「われらはレギオン」ほどのぶっ飛び具合はないです。:読書録「シンギュラリティ・トラップ」
・シンギュラリティ・トラップ
著者:デニス・E・テイラー 訳:金子浩
出版:ハヤカワ文庫(Kindle版)
「われらはレギオン」シリーズの作者による、ノン・シリーズ作品。
シリーズの第4部を読んで、改めて面白かったんで、単独作品の方も読んでみました。
環境汚染で地球が疲弊している時代。
一攫千金を狙って宇宙採掘に賭けたコンピュータ・エンジニアが、エイリアンの仕掛けた罠にはまって…
という展開。
シンギュラリティを超えたAI勢力と、集団知性的な進化を遂げた勢力とがせめぎ合う宇宙世界があり、その狭間で人類が絶滅の危機に瀕する…って大風呂敷が広げられている中w、エイリアンに<寄生>されたエンジニアが、仲間たちと連携をとりつつ、宇宙軍の圧迫をかわしながら、人類の危機を回避するために奮闘します。
まあ、ストーリーラインは「スペースオペラ」なんですが、主人公のエンジニア気質が淡々としたユーモア感をもたらす辺りは「レギオン」シリーズに通じるものがあります。(主人公にとっては事態は相当に<悲劇的>なんですけど)
そこがこの作者の「味」でもあるんですがね、
正直言って前半の展開はちょっとまどろっこしいかな?
主人公がエイリアンと<同化>して<対話>するようになってからの展開は怒涛で、チート(w)なんですが、そこまでがちょっと「間延び」する感じ。
総じてテンポの良い作家なので、ちょっとココは残念でした。
続編を書くことができなくもないオチではありますが、それをやっちゃうと、<ボブヴァース>に近くなっちゃうかな?
あっちの方も、「こっからどうすんねん?」って感じにもなってますがw。
個人的にはもう一つあるらしいシリーズ作品の方を読んでみたいです。
…そこまでの人気はないのかしらん。
#読書感想文
#シンギュラリティトラップ
#われらはレギオン
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