無知警察と、デブは甘え論

人の無知による間違いを見ると、鬼の首を取ったようにあげつらい、馬鹿にする者がネットには多い。
彼らは「教養」というワードを好むが、それは人を攻撃する武器として使用される。

そんな彼らや、彼らを持て囃す風潮に対する疑問点が色々ある。
例えば、「デブは甘え」と言い切る人間は多い。
しかし、太る原因は本人の甘え一択ではなく、薬の副作用などで太る人間もいる。
また、太りやすい体質も存在し、逆に痩せているからといって甘えてないとも限らない。(現に私は、好き勝手食べていても太らない体質だ)
そんなことは調べればすぐにわかることだ。
これぞまさしく無知だろう。

しかも、無知の中でもより悪質な、人に迷惑をかけるタイプの無知だ。
太ってる＝怠け者と決めつけ、馬鹿にしたり叩いたりすることを正当化している。
なんと愚かな行いだろうか？

しかし、こういう迷惑な無知は、なぜか他の無知ほど馬鹿にされていないような気がする。
真面目に丁寧に訂正する投稿はあっても、普段のようにあげつらう投稿がバズったりしていないような気がするのは気のせいだろうか？

漢字の読み間違いや言葉の誤用より、よっぽどこちらの方が人に迷惑をかけているのにもかかわらずだ。
無知警察の方々は、こういう誤解を与えて差別を正当化する無知こそ取り締まっていくべきだと思うのだが。
疑問だ。疑問すぎて腹が立つ。

しかし、よくよく考えれば当たり前かもしれない。
無知警察と、デブは甘え論者の行動原理はおそらく同じだからだ。

デマやフェイクニュースなどの元になるような悪質性のある無知は、間違いなく正されるべきであり、馬鹿にされてもおかしくないと思う。

馬鹿にした方が抑止力にもなるのかもしれないが、無知警察の方々は過剰に馬鹿にしているように見える。
真面目に無知を訂正して注意喚起している投稿があっても、そこに群がる無知警察はリプや引用で、嘲笑とマウントを嗜んでるものだ。

無知を正したいだけじゃなく、人を馬鹿にしたいという欲望が文章に滲み出ているのである。

また、「デブは甘え」と大きい声で喧伝する者達も、デブを馬鹿にしていることが多い。

デブは甘えだから馬鹿にしても良い、馬鹿にされても文句を言えない
という用法で使われている。

自分が人を馬鹿にすることを正当化する為に、その言葉を支持しているのだろう。

そう、両者とも人を馬鹿にして見下すことが大好きなのである。

だから、無知警察が「デブは甘え」などの、人を馬鹿にするための無知は、あまりあげつらわず見逃すのではないだろうか？
と私は考えた。

いや、単純にルッキズム界隈と教養マウント勢は、微妙に層が被っていない説
薬の副作用などの理由が排除されそうな程の大食い肥満だけをデブと呼んでいる人にとっては、デブは甘えが真理に感じるから説
なども自分の中にはあるが。

そもそも、どちらの人種の行動も私は理解できない。
まず、無知を馬鹿にするより、知識を共有する方が世界のためになると思う。
誰にでも無知はあるのだから。

あと、無知警察が一番大好きな言葉の誤用叩きに対しては、
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/誤用
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/日本語の誤用
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/日本語の乱れ

を見てからやってほしいと思う。

また、デブが仮に甘えだとしても、馬鹿にする必要はない。
デブだから何が悪いのだろうか？
健康に悪い？じゃあ馬鹿にする前に「健康の為に痩せた方が良いと思う」と言えばいいだろう。
それぐらいの礼儀すら怠るなんて、それこそ甘えでは？
まあ、相手の健康は本当はどうでもよくて、馬鹿にしたいだけなのが見え見えだが。

人を馬鹿にして笑うことは、相手の心をひどく傷つけ、精神疾患やストレス性の病気に追い込む可能性がある危険行為だ。
それこそ相手の健康に悪い。
ただデブとして生きてる人間に比べ、そうやって自分勝手に人を馬鹿にして人々の心の健康を奪う人間の方が、よほど悪質で甘えていると思う。
(気にする方が悪い？傷つく方が悪い？それは感情を持つ人間をやめてロボットになれということだろうか？SNSをやめればいい？私はあなた達みたいな攻撃的な人にこそSNSをやめてほしい)

そもそも、昨今は「50kg以上はデブ」という価値観が一部で広がってるぐらい、異常な痩せ信仰が広まりつつある。
BMI18を下回らないと細いとは言われない、拒食症や貧困で痩せこけてしまった体型が可愛いとだけ言われる、どう考えても異常な時代だ。
そんな時代の「デブは甘え」論は、他人を飢餓状態に追い込む危険思想に加担しているのである。

結論
人を馬鹿にする行為は、無知よりもデブよりも甘えていて他人に迷惑をかけていて、何よりも悪質なのである。

人を馬鹿にする必要はない。
無知はただ正せばいいし、デブにはただ健康を促せばいい。
それを拒否されたら、議論するなり諦めるなりすればいい。
余計な棘で、人の苦しみを増やさないほうがいい。