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【感想35】グッドバイ、バッドマガジンズ
引越し後の回線が9割自分のミスで遅れたおかげでめちゃくちゃ書きたい感想が溜まってきた。
成年誌の出版社勤めになった新卒女子を中心に展開する史実ベースのお話。
五輪誘致によるコンビニからの撤退決定から始まり、モザイクかけ忘れたまま出版したニュースの話とかの割と見覚えのある話題もあったりと何となく身近な空気もある。
『SHIROBAKO』みたいなキラキラしたお仕事物でもなく、斜陽産業にいる人たちから伝えられた現場の事実をお笑い風味に脚色しつつ展開されるので訴えたい事実がちょっと退屈に感じる人がいるかもしれないけれど、それを含めて魅力的に感じる。
『MONDAYS』ではコミカルに忙殺されているブラック社員を一描写として描いていたけれど、ここでは事実ベースの話なのもあってネタの一種というよりすでにある事実の一つとして見せられている感じがあったのでより生々しい居心地悪さのほうが勝っていた。
やるべき事をやっているうちに自然と会社の色に染まっていく様を見ることになるし、淡々と結果を見たうえでちょっとした面白が出されるのでその時は笑えるけれど、思い返すと残酷だなと振り返れてしまう苦々しさもある。
あとは邦画であんまり得意じゃない「テレビタレントのオーバー演技でなんか面白そうな空気がある気がする」ていう絵面がなくて、会話のテンポも返しの仕方も好みっていうのは滅茶苦茶心地よかった。
アニメ見てる声優顔面大好き君だし性格上「知ってる人だから物語にのめり込む障害になる」て事はないけれど、入り込むハードルが低いのはありがたいし面倒な性格でも白ける場面がほとんどないのは映画館っていうクローズドな空間で見ている時間ではだいぶありがたいもんです。
終盤に出てくる着地用のテーマ提起のおかげで最後までノリノリになれるか賛否は分かれそうではあるけれど、インディースの良いところが詰まっているし人に薦めやすい一本だなと思っています。
特にこの映画はAV女優が何人か出ているので、見た後に誰出てたかわかった?なんて話をするのも面白いかもしれないです。