社会福祉法人「ときわ会」の元職員が提訴!虐待通報で懲戒解雇は公益通報違反か?
東京都小平市小川町の社会福祉法人「ときわ会」が運営する障害者施設での職員による虐待を利用者の家族に報告したとして懲戒解雇された元職員が、その解雇が無効であり、公益通報者保護法にも違反していると主張し、施設を管理する社会福祉法人に対して地位確認を求めて東京地方裁判所立川支部に訴えを起こしています。
この記事によりますと・・・経緯は以下のようです。
原告の女性は、昨年9月に顔にあざや傷を負った利用者の写真を他の利用者の家族に見せ、「虐待が発生している」と伝えた。
社会福祉法人「ときわ会」は、この行為が就業規則に反しており、また女性が勤務中に利用者を2回放置したとして、今年3月に懲戒解雇した。
原告の女性は、自治体への通報にもかかわらず状況が改善されなかったため、利用者の家族に情報を伝えたと主張し、その解雇が公益通報者保護法に反すると訴えている。
社会福祉法人「ときわ会」は1978年に創立。6つのグループホームと6つの通所事業所を運営し、知的障害や肢体障害、精神障害がある障害者が生活する場、働く場を提供している法人です。
社会福祉法人「ときわ会」に関しては、元理事を含む約10人の職員による虐待が市によって認定されています。
忌々しきことですが、この時の虐待通報を小平市が受付を拒否したということも発覚しているようです。
通所事業所やグループホームにおけるダニの発生が虐待の「放棄・放置」(ネグレクト)に当たるとして職員2人が2023年12月、小平市に通報したにもかかわらず、担当課が受け付けを拒否していたといいます。
また同法人では9月に解任された男性理事による暴言、暴行をはじめ「複数の職員による知的障害者への暴行や暴言が長期間、続いていた」とされていますし、虐待の内部通報者を小平市がときわ会に漏らした疑いもあるとのことです。
障害者虐待防止法や高齢者虐待防止法では、障害者または高齢者が虐待を受けているかも?と思った時点で、職員は市区町村に通報する義務があるとされております。それなのに通報を拒否?無視?したり、通報者を法人に漏らす? もしそうだったら、最悪ですね。
この記事は公益通報者保護制度について以下のように紹介しています。
公益通報して懲戒解雇されるようなご時世、公益通報者保護制度についての基礎的知識は福祉・介護に携わる人たちの必須知識ですね。
また、懲戒解雇は、解雇の中でも最も重い処分であり、離職票に記載されるため、労働者にとって非常に大きな不利益になります。
法人は懲戒事由の要件を周知し、弁明の機会を含む適正な手続きを踏むことが重要だと考えられます。
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