すいぱん

見た映画と読んだ本の感想。あとたまに日記。

すいぱん

見た映画と読んだ本の感想。あとたまに日記。

マガジン

  • 映画のあれこれ

    映画の感想

  • 本のはなし

    読書感想文(半分嘘)

  • アニメのやつ

    アニメの感想

  • イベントレポ by OB

    • 1本

    声研OBによるライブやトークショーなどのイベント振り返りレポートです。不定期更新予定

  • オタク語り by OB

    • 2本

    声研OBによる一押し作品や声優について語っていただきます! 不定期更新予定

最近の記事

【感想151】動物界

 久々に見ている間もゾクゾクしてるぐらい面白かった。 徹頭徹尾、人間と動物との境界を探っていくお話で、身体が明らかな怪物の姿へ変貌する受け入れ難さと他人・動物それぞれに対する視線の違い、様々な側面をもって考え抜いていく。 問いかけでもあるし提示でもあるけれど、これが一人の人間の物語として完成されているからこそ響く映画なんだと思う。 他人に勧めやすい ★★★☆☆ 個人的に好きか  ★★★★★  フランス映画なんだけれど、想像以上に直球の隠喩をはじめとした表現がよく見られた。

    • [感想21]「好き」を言語化する技術

       今年出版された本でトップ3に入るオススメしやすい本だな、と思った。 全体を通してかなりライトな語り口調で、小難しい原理もなく構成されているおかげもあって、個人的には普段本を読まない人に薦めるにはこれ以上の本はないぐらいの位置づけ。  とは言うけれど、本としてはだいぶ酷い内容だと思った。 具体的な話は後述するけれど、スルスルと読めてしまう代わりに情報量の密度が小さい。なので何度も読み返したり、じっくり読む必要がないレベルの内容を買って手元に置きたいか?ていうのが購入するとき

      • 【感想150】ノーヴィス

         『セッション』とは一味違う、才に恵まれなかった人の狂気を堪能できるいい映画。これが監督自身の体験も織り交ぜられている、ていう情報抜きにしても、出来ないことを努力一本でトップに躍り出ようとする執着を見せ続ける映像はかなりの恐怖体験になった。 他人に勧めやすい ★★☆☆☆ 個人的に好きか  ★★★★☆  やっぱりイザベル・ファーマン演じるダルの内面をフィーチャーしている時間はずっとゾクゾクするし、面白い。 全編通して暗い景色・場所で展開されていたり、特に周囲の音が遠巻きにな

        • [感想20]生殖記

           直近の朝井リョウ著作は読んでいたのでこれも早めに購入していたけれど、手早く読んでよかったな、と思うぐらい満足する面白さだった。  『正欲』に続いて打ち出すマイノリティ視点、からさらに突飛な語り手として、性器(生殖に関与する器官)の意思、という概念存在が一人称として物語が展開される。 『コンビニ人間』から広がり始めた、マジョリティからかけ離れた人間の生態に触れる小説として良い話を読めたな、と思った。  語り手の設定が巧いなと思ったのは読み進めてからで、それもこの語り手が宿

        マガジン

        • 映画のあれこれ
          165本
        • 本のはなし
          21本
        • アニメのやつ
          28本
        • イベントレポ by OB
          1本
        • オタク語り by OB
          2本
        • ドラマのはなし
          2本

        記事

          【感想149】ヴェノム:ザ・ラストダンス

           『モービウス』『マダム・ウェブ』をはじめとしたSSUはだいぶ評判が悪い。そんな中でもようやっとる、の範疇で『ヴェノム』シリーズが続いてきた理由が詰まってると思う。  先行上映がDolbyとIMAX限定だったので都合がついたIMAXで見たけれど、これはIMAXの恩恵はそこまでなかった気はするかなぁ 他人に勧めやすい ★★★★★ 個人的に好きか  ★★☆☆☆  6年間続いたエディとヴェノムのバディ物語としてはとてもいい結末になった。 アメコミシリーズではポストクレジットで

          【感想149】ヴェノム:ザ・ラストダンス

          オタク(普通名詞)には目を通してほしい話

           勧められてた『虎に翼』を見れなかった代わりに、今月から始まった『おむすび』から朝ドラを見ることにした。 もともと地元を舞台にした『マッサン』の存在だったり、祖父母の家に住んでいた高校の数か月だけながら見していた作品だったり、全く馴染みがないわけじゃなかったので、これもいいきっかけだと思って始めた。 出社する日ならちょうどリアルタイムで見れる時間帯だから、見てから家を出るサイクルをしたい。とは思いつつも、身体の正直さに勝ることはないので毎回できずに家を出てる。  出社した理

          オタク(普通名詞)には目を通してほしい話

          【感想148】ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ

           この映画の悪いところは前作『ジョーカー』の良いところとDC作品という建前をすべて剥ぎとっているところで、だからこそ見た時にコレスゲェな、面白いな、と終始前のめりになっていた。 映画として退屈だ、と言われるけれど別にそういうこともなく、ただアーサー・フレックという人物の内面から湧き出るイマジネーションから大衆が面白いと思える映像を生み出すことができないから致し方ない。という断り方で封殺できてしまう。 ちなみに、個人的には『ジョーカー』があんまり好きじゃなくて、今作でオッええや

          【感想148】ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ

          【感想147】ふれる。

           面白い面白くないの前に、ひどいの一言に尽きる。  約20年近くを共に過ごしてきた島育ち3人が、痛みにも向き合うコミュニケーションを知り始めていく。という物語とはいえ、3人以外は舞台装置としか言えない存在だし、肝心の終盤の展開では気持ちが動かない。  なんだけれど、時折挟むシーンでとてもいいところはある。本当に歪な評価をしてる映画になってしまった。 他人に勧めやすい ★★☆☆☆ 個人的に好きか  ★★★☆☆  物語中盤までに仕組まれたロジックはかなりいい。 最初のシー

          【感想147】ふれる。

          【感想146】ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ

           案外楽しめた。 アクションシーンが多めになった甲斐もあるけれど、敵役を演じる池松壮亮の洗練されたアクションと人物そのもので魅了してくる。かつひと癖ある会話シーンは健在で、シリーズの持ち味をちゃんと出しつつ演者や場面、話がより豪華になってる。 良くも悪くも、いつも通りの『ベイビーわるきゅーれ』にはなっていると思う。 他人に勧めやすい ★★★★★ 個人的に好きか  ★★★☆☆  今作のMVPは池松壮亮。それぐらい、冬村かえでという人物の味が濃くていつまでも擦れるぐらい魅力あ

          【感想146】ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ

          【感想145】シビル・ウォー アメリカ最後の日

           めちゃくちゃアメリカを描いていて難しいかもしれないけれど、見て損はない映画。  ロードムービーのような始まり方するけれど、描くのは主要の4人ではなく内戦が終盤を迎えたアメリカ国内の惨状とアメリカ人たちの非情さ。 それにあてられていく記者の4人がどういった末路を辿るのか、内戦はどのような結末を迎えるのかは見てのお楽しみということで。  後々になって一番響いたのはかなり序盤に出てくる街での一幕で、言ってしまえば現実逃避として内戦そのものをないものとして生きている人たちが出て

          【感想145】シビル・ウォー アメリカ最後の日

          【感想まとめ6】7~9月に見た映画のオススメ

           夏アニメも見ていたのは完走しました。『菜なれ花なれ』がワントップです。 秋アニメは『魔王2099』激励アカウントとして活動します。ラインナップのうち、だいたいが原作を読んでいたりしてるせいでアニメに対して感情をフルコミットさせるのは無zかしいな、と思ってるだけなんだけれど。 インサイド・ヘッド2 名実ともにピクサーのキラーコンテンツに上り詰めた。 やっていることは大した目新しさもないし、ライリーの物語自体もなんてことはない、普通の女の子のあるある話でしかない。 けれどヨロ

          【感想まとめ6】7~9月に見た映画のオススメ

          【感想144】SUPER HAPPY FOREVER

           今年イチ、というより邦画トップクラスのアンビエンス映画。  じっくりと情景と人情を味わっていき、その答え合わせがされる。 しかも答え合わせ自体が野暮な存在なはずだけれど、何に対しての答え合わせなのか、ていうところに気づいた途端に愛おしい存在に変わる。 なんとなく好きなタイプの映画そうだ、て思ったらここから先のことは読まずに見に行ってほしい。 他人に勧めやすい ★★★★★ 個人的に好きか  ★★★★☆  やっぱりこの映画で象徴されるのは「カップラーメンでこんなに幸せに

          【感想144】SUPER HAPPY FOREVER

          【感想143】ぼくのお日さま

           ちょっといろんな部分をはぐらかされたって気持ちが大きい。 確かに目に映るものの美しさはここ数年の映画において桁違いの強さを見せるけれど、それに伴うほど物語が美しいとも言い切れない。 他人に勧めやすい ★★★☆☆ 個人的に好きか  ★★☆☆☆  序盤に提示される3人それぞれの視線の先が異なるシーンがピークに感じてしまった。 タクヤはさくらに、荒川はタクヤに、さくらは荒川に、と三者三様に異なるニュアンスの目線を向ける。  この歪で繊細な3人の様子を眺めていくかと思いきや、

          【感想143】ぼくのお日さま

          【感想142】がんばっていきまっしょい

           副業である声豚としての責務を果たしてきたけれど、想像してたより一手上をいかれた面白さをみせられた。 松竹の力の入りようがずっと気になってたので、どうなのかなとは少し心配の気持ちもあったけれど、いちアニメ映画として純粋に面白かった、て自信持って言えるぐらい良い。 同じ3DCGベースって意味でも『MyGO!!!!!』のアニメがストーリーの感触としては近いと思う。そこから描写面で利点をフル活用してくるので、劇場アニメとしての特権だなと思わされる。 他人に勧めやすい ★★★★☆

          【感想142】がんばっていきまっしょい

          【感想141】ナミビアの砂漠

           上げたハードルを悠々と飛び越えてきた。 舐めてかかっていたのもあるけれど、等身大の若者の描き方や、消費社会が取り巻くどうしようもなさに無抵抗な姿といった、大多数の人が自覚や言語化をしきれていない嫌な空気を突き付ける作品として、これ以上研ぎ澄まされたものは当分出ないと思わされる完成度。 河合優実の実力で隠れてしまいそうだけれど、男女関わらず身に覚えのある厭らしさと向き合わされること覚悟で見ないといけないかもしれない。 他人に勧めやすい ★★★★★ 個人的に好きか  ★★★★

          【感想141】ナミビアの砂漠

          日記(2024/09/11)

           特に今週は残業が長引かないものの、夕方の時間に電池が切れたように意識が飛んで夜になってることが多い。 特に業務の質も量も変わってない気はするけれど、体力勝負でどうにかしてた大量の単純作業がほとんどだった先月から、コーディングの基礎知識も合間に勉強しながら振られた課題を対応していく必要がある頭脳勝負の作業が目立つようになってきたので、HP消費からMP消費になってることに気づいてなかったせいなんだと思っておく。  古戦場走りながらいろいろやる。今日も1周1分半ぐらいしか手を空

          日記(2024/09/11)