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傷つくのを恐れることは、実際に傷つくことよりもつらいもの

先日、はじめて読書会に参加してみた。読書会は色々な場所で、色々な人によって開催されているらしく、各読書会によって雰囲気が全然違うのだそう。マルチ勧誘や恋愛トラブルも多いみたいだし、そもそもそんなに本を読む方でもないので、さほど興味はなかった。

今回参加してみたのは、友人に断るにも断れないくらいの熱量でごり推しされたからだ。読書自体は好きだが、積極的に毎日読書タイムをつくるほどでもなく、PCやスマホを見るのに疲れたときや電車での移動時に読む程度の私的には少し気が引けていたものの、読書会ってどんな感じなんだろう?と前々から気にはなっていた。

結論からすると、私と同じグループだった人たちはみんな、頭の回転が速く、圧倒的なプレゼン力・即座に飛び出て止まることのない質問力に驚かされた。

初参加の私は緊張しながらも、お気に入りの一冊である「アルケミスト」を紹介することにした。アルケミストからは、人生において見失いがちなとても重要なことをたくさん学ぶことができるのだが、私がこの本を通じて学び、読書会でみんなに紹介した内容は次の通りだ。

  • 「マクトゥーブ」という言葉の意味について

  • 宗教信者と我々無宗教徒も考え方の本質は同じだということ

「マクトゥーブ」という言葉の意味について

答えは常に自分の心の中に

マクトゥーブとは、アラビア語で直訳すると「そこに書かれいる」という意味だそうだ。では「そこに書かれている」とはどういう意味なのか?私的な解釈はこうである。

自分の中での答え、目的地、在りたい姿はあるべき場所にある(だけれど、そこに辿り着けるのは、どんなことがあったとしても常に自分の心の声に耳を傾け続け、その通りに進み続けた人のみである)

小さい頃は大きな夢を抱いていた人も、いつしか夢を追うことを諦めるようになる。諦めることに慣れてしまうと、自分と向き合うことを辞め、自分にとっての本当の幸せを追求しなくなる。

これはとても怖いことだと心底思うのだ。自分をごまかして生きていくことになるのだから。

人は弱い生き物で、辛いことや苦しいことがひっきりなしに続くと、希望の光を目指して突き進めなくなる。どうしたって楽な方向に行ってしまいたくなるものだ。

そう思いたくなった時にこそ読んでほしい一冊なのである。

自分と向き合うことはとても傷つくこと。当たり前に傷つくものなのだ。だって、自分の未熟な部分や無意識で行っていた悪習を思い知らされることになるのだから。

だからといって、自分と向き合うこと、自分の心の声に耳を傾けることを辞めてしまったら、偽りの自分として生きていかなければならないのだ。自己理解はとても傷つくけれど、偽りの自分で生きていく方がよっぽどつらい。と私は思う。

「僕の心は、傷つくのを恐れています」

アルケミストの一説より

主人公の少年が、目的地に辿り着く前に身も心も疲れ果て、楽な方向に行きたくなった時に、錬金術師に投げかけたセリフだ。

錬金術師はこう答えた。

「傷つくのを恐れることは、実際に傷つくことよりもつらいものだと、おまえの心に言ってやるがよい。夢を追求している時は、心は決して傷つかない。それは、追及の一瞬一瞬が神との出会いであり、永遠との出会いだからだ。」

アルケミストの一説より

宗教信者は神を信じ、無宗教の私たちは自分自身を信じる

キリスト教徒の友達は、「マクトゥーブ」の意味をこう解釈したそうだ。

自分の人生で起こる全てのことを神様は既に知っている。例えば、お酒を飲みすぎて次の日に気分が悪くなって、これからは飲みすぎるのをやめよう。と改心したとしても、懲りずに飲み続けたとしても、どちらにしろその一連の流れは、起こるべくして起こっていて、神様は既に知っていたことなのだ。

これを聞いて思ったことは、宗教信者は、自分の進むべき道を選択するときのヒントとして、神様を信じる。私たちは神様ではなく自分の心に耳を傾けてどう選択していくかを決める。

つまりは、神様を通して道しるべを決めるのが宗教信者で、自分と向き合うことを通して道を選択するのが無宗教の私たちなのではないかと。

だから、キリスト教徒の友人は、「神様は全てのことを知っている」という解釈をし、私は「答えは自分の心の中にある」という解釈をした。

国籍によっても解釈が異なって、その背景には宗教観が関わっているのかと思うととても興味深い。

ただし、自分だけを信じ、全て自分で責任を負いすぎてしまうのはメンタル的に良くないと思うし、神様だけを信じて何かが上手くいかなかったときに他責にするクセがついてしまうのも良くないことだと思う。

何が起こっても、自他共に責めることなく、事態を受け入れることがとても大事なことなのではないだろうか。

おわりに

そんなことを初めての読書会で熱く語り続けた私だったのだが、プレゼンが終わるやいなや、その場でアルケミストをポチッてくれた方(行動力!)・「今日の本の中で一番興味を持ちました」と言ってくれた方(素直にうれしい!)、ただただ黙り込んで何かを真剣に考えている様子の方など、いろいろな反応をいただきました。

まだ読んだことのない方には、ぜひ読んで頂きたいごり押しの一冊です。

アルケミスト
アルケミスト~夢を旅した少年~

最近始めた「Captain Why Radio」の最新エピソードも、ちょうど「マクトゥーブ」についてのお話です。ラジオでは、人気アニメのバイオレット・エヴァーガーデンと進撃の巨人を絡めて、マクトゥーブについて語っています。ほっと一息つきながら、聴いてくださったら嬉しいです。

#推薦図書
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#マクトゥーブ

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sy
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