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スポーツ科学研究「恵比寿の巻」

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Sport X Management Lab.がまとめるスポーツ科学関連の学術論文まとめ(百本セット)。
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#幸福感

「人との比較で得られる幸せもあるんだけど、比較しなくても幸せになれる方法があるかもよ」っていう実験研究

みんなそれぞれ「満足を感じる基準」ってのがあったりしますよね。 この基準なんですが「揺れ動く基準」と「揺れ動かない基準」ってのがあります! 揺れ動く基準とは? 例えば、お金!自分の給料が月々30万で、まずまず幸せな生活を送ってたとしましょう。そこで周りの友達が「月々100万かかる生活スタイル」を送っていたとしたら、私みたいな人間は「いいなー、おい!」って感じて幸せが侵される可能性があるわけです。 揺れ動かない基準とは? 一方で揺れ動いてしまう基準というのは、例えば快

トップアスリートは幸せなのか?

皆さんお久しぶりです。更新が滞ってしまって申し訳ありません。 スポーツ選手の世界的な活躍を国としての目標に掲げている国は少なくありません。日本もその国の一つで、実際にオリンピックでより多くのメダルの獲得を目指すというのことも国の政策のひとつとして掲げられています。 そこで本日は、世界の舞台で活躍するようなトップアスリートたちは幸せなのか?というお話です。 過去の研究では、世界で活躍するようなトップアスリートでも、半数またはそれ以上の方たちが精神的に何かしらの問題を抱えて

暇な時間が増えたり、趣味の数を増やすと私たちは幸せになれるのか?

皆さんは、週にどのくらい(何時間)遊んでいますか? レジャー活動(余暇活動=遊び)は人々の幸せに大きく影響するということは過去の研究などでよくわかっています。 例えば、レジャー活動を行う頻度やレジャー活動の質は生活の質(幸せ感など)にポジティブに影響します。 また、理論的にもレジャー活動を行うことは、人生における意義を見出してくれたり、日常生活の困難なことからの休息を与えてくれたり、社会(人々)とのつながりを促進してくれることで人々の幸せ感を高めてくれると説明されていま

アスリートの幸福感向上は、〇〇の気持ちを持てるかどうかにかかっているという話

「スポーツは良いもの」と思っている方々が結構多い中、スポーツがもたらす悪影響は意外と見過ごされてることが多いです。 その中でも、 アスリートは幸福感は結構低いっていう研究結果があります。 特に高いレベルでプレーしている人たちは「まだまだ今の自分に満足できない」 「もっと高みを目指すぜ」って具合に、日々半端ないトレーニングを積んでいるわけ。 こういったガチンコメンタルが幸福感の低下につながっているという見解だそうな! そこで立ち上がったのが、台湾国立スポーツ大学の研究

感謝の気持ちを強く持ってるアスリートほどバーンアウトになりにくいかもという話

子どものころからよく家や学校で感謝の気持ちを持ちなさいって教えてもらいましたが、今日は感謝の気持ちを持っているとスポーツ選手にとってどんな良いことがあるか?というお話です。 過去の研究において、感謝の気持ちを強く持っている人ほど、人生における満足感や幸せ感、心身の健康といった私たちが大切にしたいと思っているものを得やすくなりますよということが分かっています。 こういう研究結果を見ると、私たちが子どものころに自分の親や学校の先生が教えてくれたことって、自分の人生においてもと

遊びとしてのスポーツが孤独を感じている人に人生の目的を与えてくれるという話

以前の記事の中で「孤独」が重大な現代病になりうるというお話をしました!

 なぜなら孤独は、精神的な問題だけでなく、身体面の健康に悪影響を与えてしまうからです。 これは、非常に重要な問題であります。 そこで、以前の記事では、スポーツに参加することが孤独の解決に役立つよ!と紹介しました! そこで今回は、遊び(レジャー)としての運動がすでに孤独を感じている年配の方々のプラス思考、快楽的幸福感や持続的幸福感にどのように影響するのか?ということを大規模に調査した研究を紹介しま

スポーツは世界を平和にする可能性を持っているという話

私たちにとってスポーツと言うと、どこか競い合ったり、プロ選手はたくさんのお金を稼いだりといったイメージがありますが、20世紀に入ってから、スポーツをもっと世の中の発展のために使おうという考え方が浸透してきています。 つまり、あくまでもスポーツは人や社会を発展させたり、変化を起こすための道具だということです。 こういった考え方を「スポーツ・フォー・ディヴェロップメント(Sport for Development:S4D)」または「スポーツ・フォー・ディヴェロップメント・アン

ランニングしてQOLを上げようぜ!ランニングとの付き合い方が大事だぞ!

昨今大人気のランニングですが、研究の世界では「QOLの向上」に良い影響があるんじゃないの?と議論がされ始めております、はい。 こんな疑問の解明に取り組んだのは、米国はテンプル大学の研究チーム。 スポーツ系のプログラムがとっても強い大学でございます。 本拠地はフィラデルフィアです。 綺麗ですが、キャンパスの北部はマジで危険な街です。。。

スポーツイベントでの満足感が人生の満足感を高めるに大切かもという話

近年、たくさんの人が参加するスポーツイベントが注目を浴びています。 例えば、2019年に開催された東京マラソンは約4万人の参加者を集めるという大規模なスポーツイベント(マススポーツイベント)であり、経済効果や運動習慣の推進という意味でも非常に重要な社会的価値を持ったイベントです。 また、スポーツが人々の健康や幸せに大きく影響するということから、東京マラソンのような大規模なスポーツイベントは、住民・国民に対する重要なスポーツ参加の機会として非常に重要な役割をしています!

スポーツイベントで盛り上がった「街の雰囲気」こそが幸せの源なんだよっていう研究

スポーツイベントがもたらす街への好影響は色々ありますが「住民の幸福感」を高める効果が近年注目されています。 従来は、スポーツイベントの経済効果にばかり興味が向いていた訳ですが、どうやら一過性の経済効果だけでは限界がありますよねと様々な国々の街が気づいたようです。 結局最終的には「経済効果」なんだけどとは言うものの、 スポーツイベントを誘致する街の最終的な興味が「経済効果」であることに変わりはありません。 じゃあ、どうして住民の幸福感に着目するの?って言う話ですが 住民

レジャー活動(遊び)が休息の質と仕事のパフォーマンスに与える影響を調べた件

私たちも年を追うごとに、年々疲れが取れにくくなってきていて、昔は少々夜更かししても全然余裕だったのに...なんて感じる今日このごろです。 でも、まだまだ若いので頑張れるぞ!ということで今日はレジャー活動(遊び)が、休息の効率を高め、仕事のパフォーマンスを高めてくれるかもしれないという話。 レジャー(遊び)と仕事のパフォーマンス以前の記事(幸せになりたいならよく遊べ!)でも紹介したようにレジャー活動(遊び)がもたらすポジティブな効果というのはいろいろわかってきてるのですが、

オリンピックと幸福感ーロンドンの大規模データが教えてくれたこと

オリンピックに限らずですが、様々なスポーツイベントを街に招致する際、 どれくらい経済効果があるのー?っていう話題はよく耳にしますよね。 経済効果はもちろん大切なんですが、少し違う角度からもスポーツイベントの価値を考えてみましょうよ!というトレンドがあります。 その中でも「住民の幸福感」という切り口は、研究の世界では現在最も人気トピックといっても過言ではありません。 そこでロンドンスクールオブエコノミクスを代表とする英米仏の共同研究チームが、「オリンピックは招致した都市の

強みを伸ばす指導こそがパフォーマンスとエンゲージメントを高める?コーチやリーダー、部下を持つ人は必読!!

皆さんは、指導している選手、部下、また、会社や組織のパフォーマンスを高めたいと思いますか? では、効率的に(科学的に根拠のある方法で)パフォーマンスを高める方法があるとしたらどんな方法でしょうか? インセンティブ(ご褒美、報酬)?罰を与える?恥をかかせる?君には力がないと思わせる?などですか?少なくとも私たちが昔から受けてきた指導はそのような指導でした。 では、本当にこういった方法はパフォーマンスを高めるのか? 私たちが行った研究からも言えることですが、答えは「イエス

年を取れば取るほど幸せになるかもという話。若い人ほど他人や環境のせいにしすぎ?

私たちもいよいよ、年齢的にいいおっさんになってきたわけで、年々体の衰えを感じているわけですが、歳をとると、体のあちこちが痛くなったり、病気をしやすくなったりして、「若かった頃は…」なんて思うわけですが、今回は年を取ると精神的に成熟して、より幸せ感を感じられるようになるかもというお話です。 感情経験と幸せ人々の幸福感というのは、日々の感情経験に大きく影響されます。 感情経験というのは、簡単に言うと、どれだけ、好き・楽しい・面白い、満足感などの前向きな感情と不安や落ち込み、イ