こーひー

アイコン、ヘッダーは自分で撮りました。Twitterには書かないようなことや詩や短歌など元文芸部/理系大学生

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9月

どの先生たちも「あとは出席点で卒業」と言って、私たちはテストの端に書かれた赤い数字を紙の中に含めて恥にした。夏の終わる香り。うろこ雲はまだ無いし、後ろの友人の手汗は未だ酷いけど。 行っては帰ってくる残暑のせいで銀杏が割れる。割れた銀杏から自分を守るために日傘が必要で、だから日焼け止めは必要がなかった。縦に並んだ社用車。やっとうの涼しさにほっと出る9月の裏切りがペットボトルのお茶を揺らす。誰にも見られないようにLINEを開いて好きと送れば生きていけたさ。幸せの形を雲に求めてる

      • てんしとぼくたち

        • 鼻が曲がってるねと言われた人の手術レポ

          こんばんは。こーひーです。 今月3月3日金曜日に鼻の手術を受けたのですが、どうだったか聞かせて欲しいと言われることがたまにあったので、自分のためにも記録しときます(あと自分がいざ手術するとなると体験談がもっと欲しかった!) 細かい内容に入る前に鼻の手術(3点セット)の内容を書いておきます。全身麻酔下,二泊三日で行いました。 1つ目は鼻中隔湾曲矯正術で、鼻の真ん中の軟骨の曲がりを削ったりなんだりで直すらしいもの。今回のメインです。 2つ目は粘膜下下鼻甲介骨切除術、これは鼻の一

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          ふゆのはるのおわる

          どこかが燃えているみたいだ。香りのしなくなった金木犀がコンクリートを鮮やかにして、私の冬の春がちる。人々が縮こまり震えていて、あなたのなかの熱にふれる。どこかで石油ストーブが燃える。あなたの心臓ももえる。手足がこおりつくみたいだとはいうものの、実際問題こおりついている。わたしの心はずいぶん先に走っていくのに身体だけいつも置き去りになるね。たぶん、きっとあの道の先でだれかが瞬きをする間にまた春がきて、きづけばピンク色の花びらがコンクリートを消し去って、私の春の冬がちる。子どもが

          ふゆのはるのおわる

          2022年1月~6月の短歌

          今年はめちゃくちゃ詠めない時期とめちゃくちゃ詠む時期の差が凄かったです。気に入ってるのとか抜いて集めてます(後半はほぼただの記録) サムネ写真は今年上半期のお気に入り写真です まずはお気に入りから 恋人とていねいによぶ小雨には折りたたみ傘ゆっくりとさす (うたの日「恋人」より) わたしたち初夏の迷子だそこらじゅう真緑なればどこへいけるか (うたの日「緑」より) さん付けをあとから懐かしめるくらい助走がほしい名前呼びまで (うたの日「さん」より) 春風には結び目がある

          2022年1月~6月の短歌

          春色のとうめい

          春色のとうめい

          屋上に梅

          紅梅のあかあかを切り取れませんでした、これは自白で、そのあとわたしは現代の加工技術にハグをして、くらいくらい赤をまことの紅にかえる。なんだかネズミ色の空は真夏のようになりました。時間がたてば自分の罪を忘れて、音を立てて真実へとかわる。ほんものの君を大切にしたいのにいつだって周囲のラブを軸にまわっているよね。錆び付いたグリーンの屋根がみえるような屋上で、春の陽だまりのシーツのように揺れていたい。その屋上は換気扇のすみかで私たちは招かれていないけれど、古くさい加工で撮ればわたした

          起き創歌会#5-冷-

          2021年12月10日(金)、銀猫( https://twitter.com/Ginneko0 )さんのDiscordサーバー「起きろ!!創作の時間だ!!!」にて、5回目の歌会を行いました。現時点で約2000人の創作好きがいる大型サーバーで短歌の風を吹かせるために行っている歌会です。何度目かの参加になる人達の、お題「冷」での短歌をお楽しみください!また、それぞれの短歌へのコメント等いただけましたら、本人たちにも伝えますのでどうぞよろしくおねがいします。 参加者(宣伝など)

          起き創歌会#5-冷-

          ただ1人

          11月22日。並木通りの中にただただ真っ黄色に孤立してる奴がいて、違う日にそいつがビルの隙間の太陽を一心に抱いていたことをしる。そいつは、緑の中で黄色に孤立して、そいつは、黄色の中で寂れていく存在である。12月1日、東京では3年ぶりの20度になって、冬の中で今日という日は孤立していた。道を行く人がジャケットを腕にかけて袖をまくった。地面の枯葉がうっとうしい。そいつは、今日という日は特別だと孤立して、そいつは、来月にはただの記録に成り下がる存在である。 わたしはそれらに同情し

          境界と冬

          ホームシックな気持ちを駆り立てる冬の風が吹いている。いつもならここで鼻の奥が冷たさをしかと感じ取って冬を抱きしめられるのに、そんなことさえ許されないような今朝は、筆でないまぜにされた雲がどこまでも遠くある。まだ行ったことない道の方では、立体駐車場の車がビルの中で浮いていて、さらにこの雲達を遠ざけるから、頭のてっぺんから足の爪先まで私はこの空を愛することしか考えられなくなる。 冬。私とあなたと外界とが遠く遠くなって、はっきりとした断絶を感じる。吹き付ける風は包丁のように硬質に私

          起き創歌会#4-数-

          2021年10月1日(金)、銀猫( https://twitter.com/Ginneko0 )さんのDiscordサーバー「起きろ!!創作の時間だ!!!」にて、4回目の歌会を行いました。現時点で約1800人の創作好きがいる大型サーバーで短歌の風を吹かせるために行っている歌会です。今回は創作サーバー内で行われている夏祭り企画の一貫で行っています。今回から初参加の初心者さんたちと、何度目かの参加になる人達の、お題「数」での短歌をお楽しみください!また、それぞれの短歌へのコメント

          起き創歌会#4-数-

          予告されていたとおり、駅はその言葉通りの機能を残して、工事中の文字の書かれた白幕の内に消えていった。工事用ヘルメットをかぶった男たちが煙草をふかしていて、慣れ親しんだお店たちが、一ヶ月の閉店セールを経て売り物を減らし消えた。駅近くの店も、改修工事に伴って、少しずつ様変わりするのだろう。この街も都会の仲間入りをしてしまうのだろうか。ハイヒールを履いた女性が軽快に階段を降りる後ろで、私はすり減ったローファーの底が滑るから、どうしても、慎重に降りることになる。「あの店で新しいローフ

          ブルーブルー

          雲の切れ間の日光が凄まじかった朝 セミは誰から鳴き出したんだろう 最後の仕上げに花火玉は磨かれて 縁日のためにと金魚は運ばれる 屋台を覆うブルーシートは何よりも青いだろう 朝のことを思い出したみたいに セミが何人か鳴きだした夕暮れ わたしは誰からも嫌われたくないので 花火はひっそりと橋の下でしたのだ 浮浪者たちのブルーシートは何よりも暗かった 靴箱の中で湿気を吸った花火は 何事もなく火を吹いて 線香花火はぱちりぱちりと爆ぜて 川の表層に橙を灯す わたしは煙の匂いを必死に吸

          ブルーブルー

          2021.7-8月

          【青色】 告白の返事を待っている。君のブルーハワイは溶けきっている 胸骨はクラゲのように動きます水中である夜空の中で ブルーグレーの空かき抱き髪結ぶ鮮やかな青い爪をして いる 【夏祭り】 後先を考えすぎて空返事カップから揚げのつまようじは一本 こぶしひとつよりも広めの抜き襟と赤いネイルにAirPods真白 行き場のない花火玉のこと重ねてる窓の外では真夜の雨ごうごう 【移動中にて】 結局は縮尺だろう。ビル街は小さくなって凝縮してる 関係性を希薄にしたいことも

          まわれば

          私のスマホの中。たしかに、たしかにさきほど、ツバメのツンとした影が飛んでいきました。木々の揺れさえスマホに写し取りたくて画面は常に真っ暗にしておこうと思うけれど、スクリーンショットって影は写してはくれないのね。バイパスのうねり、宇宙から見れば私たち無駄に回ってばかりで、くるくる、くるくると、バレエダンサーみたいに踊れたら、いくぶんか重力も軽くなると信じている。電灯は地面につんのめる形で立っていて、絶対に回転なんかできやしないのに、アイデンティティの欠片なく回る。まわる、まわる