歌舞伎町にはいつだって探偵がいる:映画評「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」
伊藤沙莉・竹野内豊主演で、「岬の兄妹」の片山慎三監督と、「ミッドナイトスワン」内田英治監督が構成する6つのエピソードを分担して監督した映画。
って、僕は「岬の兄妹」も「ミッドナイトスワン」も観てないんですけどw。
マリコは新宿歌舞伎町でカラオケバーの店長をしながら、探偵もしている。
ある日、FBIが店にやってきて、自衛隊が捕獲していた宇宙人を連れ出した天本という博士を探し出すよう依頼される…
という突拍子もない設定が作品の枠組みになっていて、その枠組みの中でマリコと彼女の周りにいる人々のエピソードが語られる…というスタイル。
下っ端ヤクザの戸塚
キャバ嬢の絢香
市役所役員(?)の茂美と貞美姉妹
がそれぞれのエピソードの主人公。
それにマリコ自身と、彼女の恋人で忍者の末裔w・MASAYAの物語が語られます。
個人的には北村有起哉が演じる「戸塚」のエピソードが好きかな。
娘がいる身にとっては痛くて、切ない話なんだけどね。(そこに至るまでになんとかしろよ…ってことなんだけど)
絢香の話はラストが優しすぎかも。
最近、竹野内豊は「二の線」から外れた役柄やってますが、これもその一つ。
忍者ってw。
まあ、ダメ男なんだけど、底抜けに優しくもある。
こんな男と付き合ってちゃダメなんだけど(そのことはMASAYA自身が分かってる)、マリコには彼が必要なんだよね。
それもわかる。
「なんとかなる。なんとかなるさ」
なんの根拠もないんだけどねw。
でもマリコには必要な言葉だったんだ、と。
70年代の邦画っぽいというか、濱マイクっぽいというか。
好みは分かれるでしょうね。(特にエイリアンパートをどう評価するかで)
僕は「嫌いにはなれない」…くらいかな。