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サイバーパンク到達点。
こっちの記事が前半部です。よろしくどうぞ。
後半部分は少し不明な点が多く、うまく解説できぬ。すみません。
あらすじ
第四の反復 七つの呪い
マロリーは怪我を負ったフレイザーを警察署に残し、舞踏場へ足を運ぶ。
署内は陰気で、マロリーには気晴らしが必要だった。
舞踏場は壁がなく、大きな屋根があって、何千人もがワルツやポルカを踊るような場所。
(ダンスクラブのような趣か)
ここでマロリーは娼婦のヘティ(第一の反復で登場したシビルの友達です)を口説いて、一夜を共にすることに。
「ぼくは鎧を着けるよ。構わないかい……」つぶやくように言う。
ヘティが元気良く片肘をついて体を起こし、
「じゃあ見せて」
マロリーは羊の腸を丸めた膜を見せた。
「変なやつじゃないのね」
ヘティが明らかにほっとしたように、そう言って、
「そうしてくれていいのよ」
マロリーは慎重に、防具を自分の男性器の張り詰めた肌にかぶせる。
ソーセージ(直喩)
ヘティを後にし、ロンドンを彷徨うマロリー。
汚染と治安の悪化で混沌が拡大してゆく街を見ていると
故郷の家族が恋しくなる、望郷の念に駆られる。
マロリーは妹の結婚祝いに買った時計を古生物学宮殿まで取りに戻りたいと考える。なんとかロンドンを横断するのだ。
マロリーは歩みを進めていると、レンガ壁に不快なビラを糊付けしている男を見つける。
自分が登壇するはずだった講演のポスターを貼っている。
しかし内容を読むと、マロリーを貶めるような事実が書かれているではないか。
マロリーはビラばりをしていた男に掴みかかり、誰がこんなことをしたのか問い詰める。
いわく、このビラを張ったのはキャプテン・スウィングだと聞かされる。
そして西インド・ドックを拠点にしていることも。
(倉庫がたくさんある埠頭みたいな感じ。調べたら画像が出てきた)
マロリーはビラを全部買い取り、馬車でとりあえず、政治経済学宮殿まで乗り付ける。
そこでばったり六番目の弟、ブライアンと出会う。
トム(第二の反復で登場した蒸気車の整備士をしている弟)も一緒にいるという。
マロリーは弟二人と護衛をしてくれていたフレイザーとスウィングの陰謀を打ち砕くべく志を一つにする。
トムの持ってきた蒸気車、賭けレースで馬鹿勝ちしたゼファーよりも新しいやつに乗り込んで、港へぶっちぎる。
途中チンピラに絡まれるが、フレイザーが脅しつけ、スウィングの元に案内するように脅迫する。
スウィングが籠城する港の倉庫に、バレずにたどり着くには
ドブ泥が溜まった、くせぇ用水路を進んで行くしかない。
マロリーたちは、倉庫に接近するが、行き止まりに差し掛かる。
スウィングの手下に見咎められ、万事窮す。
マロリーの機転で、ドブ浚いのフリをして、手下たちにドブから引き上げてもらう。
倉庫の中に案内される一行。
中には、犯人の一人ラッセル・バートレット夫人が演説をぶっている。
マロリーたちは、素性もバレて、銃撃戦になってしまう。
こう着状態の中、港から艦砲射撃が降り注ぎ、倉庫を貫いてゆく。
マロリーは混乱した隙をついてスウィングに止めを刺す。
外には雨が降り注ぎ、ロンドンの悪臭を洗い清めていた。
一〇九八年、マロリーは八十三歳でなくなった。
彼は自身の激変説をさらに押し進め、大陸移動を発見し、名声を不滅のものとした。
第五の反復 すべてを見そなわす眼
ローレンス・オリファントは電信受信機(なんかFAXみたいだが)でフレイザーに呼び出される。
醜悪な佇まいの家屋では、一人のテキサス人が毒殺されて死んでいた。
オリファントとフレイザーは現場を捜査する。
テキサス人はピンカートン探偵社の一員で、バートレット夫人に何かを強要されるも、拒否し殺害された模様。
ピンカートンはミック・ラドリー(第一の反復で登場したクラッカー)にも目をつけており、彼を尾行していた。しかしミックは殺される。
彼は何か重大な情報を握っていたと思われる。
オリファントは定量犯罪学という部署へ行き、ラドリーが殺されたホテルから送られた電報の内容を調べることを頼む。
筋が複雑でうまく読み取れんのですが、チャールズ・エグレモントという男が犯罪人体測定部などを実質支配し、大きな権力を振るっていると。そして気に入らん人物を情報もろとも抹消して、存在を無かったことにしているらしい…
宮廷警察に赴いたオリファントは、殺されたラドリーが持ち出したパンチカードがフランスの計算機で走らされ、故障したということを聞く。
そのパンチカードをフランスに渡したのはシビル・ジェラード。
オリファントはカードを取り戻すことを宮廷警察に約束し、彼女に合わせてもらえるよう頼む。
オリファントはフランスで隠居している、シビル・ジェラードを訪ねる。
彼女がエグレモントの過去、ラッダイト運動に参加し、シビルの父であるウォルター・ジェラードを裏切ったことを告発すれば、エグレモントを失脚させられる。
シビルはオリファントを信じ、彼に証言を託した。
モーダス 提示されたイメージ
ここで一気に物語の答え合わせがなされます。
エイダ・バイロンがパリで自身の論説を講演する。
人間という存在が、数学的にシュミレートできるようになれば、もはや曖昧なコミュニケーションに頼ることもなくなる。
しかし、そのような矛盾のないシステムを作ることは不可能だ。
自己言及のパラドックス
「わたしは嘘つきである」という文章は正とも偽とも取れる。
このような矛盾が数学の中にも存在し、論理的な推論に限界があることを示す。
それを可能にしてしまうのがモーダスのようです。
(ここらへんさっぱりわからんのだが)
やがて自我に目責める(目覚めた)機関が、何を隠そうこの物語の作者なのだ。
というオチ。
感想 今後の課題
ネット碩学諸氏の力を借りても、うーん少し理解及ばず。
サイバーパンクが情報化社会を扱うジャンルなら、産業革命やコンピュータ科学の発展の歴史などは自らの存在のルーツといえよう。
サイバーパンクの完成形と称されるのも、さもありなん。
まだまだ欠落している知識がたくさんあることがわかっただけでもよしとするか。
まだまだ修行が足りぬ。