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オブリビオンと後輩T


オブリビオンの思い出


大学時代、後輩の家で10人ぐらいで飲んでいた時だった。
その時、漫画やゲームの話をするグループと
当時流行ってたモンハンのポータブルをするグループがいる中で
一人黙々と何か別のゲームをTVと向かい合ってやってる後輩Tがいた。
飲み会は2時間か3時間ぐらいだっただろうか
僕はおしゃべりをするグループにいて遠くから視界に映る後輩Tを話をしながら観ていたのだが……


何かをやっている


……正直何をやってるのか良くわからなかった。
ゲームの画面でその後輩は何かを昼夜問わず探している様でもあったし
途中、熊に襲われて死んでもいるようだった。
クエストの様なものが表示されていたのだが
それをこなしているようにも見えなかった。
後輩Tはゲームの中で3時間ぐらい裸のキャラ動かしながら山を登ったり
降りたりしながら何かをやり続けた。


後輩Tがやっていたこと


飲み会が終わった後、後輩Tに何をやっていたのか尋ねた。

「え、山の上から石を落としてそれを拾う遊びをしてたっス。」

僕はそれを聞いてハンマーで頭を殴られたような衝撃を覚えた。
なぜなら実家にいるときゲームは1日1時間だった僕にとって
ゲームをするというのは効率を追求する以外に遊び方を
考えた事が無かったのだ。
初めは、飲み会の最中3時間近くクエストもレベル上げもせずに
一人で黙って只、石を落として拾う遊びは、
あの時の僕にとって狂ってる様にも思えたが
不思議と直ぐに受け入れたいと思えるようになった。

遊び方の変化


後輩Tが遊んでいたゲームはオブリビオンだった。
僕は早速オブリビオンを買ってプレイした。
当時はX-BOX360でやっていたのだがシナリオは全部クリアしたし
アイテムの収集やマップの踏破のような事もやり尽くしはしたが
以前のように効率を重視するようなプレイはやらなくなった。
思いついた遊び方はすぐに試すようにした。
作り込みが素晴らしいオブリビオンは色々な危ない遊びにも応えてくれた。


遊んでいるのか遊ばされているのか


用意された環境やルールを守って遊ぶことは
所謂コスパの良い遊び方かもしれないが
自分で課題の設定が出来れば楽しみは無限大になる。
それは現実でもゲームでも同じことだと思う。
あの時、オブリビオンとあの変わり者の後輩Tに
それを教えてもらえた事は本当に幸運だったと思う。

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