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飲食店のWEB販促マーケット推移 ※初期基礎知識編①(2019年12月記載)

0.はじめに

 こちらは、飲食店におけるWeb販促を行うにあたっての環境の現状把握に使ってもらうことを目的に情報をまとめていきたいと思います。客観的なデータをもとに私の独断と偏見での見解を記載しておりますので、そちらはご了承下さい。

 今回から数回は最初ということもありまして、これまでのマーケット変化についても解説していきたいと思います。それ以降は、こちらの内容を踏まえている前提で記事を記載させていただきたいと思います。

1.Google検索ボリューム推移(グルメ媒体、SNS)

 GoogleトレンドというGoogleが提供している無料ツールがあります
こちらを使うとそのエリア、ジャンル、期間で指定のワードがどれくらい検索されていたか?の推移がわかるツールです。

 Googleトレンドへのリンク

①グルメ媒体関連ワード
 Googleトレンドを使い、グルメ媒体系のワードのボリュームの推移を出しました。下記上段のグラフは、『ぐるなび』『食べログ』『ホットペッパー』『ホットペッパービューティー』『一休』のワード。下段はSNS系で『Twitter』『食べログ』『facebook』『ツイッター』『インスタグラム』のワードで試食べた結果です。(ボリュームの比較をするために『食べログ』を共通で入れています。

 ※こちらはあくまでもGoogle検索窓にワード入力した件数ですので、実際のぐるなび、食べログのサイトへのアクセス数とはイコールではありません。

画像1

Screenshot_2019-12-03 Google トレンド

・上段グラフの解説
 インターネット検索が浸透し始めた当初の検索の仕方は、まずはグルメ媒体を検索し、媒体に入った後で『エリア』『業態』で絞り検索していましたが、段々と検索の仕方が変わり、媒体に入らずにダイレクトに『エリア×業態』で検索する様に変化してきたことによって『媒体名』を入れての検索は減ってきています。
ホットペッパーが途中でボリュームが増えていますが、これは緑の線『ホットペッパービューティー』の分が、『ホットペッパー』でもカウントされてしまうために増えています。実質のグルメ部分は黄色と緑色の線の差分になります。

各媒体を個別に見ていくと

『食べログ』
 サービス開始は2005年だが、検索が増え始めるのは2007年くらいから。ピークは2011年11月・12月。iPhone4sの発売直後後であることを考えるとスマートフォンの普及により、PC検索からスマホ検索への移行、アプリへのダイレクトアクセス、『エリア×業態』検索の浸透といったことが相まって、媒体名での検索が減っていっています。
 しかしながら、一定ボリュームで下げ止まっています。これは、食べログの特徴である評価サイトとして、得点やコメントを確認する方が結構いらしゃり、その方達が検索時に『食べログ』とわざわざ入力しているからです。現状、横ばいで推移していますが、実際はスマホの普及や検索することの習慣化により、検索をするシーンは自体は増え続けています。にも関わらず横ばいということは、全体の割合からすると食べログを検索するシーンは減ってきています。

  参考:ぐるなび・食べログの現状分析 ←(工事中)詳細を知りたい方はこちら

『ぐるなび』
 最初にサービスを展開したこともあり、一世を風靡しましたが、現状では他の媒体に押されており、わざわざ『ぐるなび』と入力する人はいなくなりつつあります。
 2018年10月の終わりに楽天ポイントとの提携を発表しましたが、まだ認知が進んでいなく、使えることを知らない人が圧倒的という事もあって、予約時に『ぐるなび』を探すという事がまだ増えていないです。
 また、同時期にInstagramやgoogle my businessからリンクを張れるようにも変更しています。こちらからの流入は増えていますが、ぐるなびとしての集客力は落ちてきています。

 参考:ぐるなび・食べログの現状分析 ←(工事中)詳細を知りたい方はこちら

『ホットペッパー』
 食べログ同様に一定の検索ボリュームを維持しています。グルメ単体としての検索ボリュームは少ないですが、他媒体との歴史的な違いは当初からポイントシステムを前面に押してきたといった点です。また、単体でのグルメポイントというよりもホットペッパービューティーやじゃらん、suumo、ゼクシィといったリクルート全体での生活に密着した囲い込み戦略を行ってきていますので、他の媒体とは毛色が若干違います。
 また、地方においては他の媒体がサポートが手薄になっていることもあり、ほぼホットペッパーの一強になっています。地方では未だにビューティーと一体になっている冊子を配布しており、美容院に行き始める高校生くらいからの囲い込みを実現しています。結果、地方において高校生のうちから会員化を行い、その人が都心部に来る際には既にホットペッパーへの会員登録をし、ポイントを持っているという事が大きいです。
 利用率自体は落ちてきていると思いますが、総合的な会員数は伸びているので全体としてはある程度のボリュームを維持しています。

『一休.COM』
 徐々に検索ボリュームは伸ばしています。過去においてグルメ媒体においては、どれだけ多くの情報が掲載できるか?がポイントでしたが、現在となっては、多すぎる情報が逆にあだとなっています。例えば、食べログで「新橋 イタリアン」で検索をした際に範囲を300mに絞ったとしても146件もヒットします。もはや全部を見ることはできませんし、この中から自分の好みのお店を見つけることは困難です。
 そんな中、独自の基準で優良店舗を選出し掲載している一休は、既に店舗が絞られている為同様の検索をしても23件とまだ、目を通せる件数です。
また、得点も指標として記載されています。食べログとの違いは比較的利用者層が絞られている為、自分と全く感覚の違うような頓珍漢な批評が少なく、実際に利用している人しか書き込めない為、信頼性が高く外さないお店選びができることが利用者数が伸びている要因だと思います。
 今後、こういったようなおすすめのお店を絞り込んだものの方が消費者のニーズにはあっているので、こういった物が上位に表示されていくかもしれません。

・下段グラフの解説(再度下記にグラフ貼りました)

Screenshot_2019-12-03 Google トレンド

こちらは、SNS系の検索ボリュームの推移を記載しています。実際にSNSを使っている方は、アプリにダイレクトで入るのでいちいち『Twitter』や『インスタグラム』なんてワードを入れてGoogle検索をするという事はないと思いますが、一方でこのワードをGoogleの検索窓に入れて検索している人が増えているといった事実があります。恐らくネットスラングで情弱といわれるような方たちになるかと思いますが、逆にそういった情弱な人達でさえ、SNSの情報を利用し始めているといった流れだと思います。
各SNSについて個別に記載します。
※グラフは検索ボリュームを比較しやすいように食べログを入れています。

『Twitter(ツイッター)』
 国内の月間利用者数は4500万人(2017年10月発表:その後のアメリカでの発表は不正アカウントの削除を行った事もありMAU(月間利用者数)が減少傾向になってしまった為に、現在は収益化可能なデイリーアクティブユーザー数(mDAU)しか発表をしなくなってしまっています。)
 恐らく国内においては、大幅に減少しているという事は考えずらく、世界的に見ても稀有な利用状況だと思われます。140文字といった少ない文字数の中でも内容が十分に詰め込める日本語との相性のよさ、匿名性やアカウントの使い分けができる事が日本人には相性がいいのかもしれません。
 アメリカに続いて世界2位の利用者数がいることで情報量が蓄積されているといった事もあり、ツイッター内での検索で情報を集めることができるというのも大きいです。また、newsで電車遅延や災害時のtwitterのコメントがよく流れます。このことから即時性の高い情報はtwitterで調べるといいという事が年配層にも認知が広がりつつあります。また、ツイッターでの情報も文字情報から画像、動画へと変化してきており、より多くの情報を伝えられるようになってきています。
 そもそも飲食店を調べるときのニーズに最近流行っているお店や面白そうなお店というのがあると思いますが、これらは従来のグルメ媒体では検索できません。また、Google検索で検索できるようになる為には時間が必要です。即時性の高い今が旬の情報を集めるのであればSNSでしか集められません。また、地方のようなローカルな情報はマスな情報媒体にはほぼ取り上げられません。そういった情報はSNSでしか見つけられないのです。
 という事もあり、欲しい情報によってはツイッターで検索を行うことが最適なシーンが出てきています。
 それ以外にも最近起きた食べログ3.8問題のように書き込みや得点の信頼性が疑われるようになりました。デジタルネイティブと呼ばれるような若い世代は、店舗側やグルメ媒体から発信される情報が操作されていることを知っており、その情報を信用していません。必ず裏をとるためにSNSでそのお店がどんな情報を上げてられているか?を見ます。食べログ上で前置き長くて中身のないレビューよりも、ツイッターで素直に「美味しい!」とか「この店サービスわるーい」といったような簡潔なものの方が信頼できますよね。ですのでお店を探す際にも使いますが、そこのお店の評判の真偽を確認する際にも使われてもいます。

『facebook(フェイスブック)』
 2013年3月くらいまでは検索ボリュームは増えていましたが、その後減少し続けています。推移を見て面白いのが『instagram』と反比例して減って行っている所です。
 もともとがクラス名簿から始まっており、身内での情報共有ツールといった位置づけの為に新規客集客には向いていないです。また、基本機能の中に飲食店の情報として必要なメニューの情報がないこともあり、行きたいお店を探すのに適していないといった事からあまり使われていないです。
 あまり使われなくてお客様からの反応がない
  →店舗側も情報を入れなくなる
   →検索しても情報の載っている店舗が少ない
    →結果、お客様も使わなくなる 
といった負のループが回り現在のような結果になっています。
一方で、身内への情報提供という事で新規客ではなくリピーターの囲い込みとして、活用している方はたまにいらっしゃいます。

『Instagram(インスタグラム)』
 今回はカタカナで『インスタグラム』といったワードでの推移を載せています。実際には『インスタ』や『insta』といったワードで入れることも考えるとこのグラフ以上に検索はされています。ただ、インスタを普段から使いなれている人は、いちいちGoogle検索で『インスタ』と入れません。という事はあまり利用していない人が入れていると考えられます。ではそういった人達がわざわざ『インスタグラム』と入れているシーンを考えると『インスタグラム + 店名(商品名)』と入れているケースが多いと思われます。
 すなわち、グラフィカルにそのお店や商品を見たいといったときに、こうい入た検索をします。また、お店が上げている写真よりも一般の方が上げている写真の方が真実の姿を反映しているという事もあり、そこも確認したいという事もありわざわざインスタの写真を見ているのです。

2.ここでのまとめ

 ・グルメ媒体は検索されなくなってきている。
 ・一方でSNSでお店探しやお店の評判の確認を行う人たちが増えている。
 ・大量の情報を載せるサイトより必要な情報に絞られたサイトが上位表示されるようになってきている。
 ・検索される情報が文字から画像、動画へ

●こちらと合わせて読んでいただきたい記事
 飲食店に限らず、一般の方の情報収集経路が複雑化しています。以前であれば、飲食店集客においてはグルメ媒体だけで議論ができたのですが、そうもいかない環境変化が起きています。包括的に考えていく為にもその他の記事も読むことをおすすめしています。
 外食産業は以前より、店舗によって情報格差の激しい業界です。資金力のある大手に個店が勝つには、その情報収集力とそこからの戦略立案、そして何より重要なのは実践とそのスピードです。大きくなればなるほど環境変化に対応することが難しくなります。そこに打ち勝つためにも先ずは、情報を知らないといった状態から抜け出さなくてはなりません。

 ・飲食店のWEB販促マーケット推移 ※初期基礎知識編②(2019年12月記載) 
 ・ぐるなび・食べログの現状分析 2020年度第2四半期決算(2019年12月作成)
 ・マーケティング基礎知識(消費者の購買決定プロセスモデル)


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