青写真2 #青写真 #シロクマ文芸部 #小説
青写真を表示したガラケー。
ピンクのキラキラしたデコレーションと
ガラケーよりも大きいぬいぐるみ。
画面には『青池』が写っていた。
元カレと行った時、
天気が凄く良くて
綺麗に写っている青池は、
透けて池の底までハッキリと見えた。
数年後、夫と『青池』に
行った時は
天気が悪くグレー色の沼だった。
まるで、今後の事を
案じているかのように思った。
自分の下腹部を撫でる。
新しい生命の誕生。
夫に子育てが出来るのか
不安だった。
グレー色の青池のように
私の心もどんよりとしていた。
娘が私の事をママ!ママと
呼ぶ事を夫は複雑な表情で見ていた。
私は母乳を飲ませるだけで
子育てをしたのは夫だった。
忙しいのに、子育てまで
夫は完璧にこなしていた。
だからだろうか、
乳離れをしてからも
私を呼ぶ娘を無理矢理抱き上げ
テレビの前に座らせたり
幼稚園の勉強をさせたりと
私から離した。
だんだんと娘も
私の事をママと呼ばなくなった。
引っ越しがすんで
ガランとした部屋。
「そろそろいいですか?」
声をかけられて、私は頷いた。
立派に子育てをしてくれた夫
立派に育ってくれた娘。
難産の後遺症から
2歳の娘の誕生日を待たずに命を失った私。
ずっと地縛霊としてここで
二人を見守っていた。
元カレから告白され
夫になり、父親似なった貴方。
ありがとう。
私は、天井裏にガラケーを置き
案内人と一緒に
青色の空へ向かった。
※
『青写真』で
なんにも浮かばないまま
締め切りになってしまいました(笑)
やっと書けたので
投稿させていただきます♡
※
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