【営業の基本】流れを解説!商談の4ステップと各段階でやるべきこと
・営業活動として商談する時の流れを知りたい!
・いま営業として先輩のマネをしながら
なんとなくやっているけど、
なんかトークに自信がない・・・
・顧客の課題とか、どのタイミングでどうやって
聞き出せば良いのかよく分からない・・・
・ココ!ってポイントで何を聞けば良いのかを
整理して結果を出せる営業になりたい!
というセールスパーソンのために商談の4つの
ステップを説明して、結果を出せるセールス
パーソンになるためのポイントを解説します。
この記事を読めば、
・営業商談の4つのステップを理解できる
・各ステップでのポイントが分かる
・商談の準備段階で何をすればよいのかが分かる
ようになります。
なぜならば、ここに書いてあることは、
営業ならば読んでおいた方が良い有名な以下の
本から抜き出した内容だからです。
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[1] 大型商談を成約に導く「SPIN」営業術
https://amzn.to/3c0g3Xy
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でも、実際にこの本を読んだ人の多くは、
SPINという技法の習得に注力しがちです。
(題名がSPINだから仕方ないんだけど・・・)
ただ、僕自身はSPIN技法を習得するためには、
商談のステップと商談規模の違いによる
「やるべきこと」の違いを理解することが
重要と考えています。
ですから、この記事では商談のステップの解説を
メインに、上記の本に以下の2冊を加えた3冊の
本から情報を抜き出してまとめ直してみました。
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[2] 営業の「聴く技術」
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[3] 新しい営業の教科書
https://amzn.to/2zkpLad
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僕自身は営業歴13年です。営業部長になる前は
6年間、担当として営業の最前線で販売活動を
行っていました。その時は個人売上げが
毎年10億円を超えていました。
僕の勤めている会社ではこれくらい売れば
トップセールスです。(担当市場に恵まれていた
ということは正直にお伝えしておきます)
その後、営業部長として15名ほどのメンバーを
率いて7年、個人の売上げは最下位と
なりましたが、プレイングマネージャーとして
チームの連続増収増益達成を続けています。
営業部長になってからは「営業を科学する」
人たちから多くのことを学びました。
この記事もそんな人達から教えてもらった内容を
まとめています。
昔の僕のように
「まずはマニュアルを教えてー!」と
苦労している人の役に立てたら嬉しいです。
1.商談の4ステップと各段階でやるべきこと
■1-1.4段階を紹介
まず、営業の商談には以下の4段階があります。
①予備段階
②調査段階
③解決能力を示す段階
④約束をとりつける段階
この4段階は
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[1] 大型商談を成約に導く「SPIN」営業術
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を書いたニール・ラッカム氏が率いる
ハスウェイト社が調査を行う過程で
定義した内容です。
ハスウェイト社は様々なセールスパーソンに
同行して、結果を出す一流セールスパーソンと
そうでないセールスパーソンの違いを明確にする
調査を行っていました。
その過程でこの定義が役に立ったそうです。
◆
◆①予備段階
◆
本格的な商談が始まる前のウォーミングアップ
のようなものです。
名刺交換や自己紹介がこれに当てはまります。
この段階では「趣味の話」や「売りたい商品の
利点」を話すべき、と言う人がいます。
しかし、最も大事にしなければいけない
ポイントは、この段階の目的は見込み客から
『②調査段階』へ移る同意を取りつけること
です。
要するに「質問しても構わない」という同意が
欲しいのです。
そのためには、以下の点をはっきりさせないと
いけません。
・あなたは何者か?
・なぜ会いに来ているのか?
・質問をしてもいいかどうか?
◆
◆②調査段階
◆
見込み客に質問をしてニーズなどの情報を
調査する段階です。
この調査はセールスで最も大切なスキルです。
ここまでに何度か出てきた「SPIN」という
質問技法の威力が発揮されるのはこの段階です。
特に大型商談(※)においては、この
『②調査段階』でいかに上手に質問をして、
いかに精度の高い情報を聞き出せるのか?
が販売活動の結果に大きな影響を与えます。
※大型商談と小型商談の違いは後ほど説明
◆
◆③解決能力を示す段階
◆
こちらが売りたい商品が、見込み客の問題解決に
大きく貢献できることを示す段階。
「FAB」という言葉をすでに書きましたが、
この『③解決能力を示す段階』で「FAB」の
考え方が役に立ちます。
どんな内容を伝えれば
「効果が得られやすいのか?」を
・商品が持つ特徴(Feature)
・商品の利点(Advantage)
・商品が買い手に与える利益(Benefit)
と分類して分かりやすくまとめています。
◆
◆④約束をとりつける段階
◆
商談の最後に、見込み客から何らかの約束を
とりつける段階です。
商談では、必ず顧客から何らかの約束を
取り付けなければいけません。
それは商品の購入でなくても構いません。
新商品を試してもらうこととか、
上位の意思決定者に会わせてもらう、
というようなことでも良いです。
ちなみに「SPIN技法」「FAB」については、
どちらもボリュームが多いので今は軽く触れる
程度にしておき、別記事としてまとめます。
ここでは商談の4ステップの概要を説明しましたが
「売上額を上げる」には各段階でやるべき事や、
意識するべきことが異なります。
以降で、各段階におけるコツを説明します。
■1-2.大型商談と小型商談を紹介
各ステップでやるべきことや意識するべきことを
説明する前に、商談の種類を「大型商談」と
「小型商談」の2種類に分け、それぞれの違いを
明確にしておきたいと思います。
なぜならば、見込み客の心理(考え方と行動)
というものは、大型商談と小型商談で
異なるからです。
まず定義ですが、ちょっと乱暴に
カテゴリ分けをすると
大型商談 = B2B、組織に販売
小型商談 = B2C、個人に販売
となります。
もう少し具体的に説明すると以下のような
違いがあります。
購入意思決定者:
(大型)複数人
(小型)1人もしくは少人数
購入する商品の金額:
(大型)大きい
(小型)小さい
買い手の失敗のリスク:
(大型)大きい
(小型)小さい
商談の回数:
(大型)複数回もしくは長期間
(小型)1回もしくは短期間
上記のような違いは何となく意識していると
思いますが、自分自身が商談に臨む際は
その違いを明確にしておかなければいけません。
この商談規模の違いによって、「商談における
打つべき打ち手」が変わってくるからです。
■1-3.商談サイズに関係なく共通して大事なポイントを紹介
商談規模の違いによって打ち手が変わると先に
お伝えしましたが、規模に関係なく
「どちらにも共通する大事なポイント」
というものもあります。
以下の3つが、その共通して大事なポイントとして
挙げられます。
『②調査段階』において、買い手が持っている
潜在ニーズをつかむこと
『③解決能力を示す段階』において、自社製品を
使うと「買い手にとってどんなメリットが
あるのか」を説明すること
『④約束をとりつける段階』で商談を前に進める
ための何らかの約束をとりつけること
◆
◆なぜ潜在ニーズをつかむ必要があるのか?
◆
ヒトが「何かを購入する」と決断するまでには、
買い手の気持ちに以下のような変化が起きます。
(1)100%満足しきっている
(2)ちょっとした不平不満を感じる
→潜在ニーズ発生
(3)はっきりとした問題や不満へと変わる
→顕在ニーズ発生
(4)欲求や要望、行動を起こそう、
という意思に変わる
すなわち、潜在ニーズこそが「何かを買おう」
という行動のスタート地点ということです。
そのため、大型商談でも小型商談でも
「潜在ニーズを発見する」ということが重要で、
潜在ニーズを発見できなければどんな販売活動も
結果につなげることは難しいということに
なります。
「潜在ニーズを発見する」ためにやるべきことは
たった1つです。
お客様に質問をして教えてもらう。
ただそれだけ。
とはいえ、質問の種類やそのやり方というものは
あります。それらを体系的にまとめた技法が
「SPIN」です。
◆
◆なぜ自社製品が提供できる利益を伝えるのか?
◆
利益とは顧客の持つニーズ(特に顕在ニーズ)に
製品がどう応えられるかを説明するものです。
逆に言うと、買い手に
「これを買ったらどんな良いことがあるのか?」
を知ってもらうことです。
例えば、以下の会話例を見て下さい。
買い手)「いま使っている装置を
そのまま使える?
データを直接読み込みたいんだ」
売り手)「今のデータを変換無しで
読み込めます」
↑↑↑ 商品が提供できる利益
買い手)「いいね」
この会話例のように、「買い手が解決したい
具体的な問題(顕在ニーズ)を解決する方法」
を伝えることが、利益を伝えるということです。
「あれ?
FABって言ってたのに、なんでB(利益)だけ?」
と疑問を持たれましたか?
実は、特に大型商談においては、F(特徴)や
A(利点)を伝えることは、商談に対して大した
プラスの影響を与えないという調査結果が
あるのです。
今回は重要なポイントについてのみお伝え
したかったため、B(利益)に絞りました。
FやAについての説明はFABについて説明した
別記事(準備中)に書きたいと思います。
◆
◆なぜ何かの約束を取りつけるのか
◆
ハスウェイト社の調査によれば
「商談をする以上、なんらかの形で状況を
前に進むようにしなければ、互いの時間を
無駄にしているだけである」
という考えを持っているのが一流セールス
パーソンの特徴と分かっています。
もちろん、その場で注文書をもらえるという事が
最高の約束を取りつけたことになります。
しかし、注文書でなくとも
・次回の面談の約束をしてもらう
・サンプルの評価を進めるという約束をもらう
など、買い手から「何らかのアクションを
してもらうという約束」を得るということは
商談において必須です。
■1-4.大型商談で大事なポイントを紹介
大型商談で大事なポイントは、商談の4ステップの
『②調査段階』において、顧客にたくさん
質問することです。
質問をする目的は以下の3つです。
・見込み客から問題点(=潜在ニーズ)を聞き出す
・発見した潜在ニーズを顕在ニーズに発展させる
・顕在ニーズを増大させ、そのニーズは
アクションを起こして解決すべき大きな問題
であると認識させる
この質問の重要性はハスウェイト社の
観察結果から導かれています。
ハスウェイト社は別の説得術について行ってきた
調査研究から、セールスで最も重要な
アクションは『②調査段階』で起こることを
予想しこの段階を観察しました。
その結果、商談の成功例では、失敗例よりも
質問がずっと多かったことが分かったそうです。
その理由を彼らは以下のように挙げています。
・質問は買い手をしゃべらせるから
・質問によって相手の注意を惹きつけることが
できるから
・説明では相手は納得しないが、質問であれば
納得するから
・質問はニーズを明らかにすることができるから
では、具体的にどのように質問をすれば
効果的か?は、何度か出てきた「SPIN技法」を
使えば良い、という回答になります。
■1-5.小型商談で大事なポイントを紹介
小型商談で大事なポイントは2つあります。
1つめは『①予備段階』での印象(特に、初対面
からの数分間)が、その後の商談結果を左右する
ほど大きな影響を持っているということです。
逆に、大型商談ではほとんど影響を与えない
ということが分かっています。
ただし、この時の印象が悪かったとしても商談の
悪い結果に直結するわけではありません。
良い印象の方が良い結果につながりやすい、
というだけのことです。
なぜならば、小型商談においては
「買い手と売り手が関係する時間」
が短いから。
例えばあなたが小型商談における買い手である
場合、売り手の態度や口調に気に入らない点が
あると気づいても、商品に魅力的な点
(例:お買い得だ)があれば、購入するのでは
ないでしょうか。
それは「支払いが終われば、この気に食わない
売り手と二度と話すことはないだろう」と
思ったからではないですか?
2つめのポイントは、買い手が潜在ニーズに
気づいてから、その思いが「実際に購入する
というアクションを起こそう!」という意思に
変わるまでの時間軸が短いということです。
例えば、下記のような経験はないでしょうか。
観光地で立ち寄った売店で、地元の有名
サッカーチームのステッカーを発見
↓
かっこ良いなと思う
↓
価格を確認する
↓
店員に「これも」と言いながら渡す
という流れが"一瞬"で起きた、という経験です。
ここから言えることは、「買い手が潜在ニーズに
気づいた」その瞬間をあなたが目撃したならば、
その場で購入を決めてもらえるように一気に
『④約束を取りつける段階』まで駒を進める、
というアクションをとるべきだ、ということ
です。
2.売れる営業になるために必要な5つの研究
営業方法に書かれたいくつかの上位サイトに
共通して書かれているのが
営業は準備が9割!
商談の成功は「段取り八分です」!
など、準備の重要性です。
でも、「実際にどんな準備をすれば良いのか?」
まで言及されているサイトは少ないように
感じました。
私が先に挙げた3つの本をまとめてたどり着いた
結論は、以下の5つの研究が商談準備として重要
になるということ。
この準備が目指す究極のゴールは、
初回訪問時までに信頼関係をしっかりと築く
ということです。
具体的にいうと、アポ取りのメールや電話での
やり取りの間に信頼関係を築くということです。
先に「究極のゴール」と表現したのは、扱う
商品によってはそれが難しいことがあると
分かっているからです。
とはいえ、5つの研究を行うことで
・お客様の「状況」を10通りくらい
・お客様の「問題」を3通りくらい
は言えるようになっておきたいものです。
◆
◆(A)業界の状況、課題の研究
◆
まずは業界の沿革を見ます。
その後にSWOT分析を行い、自社の「強み」
「弱み」、外部環境から見たときの「機会」
「脅威」を見ます。
このSWOT分析の結果が「状況」にあたります。
◆
◆(B)業界の将来あるべき方向性
◆
次に将来のあるべき方向性を考えます。
(A)で見た、業界の沿革を元に、今後その業界が
向かう方向性や到達点を予測し、それが業界の
あるべき姿なのか?を推測します。
もしもあるべき姿と納得できないのであれば、
どうあるべきかを徹底的に考えます。
◆
◆(C)「方向性と現状のギャップ」=「問題」
◆ と「解決策」の研究
◆
(B)で考えた方向性と(A)で明確になった
現状のギャップが「問題」になります。
この「問題」を3つくらい見つけ、それぞれの
解決策案を自分なりに考えておきます。
この自分なりの仮定は、以下のやり取り
のように、アポ取りや商談時のトークに
活かすことができるのです。
売)「最近、新たな事業展開をしていますよね」
買)「そうだけど。(一応、下調べしてるな)」
売)「そうすると、XXという課題を
お持ちかと思います」
買)「なるほど(意外と考えきているな。
やるなぁ。)」
売)「ひょっとすると、
お役に立てるのですが」
買)「ふーん(話くらい聞いてみるか)」
◆
◆(D)商材の研究
◆
商材研究は以下の2ステップで行います。
[1stステップ]
・商材の「特徴(Feature)」を3つ以上書き出す
・1つの特徴に対して「利点(Advantage)」を
最低1つ書き出す
[2ndステップ]
・商材で解決できる課題は何かを考える
・これが「利益(Benefit)」になるので
お客様から、どのような意欲的発言
(顕在ニーズ)が欲しいかを3つ以上書き出す
これは商談の4ステップの第3段階目
『③解決能力を示す段階』で使う
FABの準備そのものです。
◆
◆(E)個別の会社研究
◆
最後に、個別の会社を調べますが、業界研究が
しっかりできていれば5分程度で十分な作業と
なります。ちなみに(A)~(D)には
3時間くらいはかかると思います。
個別の会社を調べるポイントは
・顧客の経歴
・顧客の考え方
・競合他社
・顧客の現状
で、インターネットやパンフレットなどを
活用して調べることになります。
まとめ
とにもかくにも、まずは以下の4ステップを
もう一度思い出し、頭に入れて欲しいです。
①予備段階
→次の「調査段階」に移って質問をしても
良い、という同意をもらう
②調査段階
→SPIN技法を駆使して顧客のニーズを聞き、
更にそのニーズを発展させる
③解決能力を示す段階
→製品が提供できる利益と、ニーズを解決
できるという事実を説明する
④約束をとりつける段階
→発注であれ次回の約束であれ、顧客に次の
アクションを約束してもらう
今回紹介した3冊の本ですが、それぞれの著者が
最も伝えたい内容はおそらく「SPIN技法」
「FAB」で間違いありません。
しかし、まずは僕のこの記事で紹介した
・商談の4ステップ
・大型商談と小型商談の違い
・商談規模に合った各段階でのポイント
・商談前にやるべき5つの研究
を理解しておく必要があると改めて思いました。
なぜならば
・営業初心者なら技法を習得する前に知って
おくべき知識だから
・営業中堅者がSPINやFAB技法を習得するに
あたって整理しておくべき知識だから
→僕はここが整理できてなかったのでSPINの
理解に時間が掛かったのだと思います
です。
さて、文中に何度も書きましたが、SPINとFABに
ついては改めて別記事にしたいと考えています。
記事が完成すれば順次、リンクを文中に
追加するなどしていきますので楽しみにして
頂けると嬉しいです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。