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【感想81】悪い子バビー

200HELLある3,4日目が出社日だってことに気づいて慌てて肉集めしながらアニメ見てます。明日の仕事中にコソコソ貢献度稼がないともうタイミングがないし、またキツイ日程だって直前に気づく羽目になってる。

他人に勧めやすい ★☆☆☆☆
個人的に好きか  ★★★★☆

人間賛歌のような内容ではあるけれど、胸糞とか鬱とは別ベクトルのキツイ雰囲気が強い。
ロードムービーではあるんだけれど、終盤までは成長して~…のような要素が一切なく、どうして見捨てられるのかが徐々に理解させていくような救いのなさがロードムービーの魅力と真逆を行く見せ方としてビジュアル的にも内容的にもついていける人がかなり絞られてくると思う。

35年間監禁された状態で生きていた男があるきっかけから外の世界に出ていく一部始終を見守る映画。

バビーは母親から徹底的な監視を受けていて、教育は一切受けられていないのは勿論として身体を拭くのはお互いにやらせたり性処理すら息子を利用していたりと、自由意志を欠片も持てないような人生を送っている様子をじっくり見せられる。
 ここでなぜか帰ってきた父親(当然クズ)に気味悪がられていたぶられるどころか、父親に加担するように母親もバビーを虐げ始めるのが結構きついシーンの1つ目。バビー自身が抵抗したり悲壮な顔を見せるどころか、何が起こっているのか理解できていない様子なのが一層見ている側に精神的負担をかけてくる。

この家庭内での虐待シーンはわかりやすい胸糞カット、ていう印象で見てたので「ま、そんなもんッショw」と舐めていたけれど、この後の外に出た後からが個人的にはキツかった。第一象限の放物線関数みたいに後半がずっと同じ温度感で淡々と見せてくるのが猶更きつかった。

たいていの人が行う対人間のコミュニケーションが一切できない、聞いたことのあるフレーズの録音と再生しかできないっていう部分が大きな障害になってくる。
 なのでみんな呆れたり使いつぶしたと思ったタイミングで捨てられては拾われてを繰り返していくので、自身で放浪してというより身を任せて流れている様を見ているって意味では『EO』のあの感じが一番近いかなと思った。ちょこちょこと笑い声が聞こえるようなシーンはあったけれど、人によっては笑い声が聞こえてくる=より苦しく感じるような場面なので要注意かもしれない。
 例えばバビーの父親が母親に対して口説き文句として日常的に言っていた、身内以外に言うとセクハラの度をギリ超えるようなセリフを初対面の女性への会話の始まりとしてなぞって喋っていくシーン。相手の乳を鷲摑みにしながら言うので尚更ヤバさが際立つ。バビーが話すときにはこんな感じの空気感と言葉選びがずっと続く。


一応辿り着くのは立派なハッピーエンドではあるんだけれど、歪な欠け方をした二人がたまたま綺麗にハマったので現状幸せです、というように別に何かが好転したり改善されたわけではないってところは肝になってくると思う。
 一応1994年公開の映画ではあるけれど、現代でも通じるような受容の物語でもあるので今公開する意味があるんだろうなぁ、てぼんやりとは思った。もう公開している劇場は少ないけれど、機会があったら見てほしい一本。

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