【短歌】独酌

ひとりきり熱燗あつかんのみてゐる夜の心にひびく野良猫のこゑ 

寂しげにどこかで響く猫の声心をえぐる悲歌のごとくに

わけもなく身を冷めさせる寂しさをくやうに飲む夜の月影

喉元をジワリあたゝめ胃に落つる熱燗の味のほろ苦さかな

何故かくも失はれたる数々の恋のごとしや今宵の熱燗

月白くを見し猫が叫ぶごとわれは歌にす寂しき夜を

厚き雲月を隠して夜は更けて心が痛む飲みすぎしこと


(2025.1.18)

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