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木曜日の朝に。season2-11
「おはようございます」
アラームをとめて、開かない目を右目だけなんとかあけて、手探りで寝室のドアまでたどりつく。
くつ下を穿きながら、おでこ丸出しの三女に
「おはよー」
と言う。そのまま次女を起こしに、階段を上がると、「俺のが先ー!」と猫が駆け上がり、手すりをショートカットして、「勝ったね」と言わんばかりに次女の部屋の前でしっぽをブルンとする。
「おーい、朝だよー」
白湯にレモンをちょろんと、カップで手を温めながら一口飲むと、思わず「っあ〜」と声が出る。
卵焼きの切れ端、豆腐とネギのお味噌汁(私はこのお味噌汁が何周かまわって一番好き)、炊きたてごはん、そして夫の社員旅行(熱海)土産の海苔の佃煮「上のり」。
「うまっ!めっちゃ海苔!食感がちゃんとある!」
ティガーのヘアターバンに、パジャマがわりの真っ赤なトレーナー(私のおさがり)という色彩のうるさい次女が食レポをしながら食べていて、どれどれと夫も納豆をかき混ぜる手をとめて、海苔on真っ白なごはんを一口、
「んん!んまい!」
一昨日食べた金目鯛の一夜干しも美味しかった。海の近くはやっぱり、海のものが美味しい。
夫は、三島スカイウォークでジップラインもしてきたと、自慢げに動画を見せてくれて、社員旅行を楽しんだようだった。
いいなー。温泉行きたい。
「いってきまーす」
バタバタと装備完了した二人が出かけていく。
ピーッピーッと洗濯機(1杯目)が呼ぶ音がする。
日曜日の午後、
義母と一緒に、義姉の出演する演劇を観に行ってきた。義姉は昔から演劇をやっていたようで、今回は「公募による市民約50名が、半年をかけて創りあげる舞台『誰でも参加できる音楽劇』」というのに参加していた。
オーディションで勝ち取ったという役は、物語の中でも重要な役どころで、なにより催眠術師というキャラが、かなりぶっ飛んでいた。それを義姉は、身体いっぱい使って、見事に、完璧に、演じきっていた。なんていうか、ものすごかった。完全に役が乗り移ってる感じで、コミカルでパワフルで、室井滋さんみたいだった。
「おねぇちゃん…すご…」
女は三歩下がって…という時代に生きてきた義母は、娘の演劇をあまりよく思っていないようだった(毎晩のように稽古にでかけていく義姉にブツブツ言っていた)けれど、あんなにも圧倒的に、キラキラとライトを浴びながら輝いている姿を観ていたら、
「あんだけやっとったら、そりゃやめられんわな」
と、ちょっと嬉しそうで、
「柊ちゃん、連れてきてくれてありがとね」
と言ってくれた。私こそ
「素晴らしい舞台をありがとうございました!」
でしたよ。
主役級の方たちのソプラノソロにも痺れた。
喉が楽器になるってああいうことを言うんだな。私が野生の鳥とかだったら、あんな美声で鳴かれたら、一声でイチコロだろうな…とか、ちょっともう人類を越えた音域だった。
さてさて、そんな(どんな?)今朝はこの曲♪
チリビ、かわいい…浸る…。
so, you can go...
そういえば今朝、大きな男の人に後ろからハグされながら、おしゃべりをしていた夢を見てたのを思い出した。あったかくて心地よかった。誰だったんだろ。
Have a nice day🎧♪
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猫に見つかる前に必死で払った。
が、取れず、コロコロでがんばって取った。
が、猫は執拗にクンクンしていた。
匂いは取れなかったみたい。バレてた。
なんか、浮気してきたみたいな後ろめたさを感じた。