「子育て刑事」シリーズとかになるのかなw：読書録「育休刑事（諸事情により育休延長中）」

・育休刑事（諸事情により育休延長中）
著者：似鳥鶏
出版：角川文庫

妻が警察庁のキャリア課長。
夫は巡査部長で、夫の方が育休を取得して1歳の息子の面倒を見ている。
…という設定の連作ミステリー。（4篇収録）
法医学者をやってる夫の姉がナカナカ飛んだキャラで楽しいです。

ミステリーはミステリーでしっかりしてるんですが、作品のテーマは
「日本における子育ての厳しさ」
にある感じかな？
そもそも作者自身の子育て経験を踏まえて書かれた作品（そのお子さんはもう5歳だそうですが）だってのもあって、そこら辺の苦労エピソードはリアルです。
でもって、その「苦労」が事件を複雑化したり、ヒントになったり…という。
ジャンルとしては「ユーモア・ミステリー」になるんでしょうが、ちょっとした苦味や棘があるのも特徴です。
ろくろく育休休暇も取得しなかった我が身を振り返ると冷や汗もんのところもなきにしもあらず…ですけどねぇ。
（連作の最後に育休に入る＜前＞のエピソード（父親刑事）があるのですが、この時の主人公の逡巡には考えさせられるものがありました）

前作が「育休刑事」。
今度は「育休延長刑事」。
これから当分は「時短刑事」になる予定。
「あとがき」によれば作者はシリーズの継続に意欲がありそうです。
割と「子育て」ってかなり人によって考え方の幅があるから、結構難しいところがあるかもしれないけど（「逃げ恥」の原作がつづきを断念してるのもそこら辺があるらしい）、トライして欲しい気はします。
「反省しきり」ってことになっちゃうかもしれないけどw。

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