トーハク三昧
遠征2日目は朝から東京国立博物館です。横尾忠則寒山百得展と、特別展やまと絵を見て、その後は総合文化展を見尽くそうと思っていました。
まずは横尾忠則さんを見に表慶館へ向かいます。
横尾忠則さんが寒山拾得を独自の解釈で再構築した「寒山拾得」シリーズの新作101点の一挙初公開ということで、とても楽しみにしていました。寒山拾得は霊地・中国天台山を背景に生まれた伝説的な人物で、古くから画題として描かれてきたものです。寒山は経巻を持ち、拾得は箒を持つというのが伝統的な描かれ方のところを、横尾さんは経巻をトイレットペーパーに、箒を電気掃除機に持ち替えさせたりして非常に自由自在な寒山拾得を描いているのです。
例えばこんな感じで、もはやどちらが寒山で拾得なのか分からないものもあります。
何故かファン・ゴッホが登場していたり
MEANINGLESSと書いてあることですし、あまり考えずに寒山拾得の世界をふわふわと楽しめば良いのかなと思いました。
これらの作品群はコロナ禍のステイホームの時期に描かれたもので、すべての作品のタイトルが日付になっています。五輪がテーマになっているものもあったりして、そうだった、コロナ禍にそういうこともあったと思い出しながら見るのも良いかなと思います。
寒山百得の次は特別展「やまと絵」を見るために平成館へ。
やまと絵、って何だろう?日本で描かれたものの全てがやまと絵というわけではありません。中国の由来の画題で描かれたものは唐絵、漢画などと呼ばれますが、そういった理念や技法を取り入れながら日本のものにしていった、という流れが分かるような展示の流れでした。
例えば物語絵(源氏物語絵巻など)、寺社の縁起絵巻、山水屏風など、その範囲は幅広く展示数も盛りだくさんでした。平安時代のやまと絵成立期の王朝文学との関連、国宝の四大絵巻を始めとする絵巻物の数々、鎌倉時代の似絵に始まる肖像画の写実的な表現、そして室町時代へ。作品数が多いのと混雑で見終えたら2時でした。
そこからお昼を食べて、ですから総合展示を「見尽くす」のは無理だなと思いました…。
特別展の関連展示として、本館では「近世のやまと絵」「仏画のなかのやまと絵山水」という特集展示をやっていて、そちらも是非見なければと思っていましたので本館をぐるっと全部見ました。実は私は本館を歩くのが得意ではなくて、全部見切ったかどうかが分からないのです(方向音痴なもので…)。今日も、「これで全部見たかも。」と思いショップを覗いてちょっと歩いたらまだ見ていない部屋があったりしましたので、たどり着けなかった部屋がまだあったかもしれません。
本当は、まだ行ったことのない黒田記念館を見たいと思っていたんですよね…。とてもじゃないけど見る時間がありませんでした。特別展を見ずに、朝から総合文化展だけ回れば見られたかもしれません。そのくらい、トーハクは広く大きくて「見尽くす」のは難しいのだと実感しました。
東京遠征はこれで終わりです。東海道新幹線が止まったようですが、影響を受けることなく無事に帰り着けました。