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私の友達が作家になってモテはじめている。

「僕、作家って名乗っていいよね!」

オーシャンビューな和風アパートで、寝起きにベッドから素敵な朝焼けとかを撮って、朝の四時とかにメッセージを送ってきたりする彼とは、いつからこんな仲になったのだろう。

私が2年前くらいにnoteをはじめて2ヶ月くらいしたころだろうか、ふと目に止まって読んだのが彼の書いたものだった。

広島で、noteで知り合った人と実際に会ってお茶をする話。下心とかちょっと見え隠れする感じとか、女性の記事の感じとかがリアルで面白いって読んでいたら、最後に

あとがき
全て私の妄想です(怖すぎる)

妄想

ってあって。うっわ、何?妄想なの?って。
プロフィール見たら、「モテたい」って。
シンプルに、変な人だなー(失礼)、面白そう!とフォローしたんだったと思う。

彼もまた、私の記事を読んでくれるようになって、遡って読んでくれたりもして、コメントもたくさんくれるようになった。
彼自身のフォロー数は当時とても少なかったのに、そこに私を入れてくれたことが、なんだかこそばゆいくらいだった。でも、きっとどこか、文章で「通じる」部分があったのかも、と今となってはそんなふうに感じたりもするから不思議。

若い男の子(24歳!)が、スキやコメントをまめにしてくれるのを、私だって最初は少しばかり警戒しながらいたけれど、彼の飾り気のない「モテたい」文章は、むしろ清々しいくらいで、逆に誠実に見えてきて、いつのまにか仲良くなっていた。

SNSでやりとりするうち、彼の日常も見えてきて、彼の親のことや、彼自身の症状のことも知るようになった。苦しみもだいぶ抱えていた。彼が今リアルタイムで苦しんでいる親との関係や自我の目覚めみたいなものを、私も過去に抱えていた時期があったから、わかる部分も多い。

夜中に「眠れない」と言ってみたり、髪を伸ばしたり、漫画をポチッたり、iPadやアレクサを買ってしまったり、猫の画像を集めては「はわわぁ」と悶えてみたりと、側から見たらちょっとヤバい感じかもしれないけど、憎めない。きっとどこかで、私たちは似ていて、理解できてしまうのだ。「変な子」とフフッと微笑ましく見えてしまう。

けれども、彼には、私と全然違うところがちゃんとあった。それは、知り合ったころからずーっと言っていること。

モテたい」、そして「作家になりたい」。

書いて書いて、書けなくて、書けないー!って投げうったりして、でも書いてて。自分の書いたものがとても好きになって、僕天才だと思う、と悦に浸ったりしながらいる彼を、ずっと感じていた。本人はとても自信なさげなことを言ったりするけれど、私からしてみたらそれが彼の面白い部分で、むしろ健全だとも思えて。

彼はずっと興味深いおもしろいのだ。

「仕事したくない!」って中学生みたいなことを言って本当に寝てしまったり、かと思いきや「納品してきました!」ってサクッとデキる男みたいな日もあって、薬の飲み方がおかしかったり、とっても綺麗な海の写真を送ってきたり。

ブレブレな日々を過ごしているのに、彼の軸はずっと、「書くこと」なのだ。とても一途。

書いてないとどうにかなってしまいそうで、でも書いているから最低限は大丈夫な感じで。

村上春樹の「ノルウェーの森」みたいなのが書きたい

彼の世界観は、そういうところにあった。
私は、そういう彼の一途さと、自由度が好きなんだと思う。

(ここでひとつ忠告しておきます。
彼を具体的に褒めたりすると、記事になったりします。現に思わず彼の書いたものに感想を送ったら、上記の記事になりました。)

「好きな人」だなんて、ね。
でも、私は面白い人が好きで、少々変わっていても、がんばっている人が好きで。書く物に、その人自身が出てしまっているのだから、読んでみて好きだなって思うものはやっぱり好きなのだ。
若い成人男性にこんなふうに懐かれてるのに、私にもう少しその気があれば、あるいはノーマルなセクシャリティーなら、恋愛の「れ」の字くらいあったかもしれないのに、なんだかシチュエーションの無駄遣いみたいでもったいない。それでも彼は、親ほど年上の私に、「お姉さん」と慕ってくれるあたり、やっぱり、根は真面目なんだなと思う。とても優しい子なのだ。彼の作品を読んでいても、それは滲み出ている。彼のことを書いてみようと思って、ずいぶんと前の記事も遡って読んでみたりしたけれど、やっぱり前から面白かった。「じゃ、へ。」ももちろん。
彼はいい子だけれど、ちゃんと捻くれてたりもして、非モテな目線も暗さもダサさもちゃんと持ちながら、でもしっかりモテたくて。ときどきハッとするくらい繊細でピュアで。そういう瑞々しい振り幅が好きだなぁ〜と思う。

「柊さん、僕の友達になってよ。」
「うん、友達だよ」

私の年下の友達。
文章からつながった大切な友達。
変な子で面白い友達。


そんな彼が。
とうとう、

「執筆依頼がきました!!
小説書いて、ちゃんと報酬ももらえる!!
僕、作家ですよねっ!?」

だって。

わぁ!とうとう!!
小説を書いて報酬をもらうお仕事をもらえた。
彼の書いた『じゃ、へ。』にも熱烈なファンもいて、熱い感想を自慢げに話してくれる。


モテている。
そして、作家になりはじめている。
いつの日か彼は、書いたもので生活できるくらいの作家さんになっていくんだと思う。

そして、そのために彼は今、絶賛サイン練習中なのだ。

モテモテ売れっ子作家になってしまう前に、私もサインをもらっておかないといけない。

っていっても、さっきから、練習中のサインがいくつも送られてくるのだけれども。こういうのも保存しておいたほうがいいのかな。

いつか彼の書いた本が書店に並ぶ日を、
私はとっても心待ちにしている。
私は、真っ先に手に入れにいくと決めている。

言うと調子に乗るから、あまり言わないけど。
こっそりここに書いておく。

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