15作目にして、安定した面白さを維持しています:読書録「真夜中の密室」
・真夜中の密室
著者:ジェフリー・ディーヴァー 訳:池田真紀子
出版:文藝春秋(Kindle版)
「リンカーン・ライム」シリーズ第15作。
もう「安定感」には全く心配がない…というか。
ディーヴァーについては「どんでん返し」がトレードマークみたいなモンですが、本作もそれは「大前提」として、ストーリーを錯綜させることで、物語の密度をグッと高めています。
どんな鍵も突破して侵入する「ロックスミス(解錠師)」
リンカーン・ライムの分析結果を法廷で覆したマフィアのドン
フェイクニュースで陰謀論を解く謎の人物
扇情的な報道でのしあがって来たメディア王とその一族
選挙を目前に控え、世論に翻弄されるニューヨーク上層部
様々な人物、色々なストーリーが絡まり、進行し、「どんでん返し」を繰り返しながら、最後の<謎解き>に向かっていく。
リンカーン・ライム&アメリア・サックスのコンビに加え、証拠分析と捜査を行うファミリー的なチームは相変わらず。
そこに新たなメンバーも加わり…
ってな感じでしょうか。
個人的には前作(カッティング・エッジ)よりも楽しませてもらいました。
もともとリンカーンは先端技術に積極的ですが、本作ではZOOMを活用した、一歩進んだ捜査手法も見せてくれますしね。(作品世界をコロナは襲ってないようですが)
シリーズはまだまだ続く…。
ということですが、別シリーズの「コルター・ショウ」の方はドラマ化も進んでいるとか。
そういえばリンカーンの方もドラマ化って話なかったっけ?
ショウの方に切り替わったのかなぁ。
(追記)リンカーンのドラマ版は作られたようですが、評判は今ひとつだったようです。
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