
「ヨルガオ殺人事件」 3月5日 日記
ヨルガオ殺人事件面白過ぎる!今日の日記はその話を……
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なのでこのどうしようもない、救いの無い漫画の話は今度しようと思います、最近は漫画をKindleで買うことが殆どなので久しぶりに紙で漫画を買いました。
「webで無料で読めるんだからというせっかく購入するなら紙にするか」みたいな心理が働いてweb漫画なのに紙が売れるみたいなことがあるんじゃと思いました。まぁ自分がそういう理由で買ったというだけの話なんですけど。
ってことでアンソニー・ホロヴィッツの『ヨルガオ殺人事件』を読んだとさ。
多少のネタバレを含むのでこれから読む予定でたまたまこの日記を見てしまった方はお気をつけて下さい。
あのカササギ殺人事件の続編というだけで期待大、いざ上巻を開くと見知った登場人物一覧に「お、今回は作中作じゃなく現実での続きを描くのか」と思ったのも束の間。ピュントの過去作の話題が出たところで「おいおい、これもしかして…」と思ったら案の定、上巻の中盤から作中作がスタート。しかもこれがしっかり300ページ超。
流石に今回は「いや現実の事件解決してからにしてくれ…」と半分萎えながら読み始めた自分を、読み終えた今なら全力でぶん殴りたい。
今回も圧巻の構成と緻密なストーリー、今作でも『この構成』をとる意味をしっかりと示した傑作だったのですが、ここでは作中作である『愚者の代償』の出来の素晴らしさに触れたいと思います。
愚者の代償は往年のミステリーを思わせるような空気感の中で起きる事件は、前作と同じく非常によく練られており、探偵が調査を進めれば進めるほど登場人物全員が怪しい。しかしこの捻りに捻りを加えたような事件を探偵であるピュントは慎重な聞き込みと鋭い観察眼で少しずつおかしな点を集めていき、最後に論理的な思考で『これしかないはずなのに思い付けない』驚きの答えに辿り着く。そこに突然の手の平返しなどのミステリー的にはズルい要素は一切なく、その上ほんとうに序盤の事件には何の関係もなさそうな要素も何一つ欠けてはならない大切なピースだったということに最後に気付かされ、読み終えた瞬間大声を出して部屋を走り回るくらいに最高の読後感でした。
しかもこのクオリティの作品を現実の事件の証拠として成立させながら書くのは本当に天才としか言いようがなく、今後もこの作者の新作が読めることは人類全体の幸福なのだからみんな早く享受しよう!早く!!急げ!
ってことでアンソニー・ホロヴィッツの他の作品を明日にでも買いに行きたい気持ちを、目の端に映る10冊くらいある積み本が咎めるので少し消化してからにします。
オモコロに触発されて肉を仕込んだので、明日も1日頑張るぞい!
それではまた。