【感想56】ゲット・アウト

『NOPE』を見てからジョーダン・ピール監督作だし見ようと思って1年過ぎようとしていた手前、何とか見るタイミングが出来た。
お…おもしれェ~~~!てエンドロール直後に唸るぐらいには面白かった。

人に薦めやすい ★★★★☆
個人的な好み  ★★★★☆

週末に恋人のローズの実家へ過ごしに行ったアフリカ系黒人のクリス。
ただ異様に黒人に寛容的な歓迎を受ける中、ローズの家族と付き合いのある人間は白人がほとんどであったり、数少ない黒人はみんな様子が異様であったりと、不審な部分が多い。
そんな住宅街の異様な空気の正体とは?ていうのが大まかな話。


言われていた通り、人種差別についてかなりストレートに扱っているな。ていうのがよくわかるし、その扱いも上手に使っているなと思った。
ホラーとは一言で言ってもいろいろなホラーがあるけれど、この映画は驚かせたりグロテスクな描写とかで怖がらせたりとかとは全く違うタイプの怖さがある。
ローズ一家を筆頭に、黒人に対する配慮がクリスも苦笑いするほど表面を触ったような言葉であったりと心の底から関心を寄せていないのが伝わる感じがある。
これも終盤に気づくことではあるけれど、要は本心では白人>黒人の意識が強い(というより当たり前の事実だ)と思っているので一癖ある差別主義者による迫害の図式にもなり得る構図になっている。

描写についてもめちゃくちゃよく考えられてるなと思った。
序盤から中盤にかけて見られる不審な点も、終盤の答え合わせからこういう事だったんだな、というのがわかるのでもう一回みてちゃんと確かめたくなるぐらい練り込まれてる。
ゴア描写は控えめ。だけれどそれを若干ぼやかしつつも、事実上直接的に観客に見せる方法であったりと気を抜いてはいられないシーンはあるので注意は必要かも。


ホラー映画でよく感じる、あらすじが3/4を占めている実質ほぼネタバレいた状態から見始めるのが好きではないんだけれど、数多く出る伏線に近い要素のバラマキやそれに対する答え合わせの仕方もすごくいいなと思うし、それが面白さに繋がってるので本当に上手いなとしか言いようがない。
『M3GAN/ミーガン』にも出ているアリソン・ウィリアムズの演技も終盤の種明かしと同じぐらい驚かされるので、いろいろと見どころたくさんのホラーで勧めやすいなと思う。

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