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くるくると。


寝転がったら、超絶かまってモードの猫が寄ってきて、金色の私の髪の毛に、目を真ん丸にして狙いを定めている。

姿勢を低く、お尻をモゴモゴと振って。

「強」にした扇風機の首振りを固定して、風呂上がりの茹だった私を冷ます。
首元もゆるんだTシャツはよく風を通す。

飛びついてきた猫が、毛先とあそぶ。

鋭い爪を持っているという自覚はなさそうで、目ん玉を引っ掻かれやしないかと、顔を背ける。

愛しいけれど、刃を持つ彼の愛は痛みを伴う。
フミフミとしてくる手の爪が突き刺さる。
まるでシザーハンズ。


布団は二階のロフト部屋に敷いてあって、仰向けに寝転がって、クルクル回るファンを見ていた。
夏と冬と、回転方向を逆に切り替えるのだけれど、いつがどっちだっけ?ってなったまま、年中回り続けている。

いいかげんなものだ。

パソコンを開いて、仕事のあれこれを管理していかないといけなくて、と話していたら、帰省していた長女がパパッと作ってくれた。
ここに、これを、ここに、この数字を…と。

あら、とても便利になりそう。
その前にあの量を手打ちで打ち込まねばならないのだけれど。

キッチンの大幅な模様替えも途中で、あとはIKEAで棚をネット注文するだけだけれど、それすら後回しになっていて。他にもいろいろと、やっておかなくちゃいけないことは、頭の隅っこにちゃんとある。

あるある、ちゃんとある。
やるやる、きっとやる。

今朝も三女と朝散歩(今日で7日目)に出かけた。

空が劇的。


可燃ごみを出して、次女は始業式でお弁当がいって、長女はまた一人暮らしの部屋へ帰っていった。納品を一つ済ませて、家で仕事をしていた。夕方には三女の習い事の送迎があって、療養中の夫にはドアをノックして、三食「ごはんですよ」とお届けした。

クルクルと回りつづけるファン。

止まらずに回ることが大事なのだ。

どっちまわりだったっけ?とか
いいかげんな事を言いながら、
とにかく回っていることが大事なのだ。


コホン。

さっきから空咳が出るのは、きっと気のせい。

くるくると回りつづける。



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