俺たちの戦いはこれからだ!!!! 『アクロス・ザ・スパイダーバース』感想
140分の中に、爆発的な情報量が圧縮されていて、見た後はヘトヘトに疲れた。
なので今回はじっくり二度鑑賞して(字幕・吹き替えで)感想を書いています。
私自身今作でいちばん気になっていたのが、テーマに関してでした。
前作は、アニメの手法、アートスタイルなどが、がっちりテーマと結びついていて、コンセプトが明確でした。
コミックの世界の忠実な再現と、異なる世界(異なる画風)のスパイダーマンたちを一緒くたに画面に収めること。
そのためにマルチバースというコンセプトをひっぱってくるセンス。
全部完璧でした。
なら2作目で一体なにをするのか?
いろんな画風のスパイダーマンが登場するだけじゃ、満足はあっても驚きはしないだろう。
どんな新しい展開を持ち込んでくれるのか? それを期待していた。
結論から言うと、期待は叶えられなかった。
全然前知識をつけずに劇場に行ったので、映画が終盤になり始めたくらいからじわじわある予感が脳裏をよぎり始め、おいおいまさかこれは。
続く。
終わらなかった。
なので、この映画の評価もまだまだ保留で、完結編の出来次第で決まりそうですね。
現状だけでよかったところを書いておきたいと思います。
ものすっごいCG
まず一つはアート面でしょう。
一作目を見返してから挑んだので、映像技術の進化が手に取るようにわかりました。CGアニメーターとか業界の人が騒然するレベルに仕上がっています。
一般の感想でも、映像技術についての話題が多い気がします。
コミックの世界を表現するために、2Dの手法(水彩のような滲みとか)を表現に取り入れていて、細かいことは詳しい人がどこかで検証しているだろうから割愛しますが、今までかつてない方向に舵を切ったアニメになっています。
前作の路線を引き継いで発展させた、正統進化という感じでしょうか。
こちらの記事では、『テクスチャー』に注目して、本作の革新性を考察していて、面白かった。
決定論に抗う
前作のテーマは誰もがスパイダーマンになれる、異なる宇宙には無数の可能性があると言うテーマですが、本作では回避不能の運命との対峙が中心的なテーマなのかと思います。
並行世界を題材にしたSFでは、王道のチョイスですね。
世界の均衡を保つためには、どうしてもスパイダーマンと近しい人物が死ななければならないという葛藤。自己言及的なメタネタなのがちょっと面白い。
マイルスは自分の父親の死の運命を知って、世界の均衡と父親の両方を助けようとする選択をする。どっちも救えるのか。どっちかしか選べないのか。
どんな答えが用意されているのかは、来年までわからないという……。
キャラについてなど
新キャラだと、スパイダーパンクがかっこよくて好きでした。
動かし方も、パンクのポスターに着想を得た感じで、センス抜群でした。
そしてやっぱりグウェンの活躍はやっぱりみんな見たかったところだろうと思います。マイルスといい感じになるも、スパイダーマンに恋したやつは死ぬという、お約束が二人の間を阻みます。こっちの方も運命を乗り越えられるのか、どんな結末になるのか気になるところでしょーか。
2回見たらよくわかるのですが、それぞれのキャラクターに細やかな感情が付けられていて、どの立場のキャラクターからでも物語を見ることができる。
とはいえ一本の映画としてウェイトが重いという欠点にもなっているし、各キャラの葛藤自体は親子のすれ違いと、等身大ヒーローとしてのスパイダーマンの葛藤というもので、目新しさは感じられないかもしれない。
なんにせよ、次回だ次回。
おまけ
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