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シーシャの煙には味わいがあるの?フレーバーの種類とお気に入りの香りに出会う方法
はじめまして。ライターの水村桃夏(もも)です。
今月のテーマは「フレーバーを旅する」。さまざまなシーシャの香りとの出会いは、まるで一期一会の旅のよう。
今回の『SWAY magazine』では、フレーバーの種類やお気に入りの香りの見つけ方をご紹介します。
「シーシャの煙には、味わいがあるの?」
「どんなフレーバーがあるんだろう」
そんなシーシャ初心者の疑問を、ラウンジSWAY 渋谷松濤・スタッフの清野陽向さんにお聞きしてきました。
清野陽向 / シーシャプレイヤー
2021年よりSWAYにて勤務。SWAY 渋谷松濤の現店長。シーシャ歴は4年。
もも / インタビュアー・ライター
高校を卒業後、言葉や書くという行為に魅了されたことから、ライター活動を始める。現在は個人ブログ「PEACHY mode」を運営しながら、対談形式のインタビュー記事やオタク気質を武器にしたコラム記事などを手掛ける。
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煙を味わうってどういうこと?シーシャの味とは
- 今回は「フレーバー」について伺います。以前「シーシャを深める」をテーマに連載をした際にも話題に上がっていましたが、まずはシーシャのフレーバーとはなにか簡単に教えてください。
清野:シーシャとは、タバコの葉を燃やして発生した煙を、水に通してから吸うもののことです。葉っぱを糖蜜や香料で味付けすることで、煙にも味がつきます。これがシーシャにおける「フレーバー」です。
シーシャは中東で生まれたものなのですが、最初は葉だけで水たばこを楽しんでいたので、今のような味はなかったそうです。はじめてたばこにフレーバーを付けたのは1910年ごろで、水に潜らせたりんごジャムで味つけしたことがはじまりといわれています。
いまSWAYでも提供しているようなフレーバーが世に出回るようになったのは1990年ごろのことですね。
- そもそも、煙を味わうとはどんな感覚なのでしょうか?煙といったら、お香のように「香り」を楽しむもののイメージがあるのですが、本当に味がするものなのか気になります。
清野:味は本当にしますよ。フレーバーによって味が違うことも繊細に伝わってきます。これは料理やスイーツと同じことですね。
味覚でも嗅覚でも楽しむことができるのは、シーシャの魅力のひとつだと思います。
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- なるほど。フレーバーの種類は全部でどのくらいあるのでしょうか?
清野:フレーバーの種類はSWAYに置いてあるものだけでも150種類以上で、本当にたくさんの種類があります。
「アップル」や 「バニラ」といった単体のフレーバーはもちろん、すでに複数のフレーバーをかけ合わせている「ミックス」もおいているので、これからもどんどん増えていくと思います。
- 150種類以上ですか!これだけ多くの種類を取りそろえるSWAYであれば、単にいろんなフレーバーを味わうだけでなく、味の濃さや深さなども楽しめますよね。味を決める要素は、糖蜜や香料の種類以外にもありますか?
清野:味つけする前に葉を洗うかどうかも、風味を決める要素です。洗ってから糖蜜や香料につける「ウォッシュド」はシーシャならではのやさしさを感じますし、洗わない「ノンウォッシュド」はより本格的なたばこっぽさが味わえます。
ちなみに、フレーバーを作っている会社によっても味は変わってきます。たとえば同じ「グレープ」でも、風船ガムのようなグレープとワインのグレープはまったく違いますよね。
そのためSWAYでは、お客さんのイメージするグレープ風味により近いものをセレクトできるように、香りのテイスティングコーナーを設けたり、ヒアリングを詳しく行ったりしています。
自分たちが試したものしか提供しません。シーシャラウンジ SWAYの、フレーバーへのこだわり
- それだけ多くの種類があると、覚えるのもお客さんに満足してもらうのも本当に大変そうです。どうやって味を把握しているのでしょうか?
清野:味は体験してみないとわからないので、SWAYのスタッフはとにかく試すと同時に、フレーバーの特徴を言語化してデータベースにまとめています。
すこし前には、5週間かけて約60種類のフレーバーを試すこともしました。入ってきたフレーバーを覚えながら新しいフレーバーを探すので大変な作業ではありますが、シーシャが好きなので続けられています。
ちなみに、SWAYの新人スタッフがシーシャを提供できるようになるまでは約3ヶ月から半年以上はかかります。
データベースがあるとはいえ、お客さんの要望に合わせたシーシャをお出しするには、多くのシーシャを試して、あたまの中でペアリングができるようになる必要があるからです。
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- 見えない努力があって、フレーバーの提案ができるようになるんですね。SWAYでは、自分の好みや気分に合わせてシーシャを組み合わせてもらえると聞きました。シーシャのブレンドとはどのような作業なのでしょうか?
清野:葉っぱの分量や組み合わせを考えて、お客さんが求めている味を作るのがスタッフの使命ですね。
フルーツミックスのように、ぜったいに合う味を足して作るフレーバーもあれば、意外なフレーバーをかけ合わせて相乗効果を生みだすものもあるので、やはりより多くの味を把握することが大切です。
- いまの話を聞いていて、シーシャのブレンドはカクテルを作るのに似ているのかなというイメージを持ちました。
清野:たしかに、カクテルに似ていますね。「このフレーバーをベースにアレンジしてほしい!」という人もいれば「この雰囲気を出してほしい」という要望を伝えてくれる人もいるので、一人一人に寄り添ったシーシャを作ることは意識しています。もちろん、ミックスはせずに単体で味わう方もいますよ。
シーシャで味わうことができる、フレーバーの種類
- データベースを見ていて驚いたのですが、「マンゴースムージー」や「チョコレートケーキ」などの変わり種もあるんですね。ちなみに大きくカテゴリーを分けるなら、どのようなカテゴリーに分かれますか?
清野:むずかしい質問ですね。たとえば5つに分類するのであれば、
・「フルーツ系」
→バナナやスイカ、パイナップル、グレープフルーツなど
・「ミント系」
→ミント、メンソール、レモングラスなど
・「フローラル系」
→ローズ、ラベンダー、ジャスミンなど
・「スパイス系」
→シナモン、チャイ、ナツメグ、クローブなど
・「デザート系」
→チョコレート、バニラ、キャラメル、ヘーゼルナッツなど
といったところでしょうか。名前からおいしそうなデザート系から清涼感のあるミント系まで本当にさまざまです。最近では、ボムシェルと呼ばれるヒノキの香りや、お香のようなシーシャも人気です。
- 食べもの以外の「味わい」を感じることができるのも、フレーバーの面白さですね。特に人気なのはどのフレーバーでしょうか?
清野:やはりフルーツ系は人気ですね。親近感があるので手が出しやすいですし、実際、イメージ通りの味であることがほとんどなフレーバーなので、初めてシーシャを吸う方には僕らもおすすめしています。
もちろん、他に気になるフレーバーがあるのであればそれを試してみるのが一番なのですが。
お気に入りのシーシャに出会うコツ
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- これだけ多くの組み合わせがあると、本当に迷ってしまいますよね。初めてSWAYにきた人でも、より自分好みなフレーバーに出会うためにはどうすればいいか、コツを教えていただきたいです。
清野:基本的には、「吸ったときの感想がイメージしやすいフレーバー」をベースに選ぶことをおすすめします。
当たり前のように聞こえるかもしれませんが、フルーツが苦手ならフルーツ系は選ばないほうが良いですし、反対におかし系の甘い香りが好きな方にはシーシャのフレーバーでいう「チョコレートケーキ」のような味のミックスもきっと気に入ってもらえるかと思います。
一方で、無限大の可能性を楽しめるからこそ、すぐに「一番のお気に入り」にたどりつくわけではないというのもシーシャの魅力だとも考えています。
僕がシーシャラウンジで働いている理由も、極めれば極めるほど奥が深くておもしろいところや「終わりがない」ところに惹かれているからだと思います。
シーシャラウンジSWAYで、お気に入りを見つける旅に出かけよう
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シーシャには「なんとなく」暗い印象があり、自分には縁がないものだと思っていました。しかし今回の取材でフレーバーの豊かさや選ぶ楽しみを知り、シーシャの新しい側面に出会うことができました。
また、今回のテーマは「シーシャを旅する」ですが、さまざまな国を巡りながらお気に入りの場所や価値観を見つけていく感覚は、シーシャのフレーバーを試すことに似ていると感じました。
一度体験するだけでなく何度も回数を重ねるうちにお気に入りが見つかるのは、旅にもシーシャにもいえることですよね。
次にSWAYに行ったときは、スタッフさんの力を借りてフレーバーの組み合わせを楽しむ旅に出かけてみたいです。
All photos by 相沢亮
「SWAY」
“Sway between _____s.”
あいまいを味わえる場所
住所:東京都渋谷区松濤1-26-2第33イチオクビル2階
アクセス:渋谷駅 徒歩8分 / 神泉駅 徒歩3分
営業時間:14:00-24:00
電話番号:03-5790-9870
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