レポート③【シリア情勢を知る初級編】
皆様こんにちは!
運営スタッフの仲原菜月です。
青山弘之先生、そして春日芳晃さんをゲストに招き、
8月28日(金)に開催された「シリア情勢を知る初級編」
のイベントレポートをお届けいたします!
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「シリア」と聞くと、最初に思い描いてしまいやすいのは
「紛争地」のイメージではないでしょうか。
私も、「戦争」「難民」というイメージを強く持つ一人でした。
しかし私は、シリアでの戦争の原因や詳しい現状を知らずに
そのようなイメージを持ってしまっていました。
今回のイベントは、これら政治的な一面を学ぶ初級編ということで、
意気込んで参加させていただきました。
私が青山先生、春日さんから学んだことは、大きく3つあります!
①戦前のシリアの生活
②なぜ戦争が起きたのか
③復興へ向かう街と人々
①戦前のシリアの生活
参加者の方の中には、シリアが独裁国家であることから、
戦前も厳しい生活を強いられていたのでは?と考えていた方も
いらっしゃいました。
しかし、青山先生によると、
シリアの人々は戦前、自然に囲まれ穏やかに生活しており、
平和的なデモ行進は行われていたそうです。
このことを知って、現在の日本での生活と似ていると感じました。
政治の制度は異なりますが、日常的な衝突などなく、
安定した生活を送ることができる点において、
戦前のシリアと今の日本には、どこか共通するところがあると思います。
では、一体なぜ、そんな国で戦争が起きたのでしょうか…?
②なぜ戦争が起きたのか
この内容については、青山先生が分かりやすく解説してくださいました。
ここで私が得た教訓は、「デモと戦争」を短絡的に「原因と結果」とは捉えられない、ということです。
たしかに、アラブの春が波及したデモや、デモに対するシリア政府の過剰な制圧をきっかけに、シリアは国際的な注目を浴びました。
しかし、それを機に、他国がそれぞれの思惑を抱えてシリアに国際介入し、
様々なグループが国内に入ってくることで状況が悪化したと
青山先生は考えていらっしゃいます。
日本では「シリア内戦」と呼んでいるため、国内の分断などが想像されるかもしれませんが、実は、各国の複雑な関係が戦争に繋がったのだと分かり、
自分ごととして考えたい気持ちがより強くなりました。
③復興へ向かう街と人々
お二人によると、現在シリアは全面的な戦闘状態ではありません。
シリアの人々の今の様子について写真や動画を見せていただき、
印象に残ったのは、人々の前向きな姿勢です。
破壊された学校の中を歩く時も、人々の笑い声が聞こえます。
市場には意外にも人がたくさんいて、
普通の生活が垣間見れるようで驚きました。
街中にはボランティアの方によるアート作品が施されるなど、
街を美化する活動も行われていました。
[写真:ラタキア市郊外(ビスナーダー村)]
また、数年ぶりに学校が再開した様子も見せていただきました。
真冬にもかかわらず、教室にはストーブはなく、ライトもありません。
それでも学校へ通い学ぼうとする姿、
そして友達と楽しそうに笑いあっている姿が、心に残りました。
少しずつ復興に向けて前進していることが強く感じられました。
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時に危険な地域に踏み入り取材をされている春日さん、
そして、シリアを専門的に研究されている青山先生、
お二人から現地の様子を語っていただいたことは、とても貴重な経験となりました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
シリアが皆さんにとって身近な国になっていましたら幸いです。
動画で見たい!という方は、下記からチケット購入していただければ
「見逃し配信」の視聴もできますので、是非ご検討くださいませ。
また、「シリア情勢を知る初級編」でのゲストのお二人について、下記のページにてご紹介させていただきました。ぜひこちらもご覧ください。
運営スタッフ 仲原菜月