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予想どおりに不合理/1章 相対性の真相

比較の罠

毎週木曜日に会社内で実施している「ブレスト会議」。(詳しくはこちら:https://www.tanteijelly.com/contents
最近実施しているテーマは上記の書籍「予想どおりに不合理」を1章ずつ社員と共有して理解を深めています。今回はその1章を皆さんにも共有したいと思います。
そもそもこの本、とても面白いのでオススメです。何の本かと言うと、行動心理の本です。表紙に「行動経済学が明かす…」と書いてありますが、人間がなぜそう行動してしまうのかについて実験を繰り返して理解を深めています。
ちなみに「ブレスト会議」はどなたでも参加無料ですので、ご興味ある方はぜひご参加を。毎週木曜日16:30〜18:00オンラインで開催しています。

さて、1章は「相対性の真理」。
つまり、「人は常に比べている」ということです。
最初の事例で、雑誌購読の例が出てきます。あなたは以下を買うときはどれを選びますか?雑誌の定期購読なのですが、WEB版もある時に、以下の商品ラインナップがあります。
1.WEB版だけ購入する 59ドル
2.印刷版だけ購入する 125ドル
3.印刷版とWEB版のセット購入 125ドル
普通に考えたら、3じゃないですか?だってお得だもん。なんならWEB版をタダで読める気がしますよね。実際の実験でも、84人が3を選びました(ちなみに2を選んだ人は0人。1が16人)。
それでは次の場合はどうなるでしょう?
1.WEB版だけ購読する 59ドル
2.印刷版とWEB版のセット購読 125ドル
あなたはどちらを選びますか?なんとなく1って気がしません?実験の結果は、1が68人、2が32人でした。なぜなんでしょう?
最初の3つの比較の場合、誰もほしいと言わなかった「印刷版だけ125ドル」があっただけで、選ぶ人はみんな印刷とWEBのセットを選択してました。じゃあ0人だけの選択肢はいらなくね?って外したら、今度はWEB版だけの安い方に流れちゃったんですね。つまり、誰も選ばなかった選択肢が実は全体の売上を上げることに大きく寄与していたんです。
そう、この無駄だと思っていた選択肢こそが一番重要で、このことを「おとり」と言っています。おとりがあることで、僕らは比較のバイアスがかかり、思わぬ方向へ流れてしまうのです。なんとも不思議な感じがしませんか?

「おとり」をうまく使え

この「おとり」は非常に面白い性質があります。
例えば家を買うとします。一つは和風建築。もう一つは洋風建築。どちらも同じ金額で同じくらいの広さ。どっちも気に入りました。さてどうしましょう?
そこで「おとり」の登場。それではもう一つの選択肢を出します。それは屋根の壊れた和風建築。もちろん、少し値引きをしています。
さぁ、あなたならどれを選ぶ?和風建築?屋根が壊れている和風建築?それとも洋風建築?
このおとりの登場によりどうなるのか。結果は和風建築を選ぶ可能性が高くなります。なぜかと言うと、比較がされているから。きれいな和風建築と屋根の壊れている和風建築ではどちらがいいか比較できます。しかし洋風建築は、他の洋風建築と比べていないので正直良いのか悪いのかわからない。なので選択肢から外れる。当然屋根の壊れているものより、新品のほうが良い。ということで和風建築になります。
ここで大事なのは、比較されないと判断ができないということです。逆に言えば、比較をすれば判断できるということです。つまり、比較される状況に持ち込むことが大事で、そのために「おとり」を使うのです。おとりの重要性が分かっていただけたでしょうか?

さぁ、私たちの生活でおとりを上手に使う場面は何なのか?分かりやすいのは「出会い」です笑。合コンとか飲み会に誰を連れて行くのかがとても重要なのです。あまり大きな声ではいけないけど、つまるところ「おとり」を連れていけば良いのです笑。大事なのは、自分と少し似ているけど自分より劣っているやつです。似ていないと比較対象に上がらないので必須条件になります。あと当然劣っていないと駄目です笑。そういう人間を見つけたら大事にしましょう(^^)。おっと、もしかしたら誰かに誘われた場合は気をつけなければいけません。だってその人はあなたのことを「おとり」として使おうとしているかもしれません。思えば僕はよく「おとり」になっていたのかも…笑。

比べられる状況を理解せよ

人は比べたがる生き物です。比べることでしか判断できないと言ってもいいかもしれません。絶対的な判断というのはかなり高度なんです。相対的に見ることでやっと見えてくる。これは真理なのです。
つまり、人に判断させるときは比べさせて判断させることが大事。就活でよく見せたいなら、比べられている人間よりもよく見えれば良い。ホームページを作るなら競合他社よりも良いページになれば良い。note書くなら…どうしたらええんや?笑。その比べている状況を自ら作り出して、それを利用することが大事なんです。そして、自分も比べられているという意識を持つこと。相手が比較して貶めてくる材料として使ってくるかもしれません。仮にそうなってしまう場合は「比較」という輪から外れなければなりません。つまり比べる対象にさせないこと。そうやってうまく自分の優位な方に立ち回っていくことが大切です。
思えば、自分は長男だから兄弟で比較されてもだいたい優位性の高い位置にいたなぁと思います。弟とか妹って大変だなと改めて思いますね。そういう意味ではビジネスに於いても弟分とかミニ○○とか格下感出される枕詞は避けなければいけないですよね。比較されるなら上に立たないと…。

店舗で使えるアイディア

弊社では謎解きゲームが遊べるカフェ「ジェリーの謎解きルーム」を運営しています。

そこで使えそうなアイディアがブレストの中で出ましたので、ここで特別に紹介します!
・めっちゃ高いドリンクを作る
売れなくてもいいからめっちゃ高いドリンクを作ることで、他のドリンクが安く感じるという効果を狙っています。実はこういう手法って飲食店では常套手段で、例えば高級フレンチとかコースが3つありますよね。8,000円、10,000円、12,000円とか。これはだいたい真ん中を選ばせるようにできていたり、この中に20,000円があったら、12,000円も安く感じますよね。そうやって客単価をひそかに操作しているんです。
・ドリンクM・L・LLを作る
確かに!と思いました。ドリンクの大きさが選べるって実は相対性の法則だよなって。うちの店舗ではドリンクの大きさが1種類しかないんですが、3種類あれば単純に客単価上がるよねって思いました。スタバなんか上手で、4つ大きさがあるところがミソですよね。たぶんベンティは「おとり」なんだろうなと思わされます。

こんなふうに一つのテーマを掘り下げてブレストを行っています。
ブレストの中でやることは、
・私が読んだ本を紹介
・その内容をまとめる
・まとめたことからアイディアを出す
・アイディアを発表する(個人発表)
・みんなでそのアイディアを膨らめる(グループワーク)※批判NG
・感想
こんな感じで行っています。
インプットしてアウトプットすることで脳みそを鍛え、考える頭、自分ごととして捉える頭を育てます。
ゲーム感覚でできてさらに心理学や経済のことを学べるので一石二鳥。
ご興味のある方はご連絡いただけたらと思います。
それでは、また!


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