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短編小説。2分ください! 「ペットと家族と人間不信と。」

こんにちは!限界金欠大学生、湊 笑歌です!

度々深夜投稿で申し訳ありません!明日からは昼間に投稿を!とは限りませんが(笑)

さて、今回は私が書いた短編小説を貼り付けようと思いますので、時間がある方はぜひぜひ!読んでいってください!

こちらの作品は、単語でのお題をいただき、1000文字以内程度で物語を書くというちょっとした遊びをしたときに書いたものです。
お題は 家族 ペット 動物園 です。
ではどうぞ!


ペットと家族と人間不信と。

 ある日、父が動物園に連れて行ってくれたことがあった。ひよこからライオンまで、色とりどりな動物がいて、一日ではとても回ることのできない広さだった。
 ボクは動物園が嫌いだ。檻の中で過ごしている動物を見て何が楽しいのか、子供ながらにそんなことを考えていた。動物達も一日中監禁され、多くの人の目にさらされる。きっと動物達はひどく恨んでいるだろう。
 ボクには飼い犬がいた。小さいころから庭で一緒に遊んでいた。だがある時、気が付いてしまった、今していることは動物園と何も変わらないことに。エサを与え、庭という名の檻に閉じ込める、そのことに気が付いた瞬間、リードを外して犬を逃がそうとしていた。だが犬は逃げない。戻る場所が、ここ以外ないから。
 その日のうちに犬を逃がそうとしていたのが親に嗅ぎつけられた。必死にボクの言い分を話そうとするが、「言い訳はするな」「命を大切にしろ」など、薄っぺらい言葉の数々が父親の口からどんどんあふれ出ていた。頭の仲が真っ白になり、ボクは家を出てしまった。子供だから意見を聞いてもらえなかったのか。色んな事から目をそらしていく、それが大人になるということなのだろうか。近所の公園のベンチに座り込み考えていると、気が付いた時には空から明るさが消え、辺りは灰色に染まっていた。
 怒りが冷め、家に帰ると食卓には家族全員分の食事が置かれていた。
「すまなかった、話もロクに聞かないで。これからは気を付けるよ」
 謝らなければならないのはボクのほうだよ。この言葉が出ることはなかった。なぜなら僕は気が付いてしまったから。犬にも帰る場所がここしかなかった様に、僕にも帰る場所はここしかないし、今こうしてエサも出されている。上っ面の謝罪なんて必要ない。
 父親にとって僕は、庭で飼っているペットなのかもしれない。それに気が付いた時僕は、人を信じることをやめた。

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