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オーディオブックじゃなかったら最後まで行けなかったかな?面白かったけど。:読書録「スノウ・クラッシュ」

・スノウ・クラッシュ【新版】
著者:ニール・スティーヴンスン 訳:日暮雅道 ナレーター:茶川亜郎
出版:早川書房(audible版)

「サイバーパンク」は映画とかアニメだとスッキリくるんですが、どうも小説の方は…。
「ニュー・ロマンサー」には何回かチャレンジしてるんですが、未だ最後まで読めたことがありません。
その苦手意識があって、本書も手に取ったことがなかったんですが、「メタバース」絡みで再び評判になってるところに(結果、「新版」で再販されています)、audibleの対象になってるのを見かけて、聞いてみることにしました。

…結果、かなり面白かったw。
ただしオーディオブックじゃなかったら、最後までお付き合いできたかどうかは「?」です。


21世紀のアメリカでは、国家は崩壊し、多国籍企業や犯罪組織が領土を分割統治している。
主人公のヒロ・プロタゴニストは、日中はピザ配達員として働き、夜は刀を掲げてメタバース(仮想現実世界)の情報ウォリアー(戦士)として活動しています。
ある日、ヒロは「スノウ・クラッシュ」と呼ばれる新種のドラッグがメタバースと現実世界の両方で流行していることを知る。
このドラッグは、プログラマーの脳に重大な損傷を与える機能を持ち、ヒロの友人も侵されてしまう。
ヒロは、ストリートの特急便屋Y.T.と元恋人と共にこの謎を解明しようとします。彼らはやがて、古代のシュメール文明の言語と神話がスノウクラッシュと深く関わっていることを発見し、その裏にある巨大な陰謀に対峙することとなる…


1992年に発表された作品であるにもかかわらず、未だ現実世界をリードするアイディアに溢れた作品…というか、この作品に刺激されてネット技術が開発されてきた、ってのもあるかな?
「メタバース」なんかはまさにそう。
まあ、未だにMetaの技術はそこに至ってないけどw、
「こう言う方向性に向かいたいんだろ〜な〜」
ってのはなんとなくわかります。
「レディープレイヤー1」とか、「サマーウォーズ」とかも、同じ方向を見てますわね。


この「メタバース」と、大企業群とマフィアとが群雄割拠する現実世界とを主人公たちが自在に行き来する姿は実に魅力的。
これに刺激されるのはよく分かります。
中盤、シュメール文明をキックに、<言語/宗教/ウイルス>による洗脳技術の歴史の話になって、ここが「スノウ・クラッシュ」というドラッグに繋がってくるんですが、この壮大な大風呂敷も楽しいです。
まあ真面目に読んでたら時間かかって仕方ないんで、ザッと聞き流して気分を味わっただけですか。
そして終盤にはメタバースと現実世界での大活劇。
ド派手な展開に、ひねりの効いたラストが締めます。

まあ、正直言えばヒロと敵役のレイブンの「因縁話」とか、レイブンとY.Tの唐突なロマンスとか、
「どゆこと?」
展開もあるんですが、物語全体のうねりの前には些細なことにも思えてきます。
あれやこれやいろんなことが突っ込まれてるんで、そこら辺に踏み込んだらいつまで経っても終わらないしねぇ。


でもまあ、ちょっと「読む」のはしんどいかなぁ。
多分いろんなところに引っかかっちゃって、前に進めなくなってたと思います。(で、放り投げちゃうw)
よ〜わからんけど、面白そうだから先に行くか…って感じでオーディオブックでドンドン先に行っちゃうって言うのが、僕の付き合い方としては正解だったと思います。
それで「読んだ」と言えるのかどうかはまあ、あるけどw。



AmazonPrimeかどっかでドラマ化が進んでいるのかな?
お金さえかければ、面白いモンになるかも。
ちょっと楽しみです。

#読書感想文
#スノウクラッシュ
#audible

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