【感想109】ゴールド・ボーイ
面白かったけど、おススメするほどか...?て悩むラインなのが正直な感想。
元のシナリオが結構面白いことしてるだけあってジャパナイズのされ方が好きじゃない路線だったのと、あんまり劇伴も合ってるとは言えないせいでテレビドラマのスペシャル版見てるみたいな気分だった。
でもそこらの邦画よりは面白いんで、冷やかしで行くラブロマンスよりはいいっすよ。
他人に勧めやすい ★★★★☆
個人的に好きか ★★☆☆☆
たまたま岡田将生の殺人現場を目撃した厨房トリオがそれをネタにゆすろうという作戦から大きく話が動くクライム映画。
うち1人が切れ者で、そいつと岡田将生の睨み合いが注目ポイント。
だと思ってるんだけれど、単行本2冊を2時間尺に収めているのもあってあんまり登場人物の味が濃くない。
シナリオ部分も取りこぼさないように描こうという気概はあるんだろうけれど、どんでん返しとのような展開が急転するポイントを描くときに出てくる情報が事務的な間隔とテンポで繰り出されるので驚かされるというより振り回される感覚が近いかも。微積を解ける中学生とか、何が突き動かしているのか不透明過ぎた岡田将生とか、考察しちゃうもんねぇ!て言いたくても映画単品だと仄めかされる情報が薄過ぎて話の筋を楽しむしかないのも相まって好きになれなかった。
だいぶ口コミで言われてる面白れぇ!て声も、だいたいはシナリオ言及なだけあって繰り広げられてることはマジで面白い。
ちゃんと今までの発言が後半から真意が汲み取れるようになることや、結末の展開もしっかりと未熟さの無自覚に対する罰を示すものだったり、ラストシーンの締め方も元の話はめちゃくちゃ面白いわな、と感じ取れる。
そんなラストシーンにも泥を塗るエンドクレジットも含めて、致命的にセンスがねえなっていう感想に着地するぐらいアレンジが微妙なので冷笑筋がモリモリとパンプアップしております。
これは俺自身がそういうテイストの演出にアレルギーを持ってるのが8割ぐらい悪いけれど、もうちょっと良い見せ方してくれる監督が増えてほしいよ。