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【超短編小説】募金ロマキャンダッシュ
血塗れの拳をコートの裾で拭ってから財布から千円札を一枚抜いて箱に投げ入れた。大学生は虚ろな目でそれを見ていた。犬が鼻を鳴らして鳴いた気がする。
コンビニで現金を使う事が無くなってから、久しく募金をしていないと思う。ここ数年であの小さい募金箱に小銭を入れた記憶が無い。おそらく募金額も減っているはずだ。
誰かがこの小銭で救われるのならそれでいい、と言う小さな祈りが募金と言える。
そして会計時に余った小銭を募金箱に入れる。それに対する抵抗は無いはずだ。
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