('99)まで。90年代後半は日本ではそこそこ人気があったので、このアルバムくらいで初来日したはず。
2000年以降はフォローしていないので詳しいことはもうわからないのですが、ドニー・ヴィーがソロとなり、バンド自体はチップ・ズナフを中心に活動しているようですね。
今も昔も見かけで判断されなかなか評価されないアーティストが多いのはホントに残念であり、悲しすぎます。