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知らない情報を知るため本屋に行こう
自分の頭で考えられないことを知ることが知見を広げるということ
情報ではなく興味あることだけしか知らない恐怖
YouTubeでもその他のSNSでも、スマホでもGoogle先生でも、あなたの興味あることしか教えてくれません。
なぜなら、これらのコンテンツの目的は、長く自分のコンテンツの内部に留めておくことが目的だからです。
これは、今に始まったことではなく、テレビでもラジオでも、目的は同じです。
ところが、昨今になって急にこれらのコンテンツに触れることの危機を叫ばれれるようになりました。
それは、これらのネットコンテンツの共通していることは、「あなたの興味関心に合わせた内容をお届けしている」ことにあります。
これは、あなたのこれまで見て来たコンテンツの傾向をみて、AIが判断してあなたが興味を持ちそうな内容をどんどんお届けしていくためです。
テレビやラジオの時代は、ダラダラと流されているものを、こちらからキャッチしにいくような所があったのですが、ネットではそういったことを「不便」と吐き捨てて、自分から行かなくても向こうから迎えに来ていくれるようになりました。
これによって、私たちは、自分の興味関心があることしか、知ることができなくなったのです。
自分から取りに行く
向こうから迎えに来てくれるコンテンツは、いわゆる洗脳だと思います。
こちらが知りたいと思っていないのに、勝手に興味がわきそうな内容を送り付けてくるのです。
そして、それを無視することができない(興味関心がある)ため、それをダラダラと見ては無駄に時間を費やしてしまう。
勝手に私たちの頭の中にあるものを調べて、それらで頭をいっぱいにしては、それ以外のことには無知にする。
これが洗脳ではなくして、何と呼ぶのでしょうか。
そう考えていたら、文芸評論家の三宅香帆さんが以下のような記事をあげていました。わたしは三宅さんのマガジンを定期購読しているため全文読めるのですが、とても興味深いことを話されています。
「すでに情報じゃなくなっている気がする」
というのです。まさにその通りだと共感しました。
本屋に行く理由に似ている
そもそも私たち本好きが、本屋に行く理由はなんでしょうか。
Amazonの方が在庫も蔵書の種類も圧倒的で、明日には届く(下手したら今日中に届く)手軽さを考えたら、本屋なんて不便であること極まりないのです。
それなのに、本屋に行くのは「自分が知りたいこと以外のことを知りに行く」ために行くのです。
つまり、自分の興味関心があること以外の知見を広げたいのです。
人は、自分が知っていることしか考えることができません。
普段、私たちが考えていることは、私たちが知っていることです。
ウクライナとロシアの戦争についても、戦争をしていること自体を知らなければそのことについて考えることはできないのです。
それらの事柄を、「興味がないから」という理由で遮断していたら、私たちは自分の生活している範囲内のことしか、考えることができなくなるのです。
それは、誰もが、自分の生活に一番興味あるのであり、他人の生活に一番の関心を持っていたら、自分の生活が惨めに感じるなど自分との比較に苦しむことになるのです。
そのため、自分の生活に関することしかしならければ、世界はどんどんと狭くなります。
外国で戦争があろうと、自分に徴兵令が出るようなことが無い限り、ほとんど関係のないことです。
むしろ、それらの暗いニュースは、見ない方が幸せだからと、あえて目を背けるようなことをしている人さえいます。
こうした、自分が興味関心を持っていることしか知らない人間は、人としての深みがなくなり、社会的に「何も知らない人」という評価を持たれます。
そんな人間に、私たちはなろうとしているのです。
興味関心が無くても、その事象や事柄の内容を知ることによって、あなたの興味関心が注がれ、あなたの人生すら変えてしまうかもしれません。
そんな人生の可能性を捨てているのは自分なのに、「人生なんてつまらない」とか「先が見える人生になんの魅力もない」なんて言えるのでしょうか。
先が見えるのなら、先が見えないような知見を広げるべきなのです。
だからこそ言いたいのです。
「本屋に行こう!」
「本屋に行く理由は実はここにあるのかもしれない」
という、思わぬ着地点を見つけたところで、今日はこの辺で終わります。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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