「連座制」適用 障がい者向けグループホームを全国展開する(株)「恵」
障がい者向けグループホーム約100ケ所を全国展開している株式会社「恵」(東京都港区芝5-3-2 +SHIFT MITA6階)の食材費の過大徴収や不正請求事件に会社が組織的に関与していたとして、厚生労働省は「連座制」を適用し、全ての事業所の指定の更新を認めない方針を固めたとのこと。
厚生労働省は、厚生労働省はグループホームで暮らす障がい者が行き場をなくすことがないよう、自治体と連携しながら対応することにしています。
この「恵」の事件は、今年の5月13日にもnoteに記しておりますが、会社として組織的な関与があったとして、いわゆる「連座制」が適用された形です。
多くの方々が「やはり」と思ったと思います。
全国展開している福祉・介護の大企業が儲けようとするのは、当然ですが、そこに悪意と倫理感の欠如が重なれば、反社会的存在となっていまいます。
経営陣はこの障がい者を喰いものにする一種のビジネスモデルを内心は自慢げに思っていたかもしれません。
私は、この収奪的ビジネスモデルに目や耳を塞いだ管理者や職員たちのボキャブラリー(言葉・語彙)はどのようなものだったのかに興味があります。
このボキャブラリーが組織全体を倫理的に麻痺させたのだと思うのです。
私の知っているところで言えば、例えば、「ケアプラン率」「利益達成率」「名前貸し」「囲い込み」「透明利用者」「透明職員」「空利用」「表シフト」「裏シフト」など、不正を行い、助長するための専用ボキャブラリーがあったと思うのです。
倫理を麻痺させるボキャブラリー集(用語集)を誰かが作らないかと思います。
朱喜哲(哲学者)さんはローティの哲学の中心テーゼを「人間は受肉したボキャブラリーである」としています。
「恵」で使われていた不正にまつわるボキャブラリーが受肉し、管理者や職員たちは倫理観を麻痺させていったのではないでしょうか。
そして、それが「恵」という組織の世人(das Man)となり、無責任極まりない「空談」が蔓延り、不正状況を固定化してしまったのではないでしょうか。