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【感想22】恋人はアンバー

 冬服を調達するために出かけはしたけど、新しいアウターが欲しくなるだけだった。今のところ踊り場のスウェットしか増えてないし、パーカーもあんまり質感良いものがないからちゃんとした奴が欲しいから喫茶店で呑気に本読んでる時間を服や見て回る時間に回したい。
GUも見るには見るけれど、これ10着買うなら1着いいやつ買ったほうがいいじゃろ...ていう立派な高級志向に育ったのはめんどくさい感じになっちゃったなって思う。

1990年代アイルランドの保守的な田舎町を舞台に、期間限定で恋人のふりをすることになったゲイとレズビアンの高校生を描いた青春映画。

アイルランドで同性愛が違法でなくなってから2年後の1995年。同性愛者に対する差別や偏見が根強く残る田舎町で暮らす高校生エディは、自身がゲイであることを受け入れられずにいた。一方、エディのクラスメイトであるアンバーはレズビアンであることを隠して暮らしている。2人は卒業までの期間を平穏無事に過ごすため、周囲にセクシュアリティを悟られないようカップルを装うことに。性格も趣味も正反対の2人だったが、時にぶつかり合いながらも悩みや夢を語り合ううちに、互いにかけがえのない存在となっていく。

映画.com『恋人はアンバー』より

マジで笑顔になっちゃった。


見る前に見てほしい話

 上のあらすじ2行だと半分ぐらいニセコイだけど、着地点や道中はニセコイより上質だしずっとまともだから見てて心地よかった。
こういうのは結局嘘が真実になって…というような、所謂理解ある彼君みたいな存在になりあうのが多いけれど、この映画はそういったお互いのかけた部分を満たしあうようなことは是としないメッセージになっている。

 あとかなり下品な表現がストレートにやってくる。20世紀末の高校生なだけあって校内で乳を揉むとかその程度で終わらない。
ハリーポッターでスネイプが学生時代受けてた虐められ方を思い出すとわかりやすいかもしれない、あれぐらいパンチの効いた下ネタをそこらじゅうで聞こえるような感じ。学校の性教育でもビデオでセックスする映像を教習ビデオ感覚で流すぐらいだし、エッチなのが好きな人は最初の30分間はずっと笑顔で入れると思う。俺も高校1年ぐらいの時の人格が蘇ってずっとニコニコしてた。

 実は今年下半期の映画だとトップ3に入る好みにドンピシャな映画で、恋愛というより一個人の特性にフィーチャーさせているような映画なので一人で見に行くのも、誰かと見に行くのもオススメ出来ます。



見た後に見てほしい話

 お互いのかけた部分を満たしあうようなことは是としない、ていうのは正直めちゃくちゃ良い見せ方で〆たな、て思いました。
アンバーは外に出たいと思っていたのが外に出なくても満たされるようになって、エディは内の世界で認められる為に藻掻いていたのが外に出て自分を認めるようになって、とそれぞれ真逆に進んでいったのも好きなところの1つ。

 あとは「本当に付き合おうよ」て言い始めたのは人によって嫌な捉えられ方されそうで怖かったけれど、2人の違いをセクシュアリティ以外でも見れる部分であって、エディにとってもそれぐらい居心地がいい相手が出来たんだと見れるのでかなり大事な部分だと思います。
付き合うことに明確な見据えていることの差が出ているのはいいっスね。友達の延長として見たエディにとってはこの上ない相手だと思うので、見た人でただただ面倒な突っかかり方してくる人がいないことを祈るのみ。

 エディのように内心気づいている違和感がマイノリティなんだとはっきりと自覚して、マジョリティに迎合しないで生きて行けるのはある意味今の時代は楽な感じはします。
「なんだかこう、考えさせられるねぇ~」と同じ回で見ていた2人組の漏らした歯切れの悪い言葉はよく覚えています。こういう作品を見ていろいろと輪郭ハッキリとさせて考えられていると、今まで見てきたエンタメや経験はいいものに出来ていたのかなって思えるきっかけになるから。

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