
木曜日の朝に。 23朝
「おはようございます。」
もぞもぞと起きだして、もっさんもっさんで、白湯+レモンを啜り、卵焼きを焼く。
身体が重い。片目ずつ起きていく。
期末テスト週間な次女は、限りなく無に近い顔か、めっちゃくちゃ笑いのツボが浅いかの二択で過ごしている。ノルカソルカ女。
三女は、体育祭もおわり、生徒会選挙もおわり、ドラマが続々と最終回になっていくのを、担任の先生と盛り上がっている。
そして今日も、給食の献立をチェックしてから出かける。「鮭かぁー」
二泊三日の出張から昨日帰った夫は、動くたびに「っあー」とか「っあ゛ー」とか、疲労がダダ漏れだ。
そうなんです。昨日まで夫が二泊三日で出張だったのでね、私はゆるゆる一人な寝室で、二晩を過ごしておりました。
普段から各々な夫婦だけれど、夫が床につく時にはすんなり(私はとっくにお布団)、消灯することが二人のリズム。本を読んでいても、noteを読んでいても、淑やかな朗読を聴いていても、夫が床につくタイミングで強制終了とする。
それは、折り紙なら、角々を合わせばスーッと上手くいく、道理。
ゆるゆる一人で、強制終了もなく。
窓を少し開けていたらひんやりと涼しくて、図書館で借りた本を、久しぶりに恋愛小説を読みはじめ。村山由佳さんの長編小説を。
主人公は43歳の女性だけれども、なんとなくその夫の方に感情移入していってしまう。そりゃ20代の女の子に、そない真っ直ぐに懐かれたらねぇ、などとグングン読んで。
隣に。
誰も寝ていないセミダブルの三つ折マットレス。足を忍び込ませてひんやりを味わう。夫が居なくても、敷くマットレス。
普段の景色というのは、私とは関係ないところで織り成されているもので(マットレスは私が敷いたのだけれど、それはもう自動的に、私の意志とは関係なく、のレベルなので)。
朝の、いつもの時間に、家から工房まで音楽を聴きながら運転していく景色には、
茶色と白のちいちゃなマルチーズ2匹をお散歩するマルチーズみたいな女性は、ゆっくりとほぼ無表情で歩いていて。
坂の途中の歩道を、オレンジ色のタオルだけを片手に、とても姿勢がよい眼鏡をかけた男性が(作家さんみたいな知的な風貌で)歩いていて。ウォーキングほど張り切らず、散歩ほど気軽ではなさそうに。
信号を過ぎた辺りの路側帯に、赤色のキャップにリュックを背負う女性は、施設の送迎バス(数分の差でこのバスの後ろを走ることになるとノロノロ運転を覚悟しなければならない)を待っていて。雨の日は、赤い傘をさして。
クネクネと山道を過ぎたあたりですれ違う、Rockyの色違い、ナンバー「614」。
「614」Rockyは、帰りにもすれ違ったりする。
私の云々(忙しいとか頭が痛いとか気分がいいとか心配事があるとか)とは関係なく、気に留めるも留めないも、織り成す日常の景色。
例えば、寝坊をして15分でもズレてしまえば、マルチーズな三体も、オレンジのタオルのおじさんも、赤のキャップの女性も、「614」もない。
日常とは、そんなささいな当たり前が作っている。私も誰かのそれかもしれない。
ゆるゆると一人の寝室で、私は。
恋愛小説のやめどころが分からずにとうとう寝不足という、勝手な非日常を愉しんだ。
非日常といえば。
昨夜なにげなく、左手の薬指の指輪をスポスポと弄っていて、ふと他の指にもはまるのかな、といろいろ試して、唯一右手の薬指にはまった。左右の手の指の太さって、案外違うものだけど、はまった。
で、とれなくなってしまった。ぬけへん。
ので、右手薬指に指輪をしている今朝。
違和感しかない。
そんな今朝はこの曲を♪
がんばっとる、私も、あなたも。
リズムが、じわじわカッコイイ。
𝐇𝐚𝐯𝐞 𝐚 𝐧𝐢𝐜𝐞 𝐝𝐚𝐲🎧
ひばんがな…。
ひば…。
ヒガンバナが咲いてますね。
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