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推し壇から御仏壇について考える
推し活から生まれた推し壇
最近は推し活(おしかつ)が流行しています。
ざっくり申しますと、アイドルやキャラクター、アーティスト、アスリートなどで特定の者のファンとなり、熱狂的に応援する習慣のことのようです。一昔前の方なら●●親衛隊というような考えが近いかもしれません。
そんななかで福岡県で創業し、東京都にも進出している仏壇店、はせがわから若手社員が考案したという推し壇が先日のYahoo!ニュース(西日本新聞社)などで紹介されています。
御仏壇の減少と縮小化
はせがわといえば「お手手のシワとシワを合わせてしあわせ、南無〜」「お仏壇のはせがわ〜」の宣伝で福岡県民にはお馴染みであり、県内のお寺もお世話になっているところが少なくないでしょう。
記事にもありますが、最近の核家族が主流になり、成年は世代ごとに個々もしくはお連れ合いと住むのがほとんどです。また、現役世代は転勤や転職、移住が当たり前のような状況です。こうした社会変容のなか、御仏壇も年老いた夫婦のいる実家にはあるけれど、子、孫、曾孫世代の家や分家にはないというパターンが体感的には少なくありません。つまり、御仏壇のない家の割合が高くなっているといえます。そして、実家に誰も住まず、住んでいた者も亡くなられてから御仏壇を小さいものに替えて子の家に遷したり、分家の第一世代の方が亡くなられてからややコンパクトな御仏壇やモダンな御仏壇を求めたりする事例がよくあります。
このようになると仏壇店では伝統的な製作や修復の注文は減り、人口も減るなかで御仏壇のお求めも減り、技術継承や会計面でも事業継続が困難になるはずです。
そのようななかで開発されたのが推し壇。推し活で大切な推しを奉じるもので、お仏壇というよりは神棚に近い祭壇の形をしています。ほかにもはせがわさんでは生活密着の取り組みを進めていらっしゃるようです。
御仏壇は先祖供養のためではない?
話が行ったり来たりですが、御仏壇のない家が多くあり、どなたかの死をご縁に自宅にはじめてご安置されることが多い状況にあります。どことなく御仏壇=先祖とのつながりを感じられる場所はおろか、ともすれば先祖供養壇のように扱われています。
しかし御仏壇とは文字の通りブッダを安置する壇であります。本来はお寺で手を合わすべきですが、なかなか日常で参るのも難しいなかで、身近なところで手を合わせられる小型出張寺院のようなものです。お寺の内陣をコンパクトにしているのです。私たちは単に亡き方弔うだけではなく、そのご縁を通して仏様の教えに出遇わせていただくのであります。手を合わせていくお仏壇は私の人生の拠り所なのです。
御仏壇は推し仏壇?!
仏様の教えは亡き方よりも、寧ろ残された迷いの中の私達に向けられたものであります。仏様の教えは八万四千の法門と言われるようにたくさんあり、釈迦牟尼、阿弥陀、薬師瑠璃光、大日、弥勒など過去現在未来とたくさんの仏様がいらっしゃいます。そのなかで特に推す・よりどころとする仏様(御本尊)をご自宅のお仏壇の真ん中の奥にご安置するのです。ある意味では本当に推し壇なのです。
私の推しは阿弥陀如来(南旡阿彌陀佛)ですので真ん中に、向かって右にはその本願他力の教えを伝えた親鸞聖人、向かって左には本願寺教団を文書伝道で発展していった蓮如上人をご安置しています。