一枚上手の兄貴…ってのはホームズっぽいw:読書録「ファイナル・ツイスト」
・ファイナル・ツイスト
著者:ジェフリー・ディーヴァー 訳:池田真紀子
出版:文藝春秋(Kindle版)
「コルター・ショウ」シリーズ第3弾。
殺された父親が追いかけていた「陰謀」を巡る3部作のラストとなります。(シリーズは続いていますが)
父親が追いかけていたのは、
「環境汚染やドラッグ汚染で地域環境を悪化させ、安く土地を買い叩いた後に再開発で高騰させる」
…という大掛かりな「地上げ」。
それを実行していた企業に殺されるわけですが、この企業の親会社のトップは更に大掛かりな陰謀を仕掛けていて…というのが本書の背景になります。
父親の死の真相を追いかけるうちに、更なる陰謀に気づき、その「証拠」をめぐって、「宝探し」やら「鬼ごっこ」やらが展開します。
その最中に別の「懸賞金」事件も手がけて…っと、なかなか忙しい展開にもなります。
本書の最大の「売り」は失踪していたショウの「兄」が登場することでしょう。
どうやら政府の裏組織に属している兄は、父から教えられたサバイバル技術・哲学をショウと共有しつつ、ほんの少しドライで冷酷なところもあって、ショウとは違ったアプローチを見せたりもします。
そういやシャーロック・ホームズの兄マイクロフトも政府の役人で、シャーロックよりも優秀…って設定でしたね。
オマージュ、入ってるのかも…w。
前作で登場した女性キャラ(ヴィクトリア)もショウのパートナーとしてのポジションを確保しつつある印象。
僕は結構彼女のキャラ、好きなんですが、続編でも登場するのでしょうか?
個人的にはリンカーン・シリーズのように、登場してきたキャラたちとの関係を深めつつ、シリーズを展開して行って欲しいところ。
…しかしそれじゃ、「現代版カウボーイ」というキャラがブレちゃうかな?