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不安やうつ病について

うつとは?

不安やうつは人生の質を下げてしまうということがよく言われます。
うつになりやすい人は、色々なチャンスを逃しやすかったり、神経症的傾向が高すぎてすぐ不安になる人はコミュニケーションが取りにくかったりして、自分に自信がなくなってしまうという人も結構いると思います。
そのようなうつや不安傾向にも良い面もあります。うつ傾向が高い人の方が、クリエイティビティが高かったり、独自の才能を開花させる人もいます。メンタルが不安定な分、人の心を揺さぶるような表現が出来たり作品を生み出すことができます。

不安やうつよりも対策すべきは?自尊心の低さ

そんな不安症やうつを改善するよりも先に、人生に対して悪影響を与えないために対策すべきではないかということがあります。
不安症やうつよりも人生にとって良くないものは・・・
自尊心の低さです。
自分は自分の力で未来を切り開くことができて、少しぐらいは余裕もあって、人を助けることさえもできるというような、自分は自分のままでいいと考えられる自尊心の高い人は、人生が良い方向に進みますが、自分はどうせダメなんだ、自分なんてどうせ・・・と考えたり、自分はダメな人間だから助けられるべきというような被害者意識は、とても辛い人生になってしまいます。
なぜかというと、自分を卑下すると自尊心はどんどん下がってしまうからです。
自尊心とは、自分に自信があるということとは違います。心理学的には、自尊心というものは、もちろんまだまだ色々なことに挑戦して成長していきたいけれど、今のままの自分にも結構満足はしていて、 改善すべきところも改善したいところも色々とまだまだあるけれど、今の自分を自分自身が受け入れることができている状態です。

自分を卑下することが危険

人間は誰しも完璧ではないので、時には、不安になったり、うつになったりしても結構です。不安で落ち込んでしまったり、仕事をサボってしまうこともあれば体調を崩してしまうこともあります。
そんな誰でもあることなのに、そんな時に、やっぱり自分はダメな人間なんだと自分を卑下してしまうことが、良くないわけです。
そんなことも含めて、自分を受け入れていくことが大事です。
不安症やうつが悪いのではありません。その不安を受け入れることができないと、自分で自分の人生をダメにする方向に行動を取りやすくなってしまいます。
例えば、不安症やうつ傾向の高い人の方が、過食症になりやすいとかドカ食いをしやすいとか、アルコール中毒や、薬物依存にもなりやすいというような研究もあります。
危険なのは、自分を受け入れられないことで、セルフコンパッションが足りないことです。自尊心、つまり、自分を大事に思う自分への思いやりが足りないことです。

自尊心を正常に芽生えさせる

マンチェスター大学が行なった研究で707人の学生を対象にした実験があります。この707人の内、109人はLGBTQの方でした。
これまでに自分をダメにすると分かっているのに、つい手を出しハマってしまう自己破壊的行動をとったことがあるかということを調べました。セクシャルマイノリティも含めた上で、前のパーソナリティチェックを行い性格分析を行った上で、自己破壊的行動との関連性を調べたものです。

結論としては、LGBTQの35%の人が、過去に何かしらの自己破壊的行動をとっていたということです。一方、それ以外の人達は、14%の人だけが自己破壊的行動をとっていました。

LGBTQの人たちは、そうでない人達に比べて、倍以上も自己破壊的行動をとっていたということが分かったわけです。
そして、LGBTQかどうかは別として、人生に対する悪影響が大きかったのは、自尊心の低さでした。自尊心の低い人たちは、人生の満足度が低下し問題を抱えやすくなっていたということです。どちらかというと、自尊心が低くなりやすいのは、LGBTQの人でした。
結局、差別を受けたり、偏見な目で見られたりすることによって、人は自分をありのままに受け入れることができなくなってしまうということが起きます。
素の自分をオープンにすることによって、自尊心が育まれます。LGBTQの人に限らず、素の自分を出すことができないということは、正常な自尊心が芽生えていかないので、その結果自己破壊的行動に走ってしまう可能性が高くなるということです。

セルフコンパッションを大切に

この研究では、この自尊心の要素を省くと、不安やうつが人生に与える悪影響が消えました。
つまり、不安やうつが自己破壊的行動に結びついて人生をダメにしてしまうのは、その不安やうつにより、自尊心が低下した場合なのではないかということです。
自尊心が低下することが問題なのであって、不安症だから、うつだから、ダメだということではないわけです。だからこそ自分を受け入れるセルフコンパッションが大事になります。自分を受け入れることができれば、そのネガティブな影響を抑えることができるわけです。
セルフコンパッションについて↓

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