うちの猫イケメンにつき。
「木曜日の朝に」や、私のエッセイに度々登場する黒猫がいる。
名前を『レオン』という。
リュック・ベッソン監督の映画『LEON』の、あのクールなのに心優しい殺し屋レオンにあやかってつけた名前だ。
親バカ発言なのは承知の上だけれど、我が家のレオンはあれでいて結構「イケメン」である。
あら素敵。
彼の、人懐っこく甘えん坊で自由な生活の様子をnoteでちょこちょこ綴っているうち、いつの間にかファンができていた。
「レオンくん♡」ととても熱烈なご様子だ。
そのファンというのは、あおさんだ。
なんでもあおさんは、度々レオンの写真を保存していて、疲れちゃったり、モヤモヤしたり、しんどい時にはレオンを見ると癒されるのだという。
「はぁーーー♡レオンくん…♡」
それはもう、アイドルとかの「推し」か、いやそれはもう恋なんじゃないか?くらい推されている。
結構な頻度で(ほとんど毎日のように)
「元気ですかー?」
と来るあおさんからのメッセージ。
それは私へではなく、愛しのレオンくん♡へのメッセージだ。
まぁ、
たいていそのレオンくん、
寝ておりますけれども…。
「画像買います!」
と、「推し課金」までしようとする勢いだ。
(安心してください。もちろん課金などは受け付けてはおりません。)
そんなあおさんへ気まぐれに、ファンサと称して画像を送りつける。
「はわわぁ♡ありがとうございます!!
イケメンですよね〜♡♡」
と、ニヤけた感じで惚気させたりしている。
やるなぁ…レオン。
成人男性をこんなに虜にするだなんて。
彼は、レオンのことが好きすぎて、黒猫を飼うために「ペット可」の部屋探しをしたり、引越し費用や猫を養えるだけの収入を増やそうと仕事を頑張ったり、猫と暮らす妄想を膨らませに膨らませたりしているうち、
「もういっそ作っちゃおう!」
という境地に至り、彼のスキル(AI)を使って、黒猫に邪魔されながらデスクで仕事をする画像(それは彼の理想の仕事姿なのだとか)を作成してしまったりしている。その完成度たるや…。
そういう風にお仕事スキル使う人初めて見た…。
好きってすごいね。
そんな熱烈なファンをよそに、
当のレオンはといえば、
だいぶ自由…。
野性でなど決して生きてはいけない完全家猫。
朝はドタバタと走り回り、階段を駆け上がり、手すりの上で
「ナォーーーーン!」
と雄叫ぶ。かっこよ!じゃないねん。
家じゅう君の爪痕だらけだよ。
そして一頻り駆け巡ったあとは、カリカリをカリカリといい音を響かせて食べ、ペチョペチョとお水を飲んで、いい加減眠くなると、お気に入りの場所でくるりんと眠るのだ。
けれども私が洗濯物を干しはじめると、どうにも気に入らないようで、毎朝、阻止しようとわざわざ来る。
「まぁ、座れや。」
とばかり、私が根負けしてソファーに座るまで、かなりの力でスリスリして、なんなら飛びついたり、ふくらはぎを噛んだりして、力づくでもって座らせようとする。そのしつこさ、なんなんだ。
眠いなら一人(匹)で寝たらよろしいのに…。
そうして今日も座らされて動けないので、これをポチポチ書いている、というわけなのだ。
「レオン、元気ですか?だって。」
と、ファンからのメッセージを伝えると、
ナァーーン…
だそうだよ。
おしまいに、無自覚のイケメンが無防備に寝る姿をお送りいたします。