#9 Googleさんにヘッドハンティングされた話
人生で一度だけ転職を悩んだことがある。
それがGoogleさんにヘッドハンティングされた時の話だ。もう何年も前の話なので時効でいいよね。
事業領域や業務内容に興味があったわけではなく、ただ単純に「合コンでモテそうやん」っと思ったからである。だってあのGoogleさんだよ?お給料も高そう!みたいな。
本題に入る前に一つ言わせて。
Googleさんはいい会社だ。今もとてもお世話になっているので敬意をこめて「さん」付けして文章を進めることを許してほしい。
では本題。
僕がGoogleにヘッドハンティングされたのは、決して僕が優秀だったからではない。
いや、そこそこ仕事の成果はあげていたし同期や先輩たちにも決して引け目を感じていなかったが、それが評価されたわけではない。
順を追って説明する。
~背景~
当時、Googleさんは広告事業の強化をしていて、総合広告代理店の営業を引っこ抜いてくるのが最もその目的を達成する近道だと考えた。
~ヘッドハンティング会社が存在する~
そこで声をかけたのが日本にいくつか存在する「ヘッドハンティング会社」である。彼らはクライアントからオーダーを受け、あの手この手で個人情報を収集しにかかる。もちろんその手法は企業秘密だ。
今回のGoogleさんのリクルート条件はおそらくこうだったろう
「広告代理店入社5年前後の営業」
そのオーダーを受けたヘッドハンティング会社はリストの中からピックアップし、手あたり次第電話をかけてくるのだ。
広告代理店の人間ならば、誰しもある日突然ヘッドハンティング会社から電話がかかってきた経験があるはずだ。
依頼先を聞いてみるとなぜか外資系広告代理店ばかりだったが。
~面接を受けてみた~
ちなみに僕の場合ヘッドハンティング会社から電話がかかってきたのはこれが初めてではない。電話番号も登録しておいたので「今度はどこからですか」と聞いてみた。
大体の場合電話口で企業名が明かされることはなく、ホテルのロビーにある喫茶店に呼び出され内容を告げられるのだが、今回は違った「Googleです」。
え、すごーい!と思って、即面接に行く旨を伝える。
もう、合コンで「俺?まあGoogleやで」とドヤる顔を思い浮かべていた。
まず初回は面接というより業務内容等のガイダンスであるとの旨承知して、六本木ヒルズへ向かった。
Googleさんの会議室は山手線の駅名になっている。確か田端あたりの部屋に通され「どうせなら渋谷とか新宿がよかったな…」と思ったのを思い出す。
ちなみに部屋までは人事の人が案内してくれて、その人がそのまま業務内容のガイダンスを始めたのだが、世の中にはこんなにシュッとした人事がいていいのだろうかと、弊社人事の姿を思い浮かべながらただただ尊敬していた。
彼の話す内容はわかりやすく、知的で、明確であった。
こっちが合コンでモテますか?と聞いても笑顔で対応してくれたし。
結局募集していた枠は大企業向けの法人営業のフロントマンであった。←僕はここで今回の出来事を理解する。
もっとサービス開発とかテック系の仕事であれば超興味があったが、法人営業だったら今の仕事でもいいやと思い泣く泣く合コンでモテる道は諦めえることにした。
前の記事で述べた通り、同じ(あるいは近しい)業界にいると、こういう転職のチャンス(ジョブホップ)によくよく出会う。
急に舞い込んでくるこの手の話にいつでも冷静に対応できるよう、普段から同業他社の動向やそこに勤めている人たちと交流を深めることをおススメしたい。
ちなみにこのGoogleさんによる「総合広告代理店の営業青田刈りローラー作戦」により、僕の会社からも3人ほど転職していった。
そんな彼らと、まわりまわって今同じプロジェクトを遂行しているのは、なんというか幸せなことだなぁと思う。
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