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神護寺ー空海と真言密教のはじまり

東京国立博物館へ行き創建1200年記念特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」を見ました。初の東京日帰り遠征を試してみました。朝、少し早めに家を出て新幹線に乗り東京へ。

平成館入口

今年は空海の生誕1250年ということと、空海の関与した両界曼荼羅(高雄曼荼羅)の修理完成ということもあり、空海関連の展示が続いています。空海は日本で初めて密教を日本にもたらした人で、関連する寺院はとても多いのですね。神護寺は、唐から帰国した空海が入京して初めて入った寺で、金剛界灌頂、胎蔵灌頂を行ったそうでそうした資料もありました。

高雄曼荼羅は奈良博の空海展でも(2回通って)胎蔵界と金剛界どちらも見ていますが、今回は金剛界の方が展示されていて奈良博とは違ったアプローチの展示で面白かったです。奈良博の展示では、曼荼羅の世界の意味するところを丁寧に説明し世界観を見せていく展示でしたが、今回の東博は曼荼羅に描かれた図像に関する資料を多数見せてくれていて、白描の図像集や曼荼羅の摸本の展示がとても良かったです。特に摸本は金泥で描かれた図像が華やかでキラキラとしていて、高雄曼荼羅が制作された直後は煌びやかな大きな曼荼羅に皆が圧倒されたのではないかと思いました。
また、紺紙金字一切経もとても美しくて、金色という色の迫力というか訴えてくるものがあるというか、その効果を分かっていて使っていたのかなとも感じました。

フォトスポット
二天王立像

神護寺の寺宝である仏像も見ごたえがありました。国宝の薬師如来立像は厳めしい表情ではあるものの、その立ち姿は優美で優しげでもあり、脇侍の日航菩薩と月光菩薩も美しかったです。

会場を出てショップでお買い物をして、残り時間を本館の日本美術の展示に使いました。特別室で「没後100年・黒田清輝と近代絵画の冒険者たち」をやっていると聞いていたので、見るのを楽しみにしていました。

エロスとサイケ ラグーザ玉筆

特別展神護寺を意識した展示も結構あり、特別展と違って総合文化展の方は多くの展示の撮影がOKになっていますので撮影をしながら見て回りました。

紺紙金字大般若経 平安時代

上のような紺紙金字大般若経、密教の守護神である十二天を描いた作品など、特別展の復習をするような展示で面白かったです。

伊達与作せきの小万 夕照
葛飾北斎

浮世絵の部屋では北斎の特集をやっていて、若い頃のものから亡くなる直前のものまでが並んでおり、上の写真は可候の落款のもので(宗理時代かな)珍しいなと思いながら撮影しました。
北斎関連で娘の応為の肉筆もあり見られて良かったと思いました。

クリームぜんざい

暑かったので冷たいデザートをいただいたりもして、最後は東洋館でイケメンの菩薩なども見て終了しました。

菩薩交脚像

東洋館はかなり面白くて、ガンダーラのあたりの仏像のお顔がギリシャ彫刻の影響を感じさせられたりもして大陸の文化というのはボーダーレスなんだと思います。

株主優待で東博の友の会に入ったので、あと2回特別展を見ることができます。秋に行われるはにわ展を見に行こうと、今から楽しみにしています。

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