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今さらの『ハリーポッター』に沼ってくれたあなたへ。

『ハリーポッター』
著者J.K.ローリングによるイギリスの児童文学。
1990年代のイギリスを舞台に、魔法使いの少年ハリーポッターの、魔法学校ホグワーツでの生活や、闇の魔法使いヴォルデモートとの因縁を描く、おそらく世界で最も有名な児童文学である。

初版。
初めて「英語勉強しなきゃ…!」という気持ちが駆り立てられたのは、
この原書が手元にやってきたときだったと思います。


そしてわたしは紛うことなき「ポッタリアン(ハリーポッターファンの総称)」である。
ディズニーが大好きで、アメコミが大好きで、ハリウッド映画や、海外アニメ・ドラマも大好きだが、ご多分に漏れず『ハリーポッター』も自他共に認めるやかましいオタクっぷりを発揮している。


なにがどうやかましいのかは、以下ような写真をお見せすれば十分だろう。


最終学歴(?)はホグワーツ魔法魔術学校で、
ニューヨークの魔法省にも行きました。
著名な魔法動物学者に会ったり、
いたずらの天才たちと肩を並べたり、
リアルに魔法を生み出す"中の人"たちともお近づきになって、
マグルの世界のテレビ番組でアホな姿を晒したことなんかもありましたね。


そんなわけで、日頃はマグルに溶け込みひっそり暮らしていながら、いつ何時も魔法界に片足を突っ込み続けている私ひろひろが、今日はここに"ハリーポッターのやかましさ素晴らしさ"をまとめ上げたいと思う。


というのも、実は来る2月。
わたしは友人らと、あの「ハリーポッター スタジオツアー東京」に足を運ぶのだ。(たのしみ♡)


そしてこの素晴らしき魔法界を一緒に旅してくれる友は、ここ最近、やっと、ようやく、その物語の「一部」に触れたばかりの"イッチ年生"であるということで‥‥
今日は、今さらの『ハリーポッター』に沼ってくれたあなたへ、ホグワーツで迎え待つハグリッドのごとく、(誠に勝手ながら)この広大すぎる世界を案内しようと思う。

「イッチ年生!イッチ年生はこっち~!」




それでは、いざ。
我ここに誓う 我よからぬ事を たくらむ者なり。


(※本記事は、映画『ハリーポッターと賢者の石』から『ハリーポッターと死の秘宝PART2』までを鑑賞した友人に向けて書いた記事です。『ハリーポッター』のあらすじを紹介する内容ではないので悪しからず。)





全容


①原作:

原作は全7巻で、1巻につき1年が経過するようになっている。
つまり、7年生の魔法学校寮生活、ということ。

なお初版は1997年、最終巻は2007年刊行ということで、約10年の歳月を懸けて執筆された超大作である。

1から順に‥‥
『ハリーポッターと賢者の石』
『ハリーポッターと秘密の部屋』
『ハリーポッターとアズカバンの囚人』
『ハリーポッターと炎のゴブレット』
『ハリーポッターと不死鳥の騎士団』
『ハリーポッターと謎のプリンス』
『ハリーポッターと死の秘宝』


ちなみに…原書の出版元はブルームズベリー社。
当時無名のJ.K.ローリングは、それまで12の出版社に断られた末、
唯一その才能を買ってくれたのがブルームズベリーだったらしい。



②映画:

おそらく原作小説よりも皆さんに馴染み深いのは、映画版『ハリーポッター』だろう。今回訪れるスタジオツアーは、言わずもがな映画の撮影舞台を体験できる施設である。

映画については、第1作目『賢者の石』公開が2001年、最終章『死の秘宝PART2』が2011年完結であり、原作小説同様、約10年のシリーズ大作である。

なお映画作品においては、最終章『死の秘宝』が「PART1」「PART2」の二部構成となっているため、全8作となっている。
(映画公開当時、「こんなところで終わらせるなよアホか!!!(褒めてる)」となった)

これまた1から順に‥‥
『ハリーポッターと賢者の石』
『ハリーポッターと秘密の部屋』
『ハリーポッターとアズカバンの囚人』
『ハリーポッターと炎のゴブレット』
『ハリーポッターと不死鳥の騎士団』
『ハリーポッターと謎のプリンス』
『ハリーポッターと死の秘宝PART1』
『ハリーポッターと死の秘宝PART2』

ちなみに…シリーズを通して実に4人の映画監督が交代しています。
1~2は『ホームアローン』のクリスコロンバス監督。3は『ゼログラビティ』のアルフォンソキュアロン監督、4は『プリンスオブペルシャ』のマイクニューウェル監督、5~8は当時『セックストラフィック』というテレビドラマで注目を浴びたデヴィッドイェーツ監督といった具合です。



③スピンオフ作品:

そしてここからが、魔法界の真の面白さである。
上記の原作ないし映画作品『ハリーポッター』シリーズを基点として、数多くのスピンオフ作品が、その物語世界を拡張し続けているのだ。

主なものを挙げると‥‥
『ハリーポッター』のその後を描く「舞台」
『ハリーポッター』のその渦中を描く「副読本」
『ハリーポッター』以前を描く「映画」および「ゲーム」作品が、溢れ返っているというわけである。(まったく諭吉も渋沢もウィンガーディアム・レヴィオーサだぜ💸)


以下、詳しく見ていこう。



・舞台『ハリーポッターと呪いの子』

~『ハリーポッター』のその後 ~

『ハリーポッターと死の秘宝』から19年後を舞台に、魔法省の魔法法執行部部長となったハリーと、ホグワーツへの入学を控えた彼の息子アルバス・セブルス・ポッターを描く傑作である。

無論、ここでその物語のネタバレを書くことはできないが‥‥
本作の最重要アイテムとして登場するのは、まさかの『ハリーポッターとアズカバンの囚人』で登場した「逆転時計」。
ハーマイオニーが複数の授業を同時に取るために使用を許可された、ある種究極的な魔法アイテムが、ハリーの息子を描く物語で脅威の伏線回収を図るさまは、圧巻である。

赤坂駅千代田線は、実質、キングスクロス駅9と4分の3番線だよね(?)
そしてこれ👆は、わたしがニューヨーク・ブロードウェイを訪れたときの劇場の様子(やかましい)



・副読本(ⅰ~ⅲ)

~『ハリーポッター』の渦中 ~

さらに原作者J.K.ローリングの世界観作りは凄まじく。
実は『ハリーポッター』シリーズにおいて、ハリーたちをはじめとするホグワーツの生徒たちが劇中で使用している本や教科書も一部出版されている。
ここでは、中でも有名且つ『ハリーポッター』の世界をより一層楽しめる3つの副読本を紹介しよう。

ⅰ『クィディッチ今昔』

ホグワーツ図書館の蔵書の中で最も人気の高い1冊(という設定)として知られている『クィディッチ今昔』。

著名なスポーツライター:ケニルワジー・ウィスプによって執筆された本書は、魔法界いち有名なスポーツ、箒に乗って得点を競う「クィディッチ」の様々な歴史を紹介している。

注目すべきは「クィディッチ」の世界大会の歴史が描かれた項。
なんとここで、日本のチームが世界チャンピオンになっている歴史があるのだ。(確か「トヨハシ・テング」っていう魔法使いがキャプテンだった気がする)

つまり、本書を読み進めると、魔女/魔法使いないし、魔法学校は、イギリスのホグワーツ、および『ハリーポッターと炎のゴブレット』で語られた、北欧のダームストラング校、フランスのボーバトン校以外にも、世界各地に存在していることが分かるのだ。
(実は日本にも南硫黄島に「魔法処(マホウトコロ)」という魔法学校があるんだよ。)

なお私が持っているのはこれ👆
大学1年で上京して、おそらく最初の買い物です。「学割使えますか?」って言ったけど、大学指定の書籍じゃないから無理って断られた記憶があります。ホグワーツみたいな見た目の大学だったくせに(関係ない)。


ⅱ『吟遊詩人ビードルの物語』

お次は、何世紀にも渡って魔法界の子どもたちを魅了する(という設定 パート2)おとぎ話集『吟遊詩人ビードルの物語』。

面白さと教訓を兼ね備えた物語が多数収録されており、『ハリーポッターと死の秘宝』で明かされた「三人兄弟の物語("死の秘宝"を構成する"賢者の石"・"ニワトコの杖"・"透明マント"を紹介するお話のアレね)をはじめ、ロンが幼少期に好きだったという「バビティうさちゃんとペチャクチャ切り株」のお話もしっかり収録されている。

おそらく本書だけを、ひとつの物語として読み進めると「なにが面白いの??」と思ってしまうだろうが、注目すべきは"何世紀にも渡って"魔法界の子どもたちを魅了した物語集、ということ。

実は本書で描かれる様々な「教訓」や「比喩」や「言葉遊び」は、『ハリーポッター』以前の、魔法界の歴史そのものを表している場合が多くあり、「ポッタリアン」としては、常に手元に置いておきたい1冊なのである。

(なお未だなんの伏線回収もされていない意味深な物語も収録されており、一部の「単語」や「台詞」は、後述する『ファンタスティックビースト』や「ゲーム」内でようやく登場したりしているので、そういう発見をするたびに鳥肌だったりする)

なお私が持っているのはこれ👆
これまた大学時代の話ですが、英語の講義でレポートを書く際、本書に収録されている物語を引用して提出してみたことがあります。教授に「こんなお話初めて知った‥‥」と言われました(そらそう)


ⅲ『幻の動物とその生息地(原題:Fantastic Beasts and Where to Find Them)』

ホグワーツ入学時の指定教科書である『幻の動物とその生息地』。著者は魔法動物学者のニュートスキャマンダー(という設定 パート3)。

そう、ご存知ない方のために説明すると、2016年に待望の劇場公開をされた、エディレッドメイン主演の映画『ファンタスティックビースト』は、実は『ハリーポッター』シリーズで、ハリーたちが授業で用いた教科書、それを原案としているのである。
残念ながら映画では、ハグリッドに連れられたハリーが入学準備をするためにダイアゴン横丁を訪れるシーンで、この教科書『幻の動物とその生息地』が映ることはないのだが‥‥原作小説では、買い物リストが載ったページがあり、そこに「幻の動物とその生息地:ニュートスキャマンダー著」とばっちり記載されている。そしてその教科書自体も出版されているという徹底ぶり、だから凄いのである。

Twitterから画像アクシオしました。


なお本書は「教科書」であるため、物語的な側面はなく。
ひたすらに様々な魔法動物と、その特性・習性が記載されているだけの1冊である。
が、注目すべきは『ハリーポッター』シリーズで登場した「ドラゴン」や「バックビーク」、そしてもちろん『ファンタスティックビースト』シリーズで登場する「ニフラー」や「デミガイズ」や「マートラップ」といった魔法動物の記述だ。
映画では必要最低限の情報しか明かされないが、ホグワーツの生徒さながらに本教科書を隅々まで読み進めてみると、各魔法動物が持つ「特性」から、映画のちょっと不可解な点や、なんで今そう言ったんだろう?的な疑問が、おもしろいほど明らかになる。

一例として挙げるなら、魔法動物「デミガイズ」の記述などだろう。
実はこの「デミガイズ」は、あの「透明マント」の原材料として乱獲されたという、動物愛護団体じゃなくても怒りたくなるような悲しい過去がある。

本書『幻の動物とその生息地』を読むと、そんな「デミガイズ」は絶滅危惧種に指定され、保護していくべきとの記述があったりするのだ。
そうした内容を知っていると、実は『ハリーポッターと賢者の石』で、ハリーにこの「透明マント」が贈られたとき、ロンは「こんな代物見たことない!」と驚きの声を挙げるが、対してハーマイオニーはあまり良い顔をしていない。ハーマイオニーのことだから、おそらく指定教科書の内容などすべて熟知しているのだろう。マグル出身の彼女が、なぜ「透明マント」の存在にロンほどの驚きをしなかったのだろうと思えるが、おそらくその裏にはこのニュートの著作を読み込んでいる秀才ゆえの葛藤が見え隠れしないだろうか。(オタクの深読みって怖いでしょ。)

本書に記載されている魔法動物、その一匹一匹を追うだけで、何時間でも語り尽くせそうな魅力が広がっているというわけなのだ。


なお私が持っているのはこれ👆
ニューヨークを旅したとき、現地の書店で買いました。ニュートが執筆した教科書を持って、ニュートが歩いた地を訪れるという、変態にも程がある"聖地巡礼"をしたんです。へへ。



・映画『ファンタスティックビースト』

~『ハリーポッター』以前 ~

続いて、『ハリーポッター』より前の時代を深ぼるスピンオフ作品も見ていこう。
個人的に『ハリーポッター』シリーズより遥かに大好きな映画シリーズ『ファンタスティックビースト』である。

本作は『ハリーポッター』より約60~70年前、1920年代以降を舞台に、前段で伝えた『幻の動物とその生息地』の著者である、魔法動物学者のニュートスキャマンダーを主人公に据えた、実に"大人な"魔法ワールドシリーズである。

もう大好きすぎて困るんだけど??

第1作『ファンタスティックビーストと魔法使いの旅』公開が2016年。
その後『ファンタスティックビーストと黒い魔法使いの誕生』が2018年。
続く『ファンタスティックビーストとダンブルドアの秘密』が2022年に公開され、今なおシリーズは完結していないまま、ファンは続報を待っている状況である。(間違っても"打ち切り"なんてするんじゃないぞ…)

本シリーズの面白さはこんなnote程度で語り尽くせるものでもないのだが‥‥
強いて言えば、やはり『ハリーポッター』シリーズで明かされなかった、また触れられなかった「真実」がどんどんと明らかになっていく点にあると思う。
ハリーの宿敵ヴォルデモート、もといトムリドルは、なぜあれほどまでに強靭なパワーと闇の魔法に魅了されてしまったのか。なぜダンブルドアは魔法動物を溺愛するハグリッドを森の番人として城内に留めさせたのか。なぜハリーたちが使う守護霊は、すべて「動物」なのか‥‥。
そうしたちょっとずつの疑問に対し、まさに"教科書"のごとく1作1作その答えが明らかになっていく作りこそ、本作最大の魅力だとわたしは感じている。

なお2025年1月現在では、『ファンタスティックビースト』の4作目について一切の音沙汰がない状況が続いているが、シリーズの第1作目が封切られる前、原作者のJ.K.ローリングと、主演のエディレッドメイン、さらに彼の仲間として活躍するティナ役のキャサリンウォーターストン、ジェイコブ役のダンフォグラー、クイニー役のアリソンスドルらが伝えたそれは、「シリーズは全5作で完結の予定。また最終章にあたる5作目のラストは、あの『ハリーポッターと賢者の石』のオープニングにそのまま繋がるラストを準備している‥‥」という発言だったと記憶しており、わたしはその瞬間を目の当たりにするまで、なにがあっても死ねないわけなのだ。

最高の写真じゃない‥‥!?
このときと興奮をもう一度蘇らせてくれ…!ワーナーァァァ!!



・ゲーム『ホグワーツ・レガシ―』

~『ハリーポッター』以前 ~

さらに、『ファンタスティックビースト』よりも前の世界を描くゲーム『ホグワーツ・レガシ―』も紹介しよう。

中二心をくすぐるパッケージ。

2023年にポートキーゲームズ(親元ワーナーブラザースが立ち上げた『ハリーポッター』関連ゲームに特化したレーベル)というレーベルから発表された本作は、完全オープンワールドのロールプレイングゲームとして、小説・映画・舞台顔負けの圧倒的クオリティで突如としてファンの前にやってきた。いわゆる"神ゲー"である。

『ホグワーツレガシー』の舞台は、『ハリーポッター』シリーズより約100年前の世界。ゲームのプレイヤーである我々主人公は、ホグワーツの5年生から途中入学をするという異例の設定で幕開ける。
案の定、ゲーム内の物語としても「転入」というのは異例のケースとして扱われ、『ハリーポッター』ないし『ファンタスティックビースト』よりもずっと昔に、ゲームのプレイヤーとして「自分」が、ある種"選ばれし者"となってホグワーツの歴史に名を刻んでいたという設定は、控えめにいっても、めちゃくちゃたのしい!!!(※急にバカ)

加えて、ゲーム内で敷かれた当時の魔法界では、あのヴォルデモートや、『ファンタスティックビースト』で登場するゲラートグリンデルバルトも暗躍する前のお話、である以上‥‥物語の主軸はそうした「悪役とのバトル」に広がっていくというより、ファンには堪らないホグワーツの歴史そのもの、つまりは本学を創設した4人の魔法使い「ゴドリック・グリフィンドール」「サラザール・スリザリン」「ロウェナ・レイブンクロー」「ヘルガ・ハッフルパフ」の過去と、「古代魔法」の謎が少しずつ垣間見れるような展開を見せてくれるため、まさに「ホグワーツ・レガシー(遺産)」の名に恥じぬ伏線が散りばめに散りばめられているというわけなのだ。


(なおマリオのステージ1-1が一発でクリアできないほどのゲーム下手であるわたしが、いかにして『ホグワーツレガシー』の物語に足を踏み込んだかというと‥‥ゲーマーの友達にプレイさせて、その様子をただ横で見るという方法です。持つべきものは友ですな。初回の様子は、友人が見やすく編集までしてYouTubeにアップしてくれているので、アホほど時間を持て余している方がいたら覗いてみてください👇)


そんなわけで。
他にも、まだ紹介していない副読本やゲーム、さらにはオーディオブックやおもちゃ・小道具、アパレル、テーマパークなどなど…『ハリーポッター』の広大な物語を構成するコンテンツは様々あるものの。。。

ひとまず「全容」としては、これくらいで十分だろう。



***



歴史


さて、既にお腹いっぱいの読者も多数いると思うが。
続いては、そうして広がる「魔法ワールド」の物語、その歴史を年代順にお伝えしよう。

もちろん、ここに記述する内容だけで、映画や小説と同じ「感動」を得られることはないのだが。
ひとまず「スタジオツアー」を訪れる前の予習ないし復習としては十分(過ぎる)な情報をお伝えするつもりなので、ぜひこのまま読み進めていただけると幸いだ。

なお、今ようやく『ハリーポッター』の世界に足を踏み入れたばかりのあなたは、以下お伝えする物語の「はじまり」に際して、おそらく「そんな昔の話から始めるんかい!アホか!!」と思うことだろうが‥‥

まずは一文ずつゆっくり読み進めるのではなく、ざっくりと流し読みしていただければ問題ない。


それでは。




①はじまり

紀元前1000年ごろ、古代エジプト王の墓に謎の呪いがかけられる。
(それではご唱和ください、そんな昔の話から始めるんかい!アホか!!)

おそらくこれが世界初の「魔法」の存在として語られており、『ハリーポッターとアズカバンの囚人』にて、ロン・ウィーズリー一家がくじの賞金で"エジプト旅行"に行ったという背景には、そうした魔法界全体における歴史の一片があるからだと読み解けたりもする。

また前述のゲーム『ホグワーツ・レガシー』の説明で、しれっと「古代魔法」という単語を出してみたが、無論この時代で語られる「魔法」が「古代魔法」の類いである。

ウィーズリー家の家族旅行写真。
かわいいね。


その後古代ギリシアで、数名の魔法使いが名を馳せたという記述が、ニュートスキャマンダー著『幻の動物とその生息地』にて記述されているが、このあたりではまだ『ハリーポッター』の舞台世界と深い関わりはないので、詳しい話は割愛。
(このあと『ファンタスティックビースト』シリーズで「ギリシア」というワードが出てきたら激アツだね。)

一方、ここから少しずつ『ハリーポッター』の舞台に関わる事象が動き出すが…紀元前382年に、あの「オリバンダー杖店」が創業する。
非常に長い歴史を持つ魔法族の家系「オリバンダー家」の登場である。
ハリーが初めて魔法の杖を買ったのも、このオリバンダーの店だ。

実は『ハリーポッター』の世界においては、「聖28一族(※詳しくは後述の<血/家系図>の項にて)」と呼ばれる「純血(魔法族のみで構成される家系)」の存在が大きく関わっており、その歴史を辿ることが、この魔法界の広大さを知ることと言っても過言ではない。

とはいえ、『ハリーポッター』に登場する店主ギャリック・オリバンダーは、魔法族の純血「オリバンダー家」の出身だが、彼自身はマグル(非魔法族)の母を持つ「半純血」の杖作りだったりする。

1作目『賢者の石』でいちばんワクワクするシーンって、
オリバンダーが杖の箱漁ってるところだよね???(※異論は認める)


そうつまり、『ハリーポッター』の物語を深く楽しむポイントの1つは、そこに登場するキャラクターが魔法族か否か、つまりは「純血」か「半純血」、または完全なるマグル生まれ(魔法界の禁句を敢えて言うならば「穢れた血」)であるかどうかを知ることであり、これは現実世界にみる、素晴らしき多種多様な人種の美しさと、それを引き金として起き続ける紛争の悲惨さを踏襲しているのだろうと、わたしは思っていたりするわけだ。


②創設期

時代は飛んで、993年
イギリスの地で、偉大な4人の魔法使い「ゴドリック・グリフィンドール」、「ヘルガ・ハッフルパフ」、「ロウェナ・レイブンクロー」、「サラザール・スリザリン」「ホグワーツ魔法魔術学校」を創設する。

各4寮が大切にする思想は、左から順に…
「勇気」「献身」「知性」「野心」です。
あなたはどの寮にいちばん魅力を感じますか?
ちなみにわたしは、ハッフルパフ一択です。


一方、魔法学校の創設後、サラザール・スリザリンは他3人の魔法使いと決裂し、ホグワーツの地下に「秘密の部屋」を作る。
「スリザリンの継承者」のみに仕えるとされる魔法動物、大蛇のバジリスクを封じた先で、ホグワーツを去ったというのが、この時代の大きな出来事である。
そして、のちにこの「秘密の部屋」を開けたのが、ヴォルデモートの前身トム・リドルとハリーのふたりだけ、というのが『ハリーポッター』の物語序盤における激アツポイント、というわけだ。

ゴジラ‥‥じゃないよ、バジリスクだよ。
かわいくないね。


さらに1294年頃、ホグワーツで初の三大魔法学校対抗試合がはじまる。
『ハリーポッターと炎のゴブレット』において、伝統ある学校行事とされているが、その歴史はここまで古くに遡る。

そしてここで三大魔法学校対抗試合が開催されているということは、このとき既に北欧のダームストラング校および、フランスのボーバトン校も創立されていることが読み解ける。

それを裏付けるようにして、1300年中頃、著名な錬金術師ニコラス・フラメルがボーバトン校に通っていたことが明かされている。ニコラス・フラメルとは、あの「賢者の石」の創造主であり、のちに『ハリーポッターと賢者の石』ではその名が、『ファンタスティックビーストと黒い魔法使いの誕生』では推定年齢600歳前後の長寿の魔法使いとして登場している。

『ファンタビ』でのフラメルの登場には、大歓喜でしたわ。
そして「賢者の石」にかけられた、「その石の能力を使う気がない者の前にのみ現れる」という魔法のセンスが最高ですよね👏


その後1473年には、第1回クィディッチワールドカップも開催されるなど、魔法界全体の催事が、このころ幕開け始めている。

ちなみに、『ハリーポッター』シリーズで登場する「ほとんど首なしニック」こと、ニコラス・ド・ミムジー・ポーピントン卿(←たぶん彼の本名を知ってる人なんてほぼいない)が死んで、"首なし"になったのもこの頃である。(知らなくてもなんの損もない情報)

うげぇ。



③発展期

1600年後期、国際魔法使い機密保持法が制定される。

この内容については『ファンタスティックビースト』シリーズにて詳しく明かされることとなるが、ざっくりいうと「マグル(非魔法族)」と「魔法族」の分断のきっかけともいえる出来事である。

ギフトとして授けられし「魔法」の存在を守るため、マグルから隠れて生活をするべきか、それとも「魔法」の使い手としてマグルをも巻き込み、その能力を最大限に発揮して世の中をより良い方向に導くか、そうした派閥が魔法界の中で巻き起こり始めるというわけだ。
(‥‥ちなみにあなたはどっち派??)

ちなみに、これは実際の世界史事象だけど、15世紀に「魔女狩り」っていう迫害運動が起きているんだよね。そんな史実をもとに、このあたりの年号が設定されているのは明らか。
これだから『ハリポタ』沼はやめられないわけさ。そしてリアルとフィクションの違いもガバガバになるわけさ。(※危ない)


そうした魔法界の是非が問われる混沌の時代の先、
1881年、遂にアルバス・ダンブルドアが誕生する。

その後1891年から1892年ごろ、アルバスの妹であるアリアナ・ダンブルドアがマグルの少年3人に暴行され、父であるパーシバル・ダンブルドアが少年らに魔法を使用し復讐したことで、監獄アズカバンに送られるという事件が起きる。
(つまり、この事件以前に「機密保持法」が制定されているというのがミソで、そうした「魔法」の在り方の是非を問うていくのが、このあとの物語の根底にあったりするというわけだね。)

まだまだ謎の多い「ダンブルドア家」。


続いて、父のアズカバン送りを受け、ダンブルドア一家は「ゴドリックの谷」に引っ越す。その名の通り、ゴドリック・グリフィンドールの出身地である場所だが、この頃この地域では過激派のゴブリン(小鬼)らが暗躍しており、あまり治安の良い場所ではなかったとされている。

しかし、5年生から途中入学してきた名もなきホグワーツ生と、その当時の教師陣らの尽力により暴動を鎮圧した、なんてことが分かっていたりもする。(言わずもがなここが神ゲー「ホグワーツ・レガシー」の舞台です。この設定、まじで天才すぎる‥‥)

驚くなかれ、これがゲームのプレイ画面だからな??
映画並みの美しさに圧倒されるぞ。


そして間もなくアルバス・ダンブルドアがホグワーツに入学
弟のアバーフォース・ダンブルドアも入学し、ホグワーツで様々な魔法を学ぶ。

一方この頃、ゲラート・グリンデルバルトが北欧のダームストラング校を放校になっており、時間を持て余した彼がゴドリックの谷を訪れた先で、アルバスと親交を深めている。

個人的にジョニー・デップのファンなので、
グリンデルバルトの役に彼が抜擢されたときはリアルに泣きました。
そしていま、別の意味で泣いています。(※詳しくは編集後記にて)


またそんな最中、1897年2月24日に生まれたのがニュートスキャマンダーである。
その後ニュートもホグワーツに入学し、まだ校長になっていないアルバス・ダンブルドアのもとで魔法を学ぶことになるが、このあたりは未だ映画でも明かされていない点が多いため割愛。

のち1926年に、ニュートがアメリカ ニューヨークを訪れ『幻の動物とその生息地』執筆に向けて動き出すが、実はその裏、時を同じくしてイギリス ロンドンではトム・マールヴォロ・リドル(のちのヴォルデモート)が孤児院で産まれている‥‥という話である。

『ファンタスティックビースト』1作目の舞台が
「1926年」って発表された当時のワクワクは計り知れないものがあったわ…。
トムリドルが産まれたときじゃん!!え!!そういう話!?!?ってな。



④全盛期

1938年、孤児院で産まれたトム・リドルがホグワーツに入学する。

続く1940年、のちの「森の番人」ルビウス・ハグリッドもホグワーツに入学し、ここから一気に『ハリーポッター』の世界へと駒を進めることになる。

トム・リドルのホグワーツでの生活については『ハリーポッター』シリーズでも詳しく明かされている通りだが、ざっくりまとめると、前述の通り、かつての創設者「サラザール・スリザリン」が仕掛けた「秘密の部屋」の開示をきっかけに、トムは自身の「魔法使い」としての類まれな才能に溺れ、のちに君臨する闇の帝王「ヴォルデモート」への道を歩み始めることとなる。
不死性を実現するため、自身の魂を7つに分解し「分霊箱」として保管する考えを生み出したのが、この時である。

トムの怪しい行動の、その濡れ衣を着させられたハグリッド。
そうしてホグワーツの退学を命じられるも、そのとき彼を守ったのがダンブルドアという。
これがまた意味深であり、まだ明かされていない謎のひとつ‥‥。


一方、そうしたトムの暴走の裏で、アルバス・ダンブルドアは何をしていたかというと‥‥かつてゴドリックの谷で親交を深めたゲラートグリンデルバルトの暴走を止めるべく、魔法界初の大きな戦争の渦中に身を置いていた。

つまり、現状これに関してはあくまでわたしの憶測であるが‥‥
トムリドルが闇の魔法に手を染めてしまった背景には、彼自身が敬愛していた先生、アルバス・ダンブルドアの、ある種"裏切り"があったのではないかと推察している。
トムとしては、ようやく孤児院から抜け出し、ホグワーツ魔法魔術学校に入学したことで、夢のような生活が幕開けると期待していたはずだが、その先で待ち受けていたのは、あろうことか魔法界全土を巻き込んだ戦争。しかもその当事者には、信じていたはずのアルバス・ダンブルドアがいたという仕打ちで、やっぱり誰も自分を庇ってくれる人はいない‥‥と落胆した先の思想が、ヴォルデモートだったのではないか、と思っていたりする。

『賢者の石』で登場した「みぞの鏡」
ハリーから「先生は何が見えますか?」と尋ねられたとき、ダンブルドアは「厚手のウールの靴下」と答えていたが、『ファンタビ』2作目で、その本当の答えが明かされた瞬間は息を呑みましたよね。


なお年代的に、既にトム・リドルと出逢っていたであろうダンブルドアの姿が描かれる『ファンタスティックビースト』シリーズ。その3作目のタイトルは、『ダンブルドアの秘密(The Secrets of Dumbledore)』であるわけで、本タイトルの表立った解釈としては、アルバスの弟アバーフォース・ダンブルドアに、クリーデンスという名の隠し子がいた、という話で終着しているが、もうひとつ映画で語られない「ダンブルドア家」の秘密を考察するならば、それはホグワーツにひとり置いてきた「トム・リドル」の存在なのではないかと、わたしは見ている。

「恵まれない者」と「選ばれし者の存在」が紙一重、というのも、
本シリーズの大きな見どころですよね。


そして現実世界における世界大戦と年号一致するのが皮肉な話だが。
1945年、アルバス・ダンブルドアがゲラート・グリンデルバルトを破り戦争終結。ニワトコの杖がアルバスの手に渡るというわけである。
(この戦いの全容が、未完結の『ファンタビ』シリーズで描かれるはず‥‥はず‥‥)


以後は『ハリーポッター』シリーズの詳細となるため、ざっくり年号順に出来事をまとめていくが。

1971年、ハリーの父ジェームズ・ポッターおよび、同級生シリウス・ブラックリーマス・ルーピンピーター・ペティグリューリリー・エバンズ、そしてセブルス・スネイプらがホグワーツに入学する。

それは言っちゃいけないお約束、かもしれないけど、
シンプルにハリーのお父さんクズやんって、思うよね(小声)


1978年~1979年ごろ
ジェームズとリリーが結婚
その裏で、ヴォルデモートが暗躍し、ダンブルドアは不死鳥の騎士団にセブルス・スネイプを迎え入れる

1979年ハーマイオニー・グレンジャーが産まれる

1980年ロン・ウィーズリーが産まれる
1980年ハリーポッターが産まれる

1981年、ヴォルデモートの手によってジェームズとリリーが殺害される
一方、生き残った男の子として、ハリーの存在がヴォルデモートの力を弱体化。ハリーの額に稲妻の跡が付けられ、魔法界に一時的な平和が訪れる。

映画史における最高の幕開けですな。


1991年
ハリー、ロン、ハーマイオニーはじめ、ネビル・ロングボトムや、ドラコ・マルフォイらがホグワーツに入学する。

1992年ジニーウィーズリー、ルーナラブグッドらもホグワーツに入学する。

大好きな6ショット。


1993年
、御年90歳前後と考えられるニュートスキャマンダーがホグワーツ城内を歩いているのが確認される。(※個人的に大好きだから言いたかっただけ)

『アズカバンの囚人』にて登場する「忍びの地図」に「NEWT Scamander」と書かれた足跡が動いているんですねぇ。本作で初めて魔法動物バックビークなんかが登場していたりもしますが、一体彼はなんの用でホグワーツを訪れていたんでしょう。(にんまり)


1994年三大魔法学校対抗試合がホグワーツで開催される。
ヴォルデモートの力が復活され、不死鳥の騎士団が再び動き出す

セドリックの死を無駄にしてはいけない。絶対に。


1996年
フレッドとジョージがダイアゴン横丁でウィーズリー・ウィザード・ウィーズ店を開く。(※個人的に大好きだから言いたかっただけ2)

1997年、ホグワーツの戦いが起きる。
スネイプの手でダンブルドアが殺される
ハリー、ロン、ハーマイオニーにダンブルドアの遺品が渡り、死の秘宝の存在が明らかにされる。

しれっと言っておきますが、ニュートスキャマンダーと、ルーナラブグッドは遠い親戚です。
のちに誕生するニュートの孫ロルフスキャマンダーと、ルーナラブグッドは結婚しています。
(※詳しくは「血/家系図」にて)


1998年
、ニワトコの杖の所有者を巡って、ヴォルデモートがアズカバンに収容されているゲラート・グリンデルバルトの元を訪れ、彼を殺害する

ヴォルデモートと対峙してもなお笑ってるグリンデルバルドが、
あまりにカリスマ性ありすぎて大好きなんですよね。


ネビル・ロングボトムがグリフィンドールの剣で、ヴォルデモートの分霊箱のひとつであったナギニを殺害する。

ちなむと『ファンタビ』3作目のラストで、ニュートたちとともに、
ナギニもホグワーツに訪れているという激アツ伏線が張られているんだよね。
当時のホグワーツには、分霊箱の方法を模索するトム・リドルがいるはずなんだよ。。。


セブルス・スネイプが死亡し、ハリーが死の秘宝をすべて揃える。

私は終わるときに開く。
何億回見返しても、この伏線回収は鳥肌。


ヴォルデモートを倒し、ホグワーツの戦いが終結する。
ニワトコの杖が壊される。




⑤成熟期

2007年、ハリーはホグワーツ卒業後、魔法省闇払い局に勤め、局長となる。

一方、ハーマイオニーは、ヴォルデモートとの戦いにおいて、ダンブルドアが遺した『吟遊詩人ビードルの物語』の研究を進め、2008年、本書を新たに現代語訳する。
なお面白いのは、前述した副読本『吟遊詩人ビードルの物語』が実際に販売されたのも同じ2008年のことで、新訳著者ハーマイオニーとしてしっかり記載されている。

続く2017年、ハリーの息子アルバス・セブルス・ポッター、ロンとハーマイオニーの娘ローズ・ウィーズリー、マルフォイの息子スコーピウス・マルフォイホグワーツに入学する。

キングスクロス駅。
エモいよね。。。(行ったこともないくせに)

薬草学の教授となったネビル・ロングボトムのもとなどで、様々な魔法を学ぶ。

2020年、ハリーは魔法省で故・セドリックの父エイモス・ディゴリーと再会。そこで破壊されたはずの「逆転時計」が現存していることを知る。

この噂を聞き、アルバス・セブルス・ポッターと、スコーピウス・マルフォイは「逆転時計」を使って‥‥

と展開するが、この話はひとまず割愛しておこう。
気になる方はぜひ『呪いの子』も見てみることをおすすめする。
(友よ、としまえんの次は赤坂集合で良いか??)

いうてこの「逆転時計」も、その出所とかは結構まだ謎のままなのよね。



『ハリーポッター』の世界は、あなたが思っている以上に広大な物語なのだ。。。


⑥これから


以降は物語の外の話にはなるが…
今後の魔法界の予言も少しお伝えしておこう。

日刊予言者新聞のロゴ、怪しさ満点でとても好き。


2025年、ワーナーブラザース傘下のHBO社が『ハリーポッター』のドラマシリーズ制作に乗り出すことを発表している。

原作1冊につき1シーズン、全7シーズンの公開を予定しているようで、映画版で描き切れなかった年代ごとのホグワーツの建築様式の変化、また原作には登場しているものの、映画版では不在となってしまったキャラクターにフォーカスしながら、さらなる物語の拡張を試みているという。

また、未完結の『ファンタスティックビースト』シリーズについても、続報の発表はないままだが‥‥
ユニバーサル・オーランド・リゾート内で2025年より稼働予定のテーマパーク「ユニバーサル・エピック・ユニバース」に登場するアトラクションにおいて、エディレッドメインの再演によるニュートスキャマンダーが登場するらしく、すでに撮影も済んでいるとのこと。

映画シリーズと同じ時空間を共有するテーマパークにおいて、何らか魔法ワールドの続きが見られる可能性もゼロではないという話だ。


以上、かなりの長文になったが、魔法ワールドの物語、その全容であった。



***


血/家系図


いかがだろう。
これでもまだ、氷山の一角に過ぎない話だが、少しでもこの広大な魔法界の面白さが伝わっていたら幸いだ。

なお最後に、『ハリーポッター』の世界において、最も複雑、だが知ると最も面白い「血 ないし 家系図」の紹介をして終わりにしよう。

実はハリーとヴォルデモートも遠い親戚です、
ヴォルデモートとベラトリックスの間には隠し子がいます、
‥‥みたいな話です。

こんなもん作ってる暇があるなら、もっと他のことを頑張れよ‥‥と思われるだろうが、今回この記事を公開するにあたり、遂に『ハリーポッター』シリーズにおける「家系図」をイチから自作してみた。

残念ながら、知りうる情報の全てを載せることはできなかったが、主要なキャラクターの関係性はかなり明確にわかると思うので、よかったらこの頑張り(?)を見ていただきたい。エクスペクト・パワーポイントォ…! ぜひご堪能あれ。


それでは、全国のポッタリアン、および、ともにスタジオツアーに足を運ぶ我が友人よ。
引き続き、素敵な魔法ライフを過ごそうではないか。

これにて、いたずら完了。



***



編集後記


どうも、ひろひろです。
ひろひろのnote史上、断トツの長文記事になってしまいました。
ここまでお付き合いくださった皆さま、本当にありがとうございます。

最後に(あまり日本では話題になっていませんが)昨今の『ハリポタ』事情と、わたしの「魔法界」に対する想いを簡単に綴っておこうと思います。
お時間許す方は、ぜひお読みください。



これは現状『ファンタスティックビースト』シリーズが、実質打ち切りのようになってしまっている状況にも繋がる話なのですが‥‥
実は、原作者であるJ.K.ローリングおよび、「魔法ワールド」に関わる役者陣によるちょっとした炎上事件(?)が起きています。

その主なトピックは「トランスジェンダー」に関する問題です。
内容はかなりシビアな問題且つ、様々な事象が複雑に絡まっているので、必ずしもこれだけではないのですが‥‥
特に問題視されているのは、ローリングがトランス女性の性自認に対し、疑問を抱く人々側を支持し、トランス女性について語る際に頑なに男性代名詞を使い続けている、ということです。

要するに、心と体の性自認が一致しない人々に対して、ローリングは一貫して、体が男なら男、女なら女、という意見を言い続けています。
対してハリー役のダニエル・ラドクリフやハーマイオニー役のエマ・ワトソンは、トランスジェンダーの権利を主張する側に立っており、何十年にも渡って築き上げてきた原作者と役者陣との絆が、どうにも作品の外で壊れかけている…という話なんです。

ちなみにわたしの大好きなニュートスキャマンダー役のエディレッドメインは「どちらの立場につくかという問題じゃない、争うべきはそこじゃない」という意見を述べており、やはりハッフルパフ寮生としては彼の意見に賛成してしまいます。

しかしこれだけ聞くと、ローリングはなんでそんな挑戦的なこと言うんだよぉ、、、と思ってしまうかもしれませんが、彼女は彼女なりに「性を区別することで守られるものがある」という持論を掲げているんですね。昨今は「トランスジェンダー」の性自認に寛容すぎるあまり、性暴力等の不透明さが露わになってきてしまっている、人間の性は2つと決まっているんだから、それを自然の摂理として守る者がいなければ、いつか社会が崩壊する‥‥と訴えているわけなんです。

本当に難しい問題ですが、作品よりも、いち個人の思想や尊厳というのがしっかりと優先されるあたり、さすが海外だなぁと思ってしまいます。


また話は大きく変わって。
これは『ハリーポッター』の世界のみに関わる話でもなく、ディズニーや、ハリウッド全土に影響を及ぼしている一件となりますが‥‥
そんな原作者ローリングの炎上事件の裏では、『ファンタスティックビースト』シリーズで、グリンデルバルド役に抜擢されたジョニー・デップが、元妻アンバ―ハードとの裁判問題に奔走していたりもしました。
またもや作品の外で、今度は役者と制作会社の絆が壊れかけているという話です。

賠償金総額220億円という桁違いの裁判に発展した本件。
ここで問題視されたのは、ジョニーによるDVの被害があったか、なかったか、だったんですね。

もちろんこれも"本当のところ"は分かりませんが、ひとまず結論としてはジョニーの勝訴。裁判が進むにつれ、アンバ―側の嘘がちらほら出始める一方、ジョニー側は歴代の彼女・婚約者が全員集合して「ジョニーはそんなことをする人じゃない」と証言しはじめたところで、ほぼ決着は着いたようなものでありました。

しかし。
先に伝えた「トランスジェンダー」問題ではありませんが、世間はいま絶賛「新しき」に寛容で、「古き」に厳しい状況です。
ジョニーの裁判沙汰が起こった瞬間、実は『ハリーポッター』ないし『ファンタスティックビースト』制作の親元であるワーナーはジョニーとの契約を破棄。続くディズニー、他のブランドや企業も、軒並みジョニーを解雇する動きとなり、遂に彼は「もうハリウッドは信用しない」発言をしてしまっているんですね。完全なる決裂状態。
(そんな中でもジョニーの跡を継いでグリンデルバルドの物語を進めてくれたマッツミケルセンには感謝しかないですけどね。)

よって、原作者は炎上、出演者は解雇、そんな状況が今の「魔法界」であるわけです。
どうにも穿った見方をするならば、そんな背景により新作を作る余裕がないから、ひとまず「スタジオツアー」でも開催して、過去の栄光にすがりながら一旦金儲けでもしておこうか、、、というところじゃないでしょうか。(※ファンらしからぬ発言)

厳しいですが、これが「魔法」のひと言で片付けられない「現実」のお話なんです。


さて、そうした現実の諸問題がある中で‥‥
『ハリーポッター』の物語とともに育ってきたわたしは何を想うかというと、ただひたすらに、それぞれが「愛」のある行動をしてくれればいいと思っています。

ここまで長ったらしく語っておきながらなんですが、「魔法ワールド」のフィクションなんて、正直どうなろうと構いません。所詮は「児童文学」です。いい大人たちが、子供向けの作品に本気になり過ぎてはいけないと、わたしはそう感じています。

しかしながら、対してこんな素敵な作品を生み出してくれる原作者や役者、制作者の人々には、誰も不幸になってほしくないと思っています。
やかましいオタクは、作品の枠を超えて、作り手たちが手を取り合っている様子が垣間見れるだけでも十分なんです。
「グリフィンドール」「ハッフルパフ」「レイブンクロー」「スリザリン」と、相容れない思想を持った生徒たちが、同じ学び舎で過ごしていくその様子に、ダンブルドア校長は「愛じゃよ」と言いました。それは、現実の世界でもまったく同じだと、わたしは思っています。

綺麗事で、クサい言い分かもしれませんが、やっぱりこの世で最も強力な魔法は「愛」だと、少なくともわたしは『ハリーポッター』からそう学びました。

それゆえ、いちファンとしては、今日も「愛」のある行動を心掛けて、日々を生きています。

だからこそ、わたしの大好きな「魔法界」も、再び「愛」溢れるニュースで埋め尽くされることを祈っています。ただ、それだけのことです。

ファンから作者に対して、愛のある言葉を。
制作会社から役者に対しても、愛のある決断を。
寛大で、優美で、和やかな愛のある姿を、どうかまた、不死鳥のごとく蘇ってほしいものです。

幸いこの最強の魔法は、ホグワーツに通わずとも、杖を持たずとも、誰もが使えるものだから、それを信じて、それを求めたいと思ってしまいます。

ちょっと、言い過ぎかもしれませんけれど。笑
そんなところで、編集後記とさせていただきます。

愛じゃよ、みんな。愛じゃ。


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