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文庫クセジュ「エピステモロジー」を読むために

白水社の文庫クセジュ「エピステモロジー:エルバ・バロー著、松田克進訳」は、フランスの見方に少し偏っていますが、科学の認識についての議論が行われています。私たちは、このような議論に触れることが、一見の価値はあると思います。

この本は

進歩が科学の本質的条件の一つである以上
科学はつねに進展しつつある

と言う立場をとります。しかし、これは個人の進化ではなく、社会環境の進化です。また

    常識という基底
      科学的知識は挟まれている
    社会的・文化的・倫理的環境という実践的外皮

と言う立場です。

このエピステモロジーの基本原理は

  1. 常識の概念図式は、科学者の私的生活だけでなく、研究作業中にも存在する

  2. エピステモロジーは科学の歴史的発展から決して分離できない

です。例えば、アリストテレスは

慣性の原理を認めない

形で自然学を作りました。これはガリレオ以来の近代物理学で、否定されましたが、多くの自然物の動きは、推進力を与えないと止まります。

これを

アリストテレスが能力的に劣っている

と言う進化論的発想で見るのではなく

人間の注意をそれまでと違った方向に導く
一連の社会的・技術的・文化的な諸条件で成立

と見ています。

このような姿勢で、この本は書かれています。

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