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2022年1月~6月の短歌
今年はめちゃくちゃ詠めない時期とめちゃくちゃ詠む時期の差が凄かったです。気に入ってるのとか抜いて集めてます(後半はほぼただの記録)
サムネ写真は今年上半期のお気に入り写真です
まずはお気に入りから
恋人とていねいによぶ小雨には折りたたみ傘ゆっくりとさす
(うたの日「恋人」より)
わたしたち初夏の迷子だそこらじゅう真緑なればどこへいけるか
(うたの日「緑」より)
さん付けをあとから懐かしめるくらい助走がほしい名前呼びまで
(うたの日「さん」より)
春風には結び目がある 指先で君がほぐせばすぐにくる夏
(うたの日「結」より)
あみものに寄せた連歌
「この春この街を」
ひとりぐらしも二年をこえてこの春のこの街すこし私にやさしい
梅の香が立ちこめる朝の横道の空をみつめるゴルフの素振り
あとすこしこの街のこと愛せそう杉の木すべて燃やしつくせば
そのアホ毛猫のまつ毛のようだからそっと触れても許されるはず
ブルーハイツの屋上の床は緑だよGoogle Mapで今朝みたところ
背中からベッドにくわれる春昼と机のうえの車校のチラシ
何時どこ?って誰もきかない無言グルあしたはいちおうでかけるはずだ
この街はファンタジーのままあの道の橋より先はトトロの森だ
音はなく口ずさむ歌それぞれのマスクの中のそれぞれの春
その他
ルールとかいらないのかな?はじめてであなたがすべて正解だった
4缶目のストゼロあける
指先のもつれこ
ぼ
れて
恋も
と
かし
て
(銀猫さんのYouTube「限界酒飲み終わ短歌」より)
凛としたヒゲだけのこるあぁ愛しい黒色今日も星のひとつ
(うたの日「猫」より)
ふわふわのタオルと手作りビスケットコインランドリー殺人計画
(うたの日「殺」より)
錆び付いた屋上のグリーン 陽だまりでシーツのようにゆれるかすかに
CoCo壱の年季の入った看板でカレーは日本を置き去りにした
ぽろぽろと言葉が置いてけぼりになる新幹線や飛行機の中
ゆるゆると布団カバーの結び目をほぐして春をすわせてみたり
つよい陽にゆられる私と水たまりあの真っ青な空に旅立つ
我はまた一人になるか滑走路ただ広々と朝日をうける
がらんどうの家には湿度スーツケースの傷の数だけ
みなれない国にじっとり雨のふるまわりの誰もが傘をささない
なき声のおおきく響く機内にてちいさなドラゴンはじめての空
当落がわかったらまずキスをしろチケットぴあの丸みのように
日差しだけ真夏のようだ北風は人工的な冷房の冷え
「大丈夫?」「大丈夫だよ」「大丈夫?地震以外でLINEしていい?」
(うたの日「?」より)
つーつーと触れてもいいか君の腰尾羽のような尾てい骨とか
(うたの日「尾」より)