法界とイデア世界の違い
昨日の
仏法僧の三宝の発想
に関連して
法界とイデアの違い
を考えました。これは西洋文明と、私たち日本文明の、根本的な違いです。
つまり古代ギリシャの哲学者プラトンが提唱し、20世紀の社会学者、マックス・ヴェーバー等にも影響を与えた
イデアの発想
は、西洋文明では
神の世界に近い
とされています。しかしながら、その世界はあくまで抽象的・理想的なモノであり、そこから得る知識は、演繹的に前提から必然的に導き出されたモノです.マックス・ヴェーバーは「理想的な犯罪者」という表現をしましたが、人間の一面を切り取って、その機能だけで考えるのが「イデア」を用いた、西洋文明的な思考法です。
しかしながら、大乗仏教の教えでは
仏が作る法界
は具体的な世界です。そこでは、生き生きとした人間が存在します。それぞれに個性があり「十界互具」という風に、地獄の中にも仏の力を見ます。つまり「犯罪者も人間で仏の心もある」という発想です。
こうした法界を作り
その中に棲み込む
ことで、仏自身も色々と見いだし、自らを成長させることが出来るでしょう。
以下の記事も参考にしてください。
世界を造る立場になる|鈴木良実
仏になって法界全てを観る|鈴木良実