スノーピーク 熱狂顧客が生む乗数効果/日経ビジネス2019年4月15日号
ケーススタディーという記事にスノーピークの記事がありましたのでシェアします。
スノーピークの取り組みは僕が読んでいる日経ビジネスや東洋経済ではよく出てきます。同様の取り組みとしてよくヤッホーブルーイングが出てきますね。
要するに何をしているかと言うと、顧客を熱狂させてめちゃくちゃファンにさせる、っていうもの。
その取り組みがスノーピークが上手でよく紹介されています。
繰り返し製品を買い続けてくれる熱心なファン層「スノーピーカー」を生み出す仕掛けは手が込んでいる。
ビジネスをやる上で一番重要なのが「リピーター」です。
リピーターがいなければ、ほとんどのビジネスは立ち行かなくなります。逆に言えば、リピーターさえいれば安泰ってことです。
どうやってリピートしてもらうか、それを徹底的に考えることが企業にとっては大事になってくると思います。その仕組みづくりがスノーピークは上手で勉強になるので、一緒に見ていきましょう!
スノーピークのスタッフと一緒に泊りがけでキャンプを楽しむイベント「スノーピークウェイ」を楽しみにしているという。
スノーピークはアウトドア用品の会社です。アウトドア用品を販売して使ってもらうのが目的なんですが、そのお客さんと一緒にキャンプをするイベントがとても好評みたいです。そのイベント内で、実際に顧客から意見をいろいろ吸い上げるそうです。あの商品は良かった、あれはもっと改善してほしい、こんな商品があったらいいな。そんな意見をまとめて、次の日に社員がフィードバックする。こうすることによって、顧客と会社の距離がめちゃくちゃ近くなって、顧客なんだけど社員みたいになって、一緒に会社のことを考えてくれるようになるようです。つまり、当事者意識をもたせるんですね。まぁそりゃ顧客にとっては嬉しいですよね。自分の好きなブランドが、自分の意見を取り入れてくれたり、あるいは意見に耳を傾けたりしてくれて、そりゃファンになりますわ。
じゃあ誰しもがそのイベントに参加できるのかと言うと、そこにも仕組みがあるようです。
年に十数回開くイベントにはスノーピーク製品の購入学の累積が300万円以上の会員カード「サファイア」や100万円以上の「ブラック」を持つ顧客だけが参加できるものもある。カードの階層は6段階で、上位になるほどぽ委員との付与率が上がり、非売品のオリジナル製品を獲得しやすくなる。
さ、300万円!年間そんだけスノーピークに個人がお金を払うって、何をどんだけ買ってんねーん!
でもそんなファンがいるという事実。
まぁでもそうやって顧客をランク付けしているわけです。顧客もランクが上がれば嬉しいわけで、お金をいっぱい払っちゃうんですよね。この仕組はある種、スマホゲームの仕組みにも似てますよね。あとはSHOWROOMみたいなリアルタイム動画の世界みたいな。どうやら人間はランクという言葉には不思議な競争意識が働くようです。僕はあんま興味ないから、そういうポイントカードは一切持たないようにしてますが(TSUTAYAのカードも持ってない…)。
まぁそんな感じに顧客との距離を近づけて、自分ごとにさせることが、熱狂的なファンを生むコツだと。
それ以外に僕が目をつけたのは、イベントの集客は各お店の店長が頑張って足を使っている、ということです。
一方で販売現場の取り組みは泥臭い。店舗周辺やキャンプ上でチラシを配布するのが基本戦略だ。
ここが意外でした!
スノーピークって、アウトドア用品の中ではかなりハイエンドなんですよ。とにかく何でも高い!笑 だからブランド価値も高くて、さらにこういう顧客を生み出す仕組みとか、カッチョいいこといっちゃってるもんだから、そういう泥臭いこととかけ離れているように見えていたんです。だけど、こうやって泥臭いことをやっているのが、ブランドを保っている秘訣なんだと思いました。
俺たちはブランドだから、ポスティングとか非効率なカッコ悪いことなんかしないぜ。じゃないんですよね。むしろたぶん、こういう泥臭いことが結構一番大事な要素だと思います。これをできる、できないでかなり成果が変わってくると思います。
最近思うのは、近道はあるけど、その近道も一歩ずつ進むしかないってことなんですよ。常に人は一歩ずつでしか前に進めない。3歩先に一気にワープできないんです。だから結局地道な作業になるんだけど、そのカッコ悪い感じの地道な作業をどれだけちゃんとできるかが、その後の成功につながるのだと思っています。引退したイチローも、いまや日米4000本安打以上を打ってますが、その高みに行くにも、1本のヒットをコツコツ続けたからなんですよね。千里の道も一歩から。まさにそんなことを最近思うわけです。だから焦らず地道にコツコツいきましょう。
最後にひとつだけご紹介。
開発の考え方やストーリーは自社サイトで消費者に公開し、一層の親近感を抱いてもらう。
モノじゃなくてコト、そんなことをいわれる昨今ですが、そのモノに対するストーリーを見せることこそ「コト」になるんですよね。わりとストーリーを見せることってここ数年流行っていたことなんだけど、改めてこうやってみると、実はストーリーを語っているところってまだあまりないんですよね。だからモノを作ったらストーリーを語っていこう。僕もどうせ同じものを買うなら、なんか意味あるものを買いたいなと思いますし、それをちゃんと届けられているかが大事なんだと思います。
僕らの業界で言えば、ゲームを作ったら、その思いをウェブサイトに載せるってことです。こんな簡単なことをなぜやれていないのか。やりましょうよ。YouTubeで語ったっていいんです。これだけ届けられるメディアがたくさんある世の中でやらない手はないでしょう。やっていこ(ぼそっ)
顧客を作り出す仕組み、という意味では、うちの会社では周年イベントをオープンにして、誰でも参加OKでやっています。
でもまだファンが少ないのか、参加者もおなじみの人ばかりで(それはそれでいいんだけど)、これをどうやって広げるのかが課題。その答えのきっかけの一つは、さっきの地道な広報活動なんだろうけど。
なんかお客さんともっと接点を持てるような機会を設けたいなと思っています。
あと昔から思っているのは、YouTubeライブ放送とかで、公開企画会議をして、みんなと一緒に何かを作り上げていくもの。たまにやってるけど、そこもまだ見てくれる人が少ないので、それを増やしていかなきゃなぁなんて思いました。
そこを増やす仕組みをもっと考えていきたいですね。